安くて長持ちする冷凍・缶詰の果物や野菜を選ぶ時の注意点とは?

果物や野菜が健康に良いことは広く知られていますが、生鮮食品を買い続けるにはコストや保存期間の問題があります。そこで、安くて長持ちする冷凍・缶詰の果物や野菜を選ぶ時に何に注意すべきなのかについて、オーストラリアのスウィンバーン工科大学で栄養学の上級講師を務めるマーガレット・マレー氏が解説しています。
Frozen fruit and canned veg are cheap, but are they as healthy as fresh food?

果物や野菜にはビタミン・ミネラル・食物繊維が含まれており、健康維持に役立つだけでなく心臓病や一部のがんなどのリスクを下げることにもつながります。しかしその一方で、果物や野菜を十分に食べられていない人は少なくありません。
オーストラリアの食生活指針である「Australian Guide to Healthy Eating」は、成人に対して1日に少なくとも果物を2サービング、野菜を5サービング食べることを推奨しています。「サービング」とは摂取量の目安で、例えば冷凍ブロッコリー2分の1カップや豆の缶詰2分の1カップは「野菜1サービング」、桃の缶詰め1カップや角切り冷凍マンゴー1カップは「果物1サービング」に相当するとのことです。
食事に生鮮食品を多く取り入れようとすると、「価格が高い」「下ごしらえに時間がかかる」「使い切る前に傷んでしまう」といった問題が起こりがち。これに対して冷凍・缶詰の果物や野菜は生鮮食品よりも安いことが多く、すでにカットされていたり調理しやすい状態になっていたりする点も便利。また、冷凍や缶詰だと保存期間が長いため食品ロスも減らしやすいとのことです。
多くの冷凍・缶詰食品の栄養価は冷蔵庫で1週間保存した生鮮の果物や野菜と同等だとマレー氏は述べています。保存の過程で栄養価が高くなるものもあり、例えば冷凍アンズは加工時に変色や酸化を抑える目的でビタミンCが加えられることがあるため、生のアンズよりもビタミンCがかなり多くなるとのこと。

「冷凍」は低温によって食品の劣化を遅らせる方法で、工業的な冷凍技術は果物や野菜の色や食感を保ちつつ栄養価も維持しやすいとされています。ただし冷凍によって氷の結晶ができると食品の構造が壊れ、栄養価が下がったり食感が柔らかくなったりすることもあります。この影響は、特に一度解凍した食品を再び冷凍した場合に出やすくなるそうです。
また、冷凍の果物や野菜を食べる時には食中毒にも注意が必要。冷凍の果物や野菜には食中毒を引き起こすリステリア菌に汚染されるリスクがあります。ただし、食べる前に加熱することでこのリスクは減らせるとのことです。
「缶詰」は食品を高温で殺菌することで長期間にわたって常温保存できるようにする方法ですが、高温にさらされることで食品中の一部の栄養素は分解されてしまいます。特にビタミンCのような水溶性ビタミンは熱の影響を受けやすいとのこと。ただし、缶詰技術が進歩したことによって、より短時間かつ低温で処理できるようになったため、缶詰にすることで失われる栄養素は少なくなっているとマレー氏は説明しています。

冷凍や缶詰を選ぶ際に特に確認したいのが塩分や糖分です。缶詰野菜は塩分が多いことがあるため、「食塩無添加」と書かれた製品を選ぶのがよいとのこと。また、栄養成分表示でナトリウム量が少ないものを選んだり、食べる前に水を切ってすすいだりすることでも塩分を減らせます。ベイクドビーンズのようにソースに漬かった缶詰食品の場合はソースに砂糖や塩分が加えられている場合があるため、よく食べる人は減塩タイプを選ぶことでナトリウム摂取量を抑えることができるそうです。
缶詰の果物を選ぶ時には糖分量がポイント。シロップ漬けではなく果汁漬けのものを選んだり、「砂糖無添加・砂糖不使用」などと書かれた製品を選んだりすることで糖分の摂取量を減らすことができます。
なお、「乾燥」も野菜や果物を長期保存する方法のひとつですが、ドライフルーツは乾燥させることによって糖分が濃縮されてしまうため、生鮮・冷凍・缶詰の果物の代わりとしてオススメしないとマレー氏は説明しています。
