【東京女子プロレス】上福ゆきが12・26後楽園で現役引退「一番イケてていい女だなってタイミングで」
東京女子プロレスは29日、東京・水道橋の後楽園飯店で会見を開き、上福ゆきが12月26日に東京・後楽園ホールで開催する「TJPW Year−End Party 2026〜上福ゆき卒業スペシャル〜」をもって同団体を卒業、プロレスラーを引退することを発表した。会見には上福のほかに甲田哲也代表、CyberFight副社長・郄木三四郎も同席した。
帰国子女で米国で暮らしていたこともある上福は帰国後、東洋大学に在学中の2013年に「ミス東洋大学グランプリ」で準グランプリとなり、その後、芸能活動を始めた。2017年に東京女子に入り、同年8月26日の後楽園大会でデビュー。2020年11月7日、TOKYO DOME CITY HALL大会でインターナショナル・プリンセス王座を奪取し、タイトル初戴冠を果たし、3度の防衛に成功。東洋大学の同級生である桐生真弥との“東洋盟友(とうようめいと)”でタッグ戦線でも活躍。その後、東南アジアの団体からオファーが殺到し、Queen of Asia選手権王座、VPW認定女子王座を獲得。2023年夏にはシングルトーナメント「東京プリンセスカップ」で準優勝。昨年9・20大田区では上原わかなとのOber Eatsでプリンセスタッグ王座を戴冠し、3度防衛を果たした。先の6・7後楽園では最高峰プリンセス・オブ・プリンセス王座に初挑戦するも、王座奪取はならなかった。
会見の冒頭で上福は「12月26日で引退することを決めました。理由としては、別にすごい痛いところがあるわけでもないし、なんか嫌なことがあったわけでも全くないし、これといったアレはないんですけど。自分の中で東京女子プロレスで生まれたので、東京女子プロレスで引退したいっていうのはずっと思っていて。ずっと東京女子プロレスにいれるわけではない、どこかでいつか引退はしないとなと思っていて。じゃあ、そのタイミングをどうしようかなって思った時に、やっぱり自分が一番イケてていい女だなって思ったタイミングで決めようっていうのはなんとなく思っていて。そこで最近“一番イケてるんじゃね、自分”って思ったんで、じゃあやめるかっていう感じで決めました」と引退を決断するに至った理由を説明した。
甲田代表は「2017年のデビュー以来、上福は東京女子プロレスにとって欠かせない存在になっていましたので、この話を本人から聞きまして、とても驚きと寂しさがあります。ですが、上福のやることにはいつも意味があって、私たちには想像もつかないような真意があって。何よりすごく良い子で、一生懸命なこと、自分なりの言葉でたくさんの愛を伝えてくれていたことを知っているので、この決断を応援します。自分が東京女子プロレスを卒業したメンバーのことをみんな尊敬していますけれども、上福も尊敬できるところがたくさんの大好きなメンバーです。12月26日、最後の日は上福ゆきの集大成ではなく、上福の完成形を見せてくれると思っております。これから半年間、もっともっと美しさに磨きをかけて、最後の日が一番美しい上福、上福の最高到達点になると思っておりますので、半年間ファンの皆さんもぜひ会場にたくさんの足を運んでいただけたらと思います」と語った。
郄木は「上福さんは元々スターレイプロダクションという事務所に所属しておりまして、そこの上福さんの担当マネジャーの方と私が知り合いで、仲良くさせていただいたんですけども。そのマネジャーから“ウチに身長170センチ以上あって、東洋大学の(準)ミスがいるんですけど、どうっすか”という、割とざっくりとした感じで話が来まして。“じゃあ一度会いましょうよ”ということで、会わせていただいたのが最初だったんです。本当に上福さんは全くプロレスのことを知らない状態で、このプロレス界に足を踏み入れたと思ってます。