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熊本市の上通アーケードに、創業130年を超える老舗「長崎書店」があります。

【写真を見る】「カルテをもとに“あなたへの本”届けます」 10年で約4割の書店が減少…逆境の中で変わる 街の本屋さん

午後7時、通常の営業が終わると始まったのは無人営業です。

ドアは閉まっていて、客はスマートフォンでドアの横にある二次元コードを読み取り、入店する仕組みです。

店員のいない朝と夜の時間帯でも本を選ぶことができ、商品はキャッシュレス専用のセルフレジで購入できます。

10年で書店の約4割が閉店 厳しい現状

無人営業の導入を決めた長粼健一社長の狙いは、新たな客層の掘り起こしでした。

長崎書店 長粼健一社長「これまでの営業時間(午後7時まで)だと、仕事帰りに来店できないお客様がいたので、去年の8月から4時間半、営業時間を拡大しました」※無人営業は午前9時半~午前11時と午後7時から午後10時

熊本県書店商業組合の理事長も務める長粼社長は、県内の書店を取り巻く環境は厳しいと話します。

長粼社長「この10年で、熊本県内の書店の数は約4割にあたる70店舗弱が減少したと言われています」

10年で約4割の書店が減少

背景には、書店の経営を支えてきた雑誌の低迷やコミックの電子化などが進み、紙の本を手に取る機会が減っています。

そんな中、長崎書店が取り組んでいるのが「選書サービス」です。依頼者の好みや読書歴が記されたカルテをもとに、専門のスタッフが経験と知識を生かしてその人にぴったりの本を選んで届けます。

長粼社長「ブックカルテはオンラインの選書サービスなので、熊本県内外問わず、多くのお客様に利用してもらえるのが、良いところかなと」

一方、独自の魅力で存在感を増しているのが「独立系書店」と呼ばれる店です。

「自分が面白いと思った本」を

4年前に熊本市中央区神水にオープンした「古本と新刊 scene(シーン)」に並ぶ本は約2000冊。それでも、そのすべては店主のこだわりが反映された様々なジャンルの本です。

店を切り盛りする、店主の高岡さんです。

店主 高岡浄邦さん「紙の本は面白いと思っているので、それを販売する仕事をやりたいなと」

高岡さんは大手書店などでの勤務を経て、念願だった書店を開業しました。

――並べる本のこだわりは…?
高岡さん「『自分が面白いと思った本を置く』というのは選書のポイントとして決めている」

本と人をつなぐ場所として

来店客は書店ならではの良さを話します。

来店客「書店だと、自分では選ばないようなもの、自分が気になった本の隣にまた気になる本が見つかって。そういうのは書店でなければ出会えない」

店では定期的に読書会なども開かれ、本と人をつなぐ場所になっています。

高岡さん「生きていく上での助けになるというか、何か良い影響を与えてくれるような本を手に取ってもらえたら嬉しい」

書店ゼロの自治体に誕生した絵本屋

書店がひとつもなかった合志市に、去年6月「絵本屋 よかよか」がオープンしました。

空き家を改装した店内には100冊以上の絵本が並び、購入する前に自由に手に取って読むことができます。

絵本屋さんができたことについて、地元の人は。
来店客「自宅から近いので通いやすくて、本屋さんがここに出来て良かったなって思います」
来店客「子どもが遊べて、本も読めるところはなかなかないので、とても嬉しい」

子ども目線で店作りをしたのは、地元の歯科医院の院長でした。

地域コミュニティ拠点として

合志かたやまこども歯科 片山創院長「熊本の書店が減っているというニュースを聞いて、子どもたちが絵本に触れる機会が減っていると思ったので、絵本屋さんを開こうと思いました」

店に並ぶ絵本は片山院長が自ら選んだもの。かけがえのない1冊と出会ってほしいと願っています。

片山院長「書店が今後増えてくるというのはなかなか難しいとは思うので、ここは地域のコミュニティであったり、子ども達の勉強できたりする場所であったらいいなと思います」