◆サッカー北中米W杯▽決勝トーナメント1回戦 フランス―スウェーデン(30日、ニューヨーク/ニュージャージー競技場)

 FIFAランク3位のフランスは同38位のスウェーデンと対戦。フランスの主将で、エースのFWエムバペが今大会3度目の2得点で6得点に伸ばした。スウェーデン戦の試合開始約3時間前に、ノルウェーの怪物FWハーランドが今大会5得点目を決めて単独2位に浮上したが、フランスの怪物がすぐに追い越し、メッシ(アルゼンチン)と並んでトップに躍り出た。

 今大会は開幕から好調で、1次リーグ初戦から2戦連続で2得点を記録。この試合でも前半20分、圧倒的なスピードで抜け出しゴールネットを揺らしたが判定はオフサイド。しかしその後もチャンスを作り続けると、前半45分にショートコーナーの流れからエリア左でボールをもらい、中に切り込みながら先制点をゴール右へ。W杯通算17得点目となり、今大会まで歴代最多得点記録保持者だった元ドイツ代表のクローゼ氏を抜いて、歴代単独2位に浮上した。

 2点リードの後半29分、オリーセのパスにオフサイドぎりぎりで抜け出すと、ペナルティーエリア左からシュート。この試合2点目でW杯通算18点に伸ばし、メッシの19点まで残り1点に迫った。

 18年ロシア大会で4得点、22年カタール大会では決勝・アルゼンチン戦のハットトリックを含む8得点を挙げ、計12得点。前回大会の得点王は27歳にして既にレジェンド級の数字を積み上げており、今後もただその数字を伸ばしていくだけだ。

 24年にパリSGからRマドリードに移籍。今や市場価値1億8000万ユーロ(約335億円)を誇る世界最高のアタッカーだ。圧巻のスピードは人類最強クラスで、スプリント時に時速38キロを記録したとの逸話もあるほど。変幻自在のドリブル、強烈なミドルシュート、高い得点力など、世界屈指のスキルでゴールに迫る。

 過去の所属クラブでは、すでに18ものトロフィーを掲げている。15年12月にプロデビューを飾ったモナコで2度、パリSGでフランスリーグ6連覇を含めて14度、Rマドリードでは2度のタイトルを手にした。代表では16年のU―19欧州選手権、18年ロシアW杯、21年欧州ネーションズリーグで優勝。カタールW杯で得点王(8点)に輝いており、個人タイトルも手にしている。

 19歳で初出場したロシアW杯からフランスの背番号10を背負った。プラティニ、ジダン、ベンゼマらに続き8代目。23年から主将を務めている。エースが先頭に立ち、2大会ぶり3度目の世界一に突き進む。

◆W杯得点ランキング(フランス―スウェーデン戦途中時点)

〈1〉6 メッシ(アルゼンチン)、エムバペ(フランス)

〈2〉5 ハーランド(ノルウェー)

〈3〉4 デンベレ(フランス)、ビニシウス(ブラジル)

〈6〉3J・デービッド(カナダ)、クニャ(ブラジル)、ケイン(イングランド)ほか

◆W杯歴代通算得点

(1)19=※メッシ(アルゼンチン)

(2)18=※エムバペ(フランス)

(3)16=クローゼ(ドイツ)

(4)15=ロナウド(ブラジル)

(5)14=ミュラー(西ドイツ)

(6)13=フォンテーヌ(フランス)

(7)12=ペレ(ブラジル)

(8)11=クリンスマン(西ドイツ)、コチシュ(ハンガリー)、※ケイン(イングランド)

※現役

 ◆キリアン・エムバペ 1998年12月20日、フランス・パリ郊外ボンディ出身。27歳。2015年に16歳で仏1部・モナコでデビュー。17年にパリSGに移籍し、フランス代表デビュー。19歳で臨んだ18年ロシアW杯は決勝・クロアチア戦でペレ以来となる10代での得点をマークし、優勝に貢献。22年カタールW杯は決勝・アルゼンチン戦でハットトリックを達成。24年にRマドリード移籍。パリSG時代はアニメ「ミュータント・タートルズ」の棒術の達人でメカマニアに似ていることから「ドナテロ」の愛称が付いた。インスタグラムのフォロワーは1億3000万人。178センチ、75キロ。