僕もそのスターレイさんの手前もあるし、預かったからには、ちゃんと育ててスターにして戻さなきゃいけないなと思ってました。でも上福さんは元々米国での生活も長かったりというのもあって、日本でのプロレス、特に女子プロレス文化というものにあまりなじみがなくて。結構、私にガンガン連絡が来たんですよ。“郄木さん、なんすか、これ? どういうことすか?”みたいな。本人も曲がったことが嫌いな性格で、正義感もすごい強い子なので、ちょっとでも曲がったことがあると、“郄木さん、これよく分かんないですけど、どういうことですか?”みたいなものが夜中に来たりとかして。一時期ちょっと本当に上福さん、着信拒否しようかなと思ったぐらいで。でもそのぐらい、本当ストレートに真摯で、このプロレス界でやっていこうという気概を感じましたし…。本人も東京女子プロレスにいてくれて、ずっと東京女子プロレスを盛り上げることを第一に考えてくれてた子だったんで、僕も彼女の思いにはちゃんと応えなくちゃいけないなと思って、今まで向き合ってやってきました。上福さんが東京女子で生まれて、東京女子で育って、東京女子で最後卒業して引退してくれるというのは、すごく僕らにとっても本当にありがたいことだし、うれしい気持ちでいっぱいなんですよ。だからやっぱり上福さんが最後の最後まで、最後にリングを降りる瞬間まで、東京女子プロレスにいて良かったと思えるような引退ロードを、本人と話してクリエイトしていきたいし…。本人が悔いなく、戻ってこれないような、“もう戻りません! 楽しかった!”って明るく言ってもらえるような引退ロードを、会社としても彼女のためにね、クリエイトしてあげたいなと思ってます。どうかその日までよろしくお願いします」と話した。
引退ロードとして、上福ゆきプロデュース興行「かみーゆと愉快な仲間たち〜四角で出会った特級呪物〜」(11月27日、後楽園ホール)、「上福ゆき地元凱旋興行(仮)」(12月10日、神奈川・藤沢市湘南台文化センター)の開催も決定。11・27後楽園にはアジャコング、飯野雄貴(DDT)、VENY、夏すみれの参戦が決定済みで、東京女子の選手は一部が出場となる。自身のプロデュース興行について、上福は「11月27日に自分の仲良しの友達、プロレスを通して出会った仲間をかき集めて、一個そういう楽しい興行をしたいなと思いました。東京女子にはふだん出ないような人たちと、夜な夜な出会ったりとかしたんですけど。ここで東京女子にはふだん上がらないような人たちと、いい楽しい思い出を作って、なおかつ私を通してファンの人たちとかも、ふだん見たことないような選手を見たりとか、逆に東京女子の選手を見てもらったりとかして、何かいいプレゼントみたいになったらいいなと思ってます。VENYとか親友の飯野タンとか、その辺を呼ぼうと思ってますし。意外かもしれないんですけど、今DDTに上がってる隈取ももともと友達でその辺とか、あとワンチャン、郄木さんとも戦うとか組むとか何か絡みたいなと思ってるんで。できたらいいなと思ってます」とコメント。
これを受けて、郄木は「ご指名いただいてありがとうございます。自分はいつでもウェルカムですし。自分は組むより、真夜中にいろいろなご相談とかいっぱい来た、あの時の恨み、恨みじゃないか。戦うほうがいいのかなと思ってたりとかする中で、もしじゃあそういう部分があるならば、自分も知り合いで、上福さんが東京女子プロレスにいた証を残したいので、めっちゃ泣けるような煽りVを作ろうかと思うんで。煽りVといえば、私の人脈でいうと今成夢人っていうのがいるんで。よく知ってると思うけど、呼んで盛大にやりたいと思いますので、その時はよろしくお願いします」と対戦に意欲を見せた。
質疑応答は以下の通り
――プロデュース興行開催が発表されましたが、それ以外にプロレスでやり残したことや、最後までにやっておきたいことなどはありますか?
