片道210円違うケースも…物価高の中、鉄道運賃は差が生まれた関東と関西 運賃の面から見ると関西の方が住みやすい?
私は関西に住んでいますが、関東から来た友人に聞くと「関西は安い」と言うのです。最も差を感じるのは、一般的なバーでの飲み代とのこと。特にチャージ代の差異が大きいようです。
前段が長くなりましたが、首都圏、京阪神圏におけるJRの運賃差も、もしかすると関東の方が関西をうらやましく思う一つになるかもしれません。なお、この記事での運賃はすべて「きっぷ」運賃です。
31〜35キロなら往復80円も違う
JR東日本では2026年3月に運賃値上げを実施し、割安な「電車特定区間・山手線内」の区分を廃止して、「幹線」に統合しました。
まずは首都圏におけるJR東日本の運賃体系(幹線)を見ていきます。営業キロ1〜3キロ:160円→4〜6キロ:200円→7〜10キロ:210円→11〜15キロ:260円→16〜20キロ:350円→21〜25キロ:440円→26〜30キロ:530円→31〜35キロ:620円→36〜40キロ:720円の順になっています。
一方、京阪神圏では、まだ「大阪の電車特定区間」が残っています。
電車特定区間での運賃は1〜3キロ:150円→4〜6キロ:180円→7〜10キロ:200円→11〜15キロ:240円→16〜20キロ:320円→21〜25キロ:410円→26〜30キロ:490円→31〜35キロ:580円→36〜40キロ:660円の順です。
首都圏と京阪神圏を比較すると、初乗りは首都圏が160円、京阪神圏が150円です。以降、京阪神圏の運賃は首都圏の約1割引といったところ。しかし、運賃が上がれば上がるほど、比率は変わらずとも、運賃差は大きくなります。11〜15キロの運賃差は片道20円に対し、21〜25キロは片道30円、31〜35キロは片道40円、51〜60キロは片道80円、101〜120キロにもなると、片道210円にもなります。
ちなみに、廃止された「東京の電車特定区間」は「大阪の電車特定区間」よりも、少しとはいえ運賃が安かったのです。しかし、幹線の運賃になると、「大阪の電車特定区間」といえども、これだけの運賃差になってしまうのです。
特定区間でも関東と関西で差がある
首都圏、京阪神圏のJRでは、幹線や電車特定区間とは別に、並行私鉄を意識した割安な区間「特定区間」があります。首都圏(東京地区)にも京阪神圏(京阪神地区)にも特定区間はありますが、京阪神地区の方が東京地区よりも倍以上の設定区間があります。
たとえば、「特定区間」渋谷〜横浜間32.1キロの運賃は440円です。幹線の運賃よりも180円安くなります。しかし、新宿〜横浜間の特定区間は存在せず、運賃は620円になります。また、横浜駅近くの桜木町駅、関内駅を起点とする特定区間はありません。
なお、今回の改定により、桜木町〜渋谷間をはじめとした多くの特定区間が廃止されました。桜木町〜渋谷間の場合、ライバルだった東急東横線の桜木町〜横浜間がすでに存在しないことも廃止の要因の一つと考えられます。
一方、「特定区間」大阪〜三ノ宮間30.6キロは420円です。電車特定区間よりも160円、幹線(JR東日本)よりも200円安い運賃です。三ノ宮駅の近くにある元町駅、神戸駅を起点とする特定区間も存在します。
もっとも、大阪〜三ノ宮間に並走する阪急、阪神(大阪梅田〜神戸三宮間)の運賃は営業キロ30キロを超えても330円であり、より関東の方を驚かせる運賃となっています。
なお、JR西日本は4月30日の会見にて、今後5年以内の運賃値上げを示唆しました。いずれにせよ、当分は首都圏と京阪神圏との間で、運賃格差が目立つ状態が続きます。
(まいどなニュース特約・新田 浩之)

