一目惚れした男性に猛アタックし、曖昧な態度を都合よく受け止めて暴走! そんな一方的な愛が招いた悲劇とは?【書評】

【漫画】本編を読む
『安達さんはワタシのことが好き』(リアコミ:原作、友田よね:漫画/KADOKAWA)は、タイトルから受ける印象を裏切る作品だ。描かれているのは甘い恋愛ではなく、ヒリヒリとした「勘違い」と「独りよがりな愛」の物語だ。
主人公・玲香は、社長令嬢で何不自由なく育った女性。中途入社してきた安達恭介に一目惚れしたことをきっかけに、彼女の世界は一気に彼中心へと傾いていく。安達がバツイチのシングルファーザーだと知った玲香は「彼は大変な思いをしている」「私が幸せにしてあげなきゃ」と強く思い込む。献身的な優しさに見えるが、しかしそれは相手の事情を無視した、一方通行の感情だ。例えば、玲香が好意を伝えた際の安達のやんわりとした拒絶を「受け入れられた証」と受け取るなど、この「都合のいい解釈」が積み重なることで、実情とのズレがどんどん大きくなっていく。
玲香のように突き抜けた人とは出会いたくないものだが、振り返ってみると、相手の気持ちを自分に都合よく解釈したり、「こうすれば喜ぶはず」と押し付けたりしたことはないだろうか。その好意は本当に相手のためのものなのか。それともただの自己満足なのか。玲香の暴走を見ながら、自分の感情や行動を振り返ってしまう作品だ。
文=ちゃむ