「やり残したことは正直なくて、常にピークでやらせてもらってるんですけど。今、郄木さんにそうやって言われて、やり残したことといえば、やっぱ郄木さんにこっちも恨みがないわけじゃないんで。やられたら絶対やり返したいし、おもしれえ女がいたなっていう証はどこかで残したいし、最後の最後まで、やっぱ一番きれいだなコイツって思われたいっていう気持ちで挑もうと思ってます」
――“一番イケてる時に辞めたい”と思ったとおっしゃってたんですけど、実際にその一番イケてるなと思ったのはいつぐらいですか?
「ここ半年ぐらいは、数字で言ったら(SNSの)フォロワー数もどんどん伸びたりとか。あとは自分のことをほめてくれる人がすごく多くなって。もともと絶対私のことを応援してなかったようなファンの人が物販に来てくれて、“めっちゃカッコよかったよ”みたいな。“いや、お前絶対私のこと好きじゃなかったじゃん”みたいな奴が応援してくれて。今が一番愛されてるんじゃないかなっていうのを、なんとなくファンの人からも思ったし、それこそSNSでも思ったし、あと上からもう怒られなくなったんで、まずいことしてないんだなって思ったら、今が一番イケてるのかなと思いました」
――6・7後楽園でプリプリ王座に挑戦した時に美容のこともいろいろお話されていて、アレをやったことで自分が一番輝いたみたいなところはあるんですか?
「タイトルマッチはそんな輝くきっかけにはならなかったですね。でも、たとえばタイトルマッチ一個にしても、“これのために自分は気をつけよう”とか“美容頑張ろう”っていうのはもちろんあって。終わった後もそのモチベ(ーション)が意外と高かったんで、“これキリねえな”みたいな。で、全然クビにしないんで、団体も。たぶんあと3年、4年は頑張れば続けられると思うんですけど、本当にスロットと一緒で、続けてれば、もしかしたらまだ当たり続けるかもしれないですけど。ジャグラーみたいな勘で、もうペカらないみたいな。30回ぐらい回してみて、こう数ヵ月。もういいかなって感じで、全部やめてみようと思いました」
――引退をして何をするというのは、今の段階で決めてらっしゃるんですか?
「特に考えてないんですけど、プロレスを始める時も、プロレスをやろうと思って始めたわけじゃないので。なんかやればできるんじゃない?っていう気持ちがあって。でもパッと思いつくのは、愛犬がいるんですけど、愛犬がもう老犬になってきて、あいつが一番辛い時に支えてくれたので、今度は私がそいつを支えようかなとか。親も年取ってきてるし、誰かを支えたり、なんかの手助けみたいなことができたらいいなとは思ってます」
――今回の決断をすでに東京女子だったりとか、どなたかに打ち明けて、何かそれで返ってきたことで印象的なことはありましたか?
「もう選手全員には伝えたんですけど、ちょいちょい先輩には、時期とかどうしようかなみたいな悩みはちょっと言ったりしてて。辞めるって言った時に山下(実優)さんは“マジかーっ!”って言ってました。DDTの選手とかも、ちょこちょこ仲良くしてくれる人がいるんですけど、“マジっすか?”みたいな。みんな“マジで!?”っていう感じで。泣いて惜しむとかよりも“マジかよ!?”っていう感じが印象的でした」
――“タイトルマッチは嫌い”と公言されていますが、半年間のうちに何かのベルトを獲ってチャンピオンのまま引退したいとかはないんでしょうか?
「うるさい!(笑)。うるさいはアレですけど、そもそもシングルとかも嫌いだし、ベルトも嫌いだし。マジで自分のベルト獲ろうとかよりも、仲間と思い入れを作るような楽しい試合にしたいし。ただ自分の自己満だけじゃなくて、“東京女子でやってみて面白かったね”“上福がいたからこんな試合できたね”みたいな試合はしたいなと思ってます」

