デビュー2年目で成長著しい田山

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 最近とても気になるジョッキーがいる。デビュー2年目の田山旺佑騎手(19)=栗東・新谷。人気薄が飛んできた!と思ったら、かなりの確率で手綱を取っている。先月の栗東Sでは8番人気のタガノミストで逃げ切りV。馬の強みを生かした堂々としたレースぶりで見事勝利へ導いた。条件戦だけでなくオープンでも“田山”の名前を目にすることが増えてきた。

 ルーキーイヤーの昨年はJRA16勝を記録した。新人では唯一夏の小倉に参戦。主に阪神、京都の本場で奮闘の日々を送った。「新谷先生の意向もありましたが、やっぱり本場で乗れるジョッキーになりたいという気持ちがありました」。そう力強く話す田山の姿から、デビュー前に「一流のジョッキーになるための土台を作る年にしたい」と口にしていたことを思い出す。「去年はずっと緊張していたし、失敗ばかりでした。でも上位のジョッキーと競馬をさせてもらうなかで学ぶことがたくさんあった」。あえて厳しい環境に身を置き、感じたことや、見たもの全てから技術を吸収してきた。

 栗東で取材していると、多くの関係者から「彼は仕掛けどころがうまいよね」と評価する声をよく耳にする。競馬を見ていても、まだ追いださなくていいのかな…とヒヤヒヤするほど、焦らずじっくり構え、ゴールではきっちり届かせる。「やっぱり3キロ減を生かして前に行ってということがセオリーだと思いますが、馬の気持ちを阻害してまで行き切るのは僕のイメージになくて…。それで1つ勝たせてもらったとしても次につながるのかなって」と明かしつつ、「もちろん行ける馬や行って欲しいという指示の馬は行くようにしていますが、自分の中で葛藤もありましたね」と本音を漏らす。一頭一頭の馬に真剣に向き合っているからこその悩みだろう。

 今年は既に昨年の勝利数を超すJRA21勝。「自分でレースを振り返ってトライしてみて得たものも大きいですが、松山(弘平)さんに4コーナーからの馬のギアの上げ方を教わったり、親しくさせていただいている(田口)貫太さんには同じ馬に乗せていただくこともあるのでレースの組み立てなどを教わったり、先輩方にたくさん助けていただいています」と好調の要因を挙げる。

 確実にレースに対する考え方は進化している。「直線までに4、5番手にいる馬が勝つ確率が高いですし、最近はそういう面を特に意識しています。レースプランを決めつけるのではなく、もっと引き出しを増やしていきたい」と勝利への飽くなき姿勢は尽きない。若手とは思えないほどの執念や探究心には、こちらも圧倒されてしまう。

 最近は他厩舎の馬での活躍も目立つ。なかでも3月の米子城Sで13番人気だった須貝厩舎のプルパレイを2着に持ってきたシーンが印象的だ。「学校生の時から調教は手伝わせてもらっていましたが、本格的に乗せてもらうようになったのは今年の1月くらいからですね。先生の指示通りに乗れて3着以内に入る確率が多くなってからだと思います」。巡ってきたチャンスで結果を出し、信頼を勝ち取っている。

 「最近だと(今村)聖奈さんがオークスを勝ったり、松山さんが初めてダービーを勝ったり…。やっぱりみんなの印象に残る、大舞台で乗れるジョッキーになりたい。今年は重賞を獲りたいです」と爽やかな笑顔を浮かべる。貪欲に上を目指し続ける伸びしろたっぷりの19歳。トップジョッキーとしてターフを駆け抜ける姿を、思い描かずにはいられない。(デイリースポーツ・小田穂乃実)