(左から)有村架純、堤真一、山田裕貴

写真拡大

スポ根ファミリードラマ

 俳優の堤真一(61)が主演するTBS日曜劇場「GIFT(ギフト)」(午後9時)が突如として“鬼脚本”となり、視聴者の怒りを買っている。大学に勤務する孤独な天才宇宙物理学者・伍鉄文人(堤)が、車いすラグビーの弱小チーム「ブレイズブルズ」と出会いコーチに就任。チームの問題点を探して解答を導き出しながら、周囲の人々の“愛”を見出していくスポ根ファミリードラマだ。(※以下、ネタバレを含みます)

 ***

【写真】「脚細すぎ」…超ミニ丈コーデの有村架純

 7日に放送された第9話では、俳優の山田裕貴演じる「ブレイズブルズ」のエース選手・宮下涼(みやした・りょう)が心臓病で急逝するというジェットコースターのような展開だった。視聴者を悲しみのどん底に突き落とし、ネットは「最終回前に死なすなんてありえない」と大荒れとなっている。

(左から)有村架純、堤真一、山田裕貴

 山田演じる涼は高校時代、サッカー部のキャプテンだったが、交通事故で車いす生活になり、責任を感じた父親は失踪。現在、涼は市役所に勤務し、母親(麻生祐未)と質素な暮らしをしている。

 ところが、9話では「ブレイズブルズ」を取材している編集者の霧山人香(有村架純)と急接近し恋のときめきを予感させるハッピームードが描かれ、しかも行方不明だった父親(菅原大吉)が戻ってきて涼の試合を見守るという劇的な家族愛でも泣かせた。

 テレビ誌ライターがこう指摘する。

「バラバラだったチームへの熱い思いや代表選手入り、そして恋の予感など、涼は事実上の主人公といえるポジションでした。そんな涼については8話で心臓疾患が浮上し視聴者を困惑させ、9話で涼は試合中に発作で倒れ、搬送された病院で息を引き取るというまさかの結末に。伍鉄や人香らが号泣する絶望ストーリーは、あまり見たことがありません」

 主要キャラである涼が最後は試合で大逆転劇を放ち、盛り上げて終わるのがスポ根ドラマの常套手段だろう。だが、その一歩手前で死なせてしまうとは、まさに“鬼脚本”というほかないだろう。いったいなぜこんな展開になってしまったのか。

視聴率は下落基調

 背景には視聴率があると、TBS関係者は明かす。

「TBSが潤沢な制作費を投入している日曜劇場は世帯視聴率2桁がマストですが、『GIFT』は4月12日放送の初回の9.4%をピークに下落基調となり、5月31日放送の第8話は6.0%と危険水域に突入しています。視聴率を急浮上させる起爆剤が、主人公級キャラの急死なのです」

 こうした“鬼脚本”は、実は日曜劇場で過去にも繰り返されているという。例えば2021年放送の「TOKYO MER〜走る緊急救命室〜」の第10話では、爆弾テロで“死者ゼロ”の記録が崩壊。犠牲となったのは、主人公の救命救急医・喜多見幸太(鈴木亮平)の最愛の妹であり、医系技官・音羽尚(賀来賢人)に想いを寄せていた喜多見涼香(佐藤栞里)だった。

「こうした“鬼脚本”によって『TOKYO MER』の世帯視聴率は10話の13.5%から最終回は19.5%に跳ね上がりました。両ドラマとも、TBSの平野俊一氏が演出を担当しています(『TOKYO MER』は複数演出体制で、そのうちの一人)。2021年4月期に放送された阿部寛主演の『ドラゴン桜』第2シリーズでも、第6話で女子高生が父親から暴行を受け、顔を腫らすという描写があり、大きな波紋を呼びました」(前出のTBS関係者)

 狙いはいったい何なのか。

「それは“鬼脚本”が視聴者の感情を揺さぶる最も即効性のある手法だからです。無難でハッピーな展開が続くよりも、予測不可能な悲劇や理不尽な状況をあえて描くことで物語への没入感を高め、SNS等での口コミを強力にバズらせるのが目的でしょう。スポンサーとしては、主要キャラの突然の死はイメージ悪化につながるケースもあるので、あまり望んでいないといいます。それでもあえて“鬼脚本”にするのは、最終回に向けて一気に注目を集めたい制作側の“確信犯”のようなところもあるでしょう」(同)

 14日放送の最終話では、涼の病状を知っていた伍鉄の責任を問う声があふれる中、伍鉄たちを窮地に追い込む暴露記事も出てしまう。星になった涼。そして宇宙を愛する伍鉄が出す最後の答えとは。最終回は“神ストーリー”となるのだろうか。

デイリー新潮編集部