なぜ日本語は漢字とひらがなとカタカナがあるのか。5ヵ国語話せる言語オタクの『ダーリンは外国人』も驚く深すぎる日本語
24年前の『ダーリンは外国人』が復刻
2002年の刊行以来、多くの読者に愛され続けてきたコミックエッセイ『ダーリンは外国人』(小栗左多里著/オーバーラップ)が、オールカラー&デジタル作画によるリマスター版として2026年6月15日に復刊された。
ハンガリーとイタリアにルーツを持つアメリカ育ちの夫・トニーさんと、小栗さんの日常を描いた本作は、文化や言葉の違いから生まれる驚きや発見を、温かな笑いとユーモアとともに伝える。
一方で、その魅力は異文化コミュニケーションにとどまらない。家事や子育て、価値観のすれ違いなど、長年連れ添う夫婦ならではの葛藤や歩み寄りも、多くの読者の共感を集めてきた。
復刻を記念して、本書より漫画と夫婦のエピソードを紹介する連載の4回目。言語オタクの夫・トニーさんの日本語に対するあくなき好奇心について漫画とともにお伝えする。
和語しか使えない『和語しりとり』にハマる
本書第1話にて、外国人の友達と、「和語しか使えない『和語しりとり』して遊んだ」「楽しかったなー」などとうっとりした表情を見せる「ダーリン」トニーさんは、「語学オタク」である。
ちなみに「和語」とは、日本古来の言葉で、ひとつ、ふたつ、とか、市場(いちば)とか、訓読みする言葉。対して「漢語」は、イチ、ニ、とか、市場(シジョウ)など、音読みする言葉。
日本人でも危うい和語しりとりを楽しい思い出として振り返る、語学オタク度マックスの夫である。
当然日常会話の中でも、突然、奇想天外な質問を繰り出してくる。
「『やれああしろこうしろ』の『やれ』って何?」
あなたはこの質問に答えられるだろうか。辞書を調べつつ(でも小栗さんちの辞書には、「やれやれ」しか載っていなかった)、必死に答える小栗さん。
だが、トニーさんはさらに聞く。
「『ぶん殴る』ってなんで『ぶん』なのかなー」
けれどもそのうちに、「言葉の意味を聞かれる」ことくらい、ラクだったと感じられるような質問が飛び出す。
「例えば、ある会社があって、『まだ実績をあげてない状態』っていうのを一言でいう単語ない?」
漫画家という表現者である以上、こうした質問を無視できない小栗さん。必死に考え、そして悩む。
木を5つ繋げてなんと読む?
そんなトニーさんは、漢字を学ぶだけでなく、その成り立ちを理解し、例えば「木」から「新漢字」を作ってしまう。
木 a tree
林 a grove
森 a forest
次がトニーさんの新漢字。木を4つ置いて a jungle
さらにブラジルの日系人が使っているというのが、木を5つ組み合わせて an amazon
これほど日本語を愛するトニーさんだが、勉強するほどに、「日本語が大変」と感じるという。それは、漢字の読み方。
「行灯」「石神井」、みなさんは読めるだろうか。
答えは、続く漫画にてご覧ください。
読み方は、「行灯(あんどん)」「石神井(しゃくじい)」。
ほかにも「御手洗(みたらい)さん」「我孫子(あびこ)」「福生(ふっさ)」など、地名や人名は、知らない人には読めないであろう漢字はたくさんある。
オンライン英会話「GLOBE」のサイトでは、米国国務省外国語研修所FSIとユネスコの調査データを基にした「世界で最も習得が難しい言語ランキングTOP10」を紹介しているが、日本語は「3種類の文字体系、複雑な敬語体系」などの理由から、3位にランキングされている。
そんな難解な日本語を自ら学びたいというトニーさんは、やはり勉強家なのである。

