メリー・ スリフトマス ! ホリデーギフトに中古品を選ぶZ世代が増えている

記事のポイント
中古品をギフトとして贈る行為がホリデーシーズンに一般化し、節約だけでなく「思いやりある選択」と受け止められ始めている。
鑑定保証やライブコマースなどによりリセール市場の品質と透明性が向上し、中古ギフトへの心理的ハードルが大きく下がった。
Z世代を中心に中古ギフト需要が拡大し、関税やインフレを背景にリセール市場全体の成長を後押ししている。
中古品をギフトとして贈る行為がホリデーシーズンに一般化し、節約だけでなく「思いやりある選択」と受け止められ始めている。
鑑定保証やライブコマースなどによりリセール市場の品質と透明性が向上し、中古ギフトへの心理的ハードルが大きく下がった。
Z世代を中心に中古ギフト需要が拡大し、関税やインフレを背景にリセール市場全体の成長を後押ししている。
昨年、米国・メリーランド州在住で53歳の投資会社幹部であるタリー・オクスナム氏が義母へのホリデーギフトを買おうとしたとき、彼女は百貨店へ向かわなかった。代わりに、リセールプラットフォームで鑑定済みのエルメス(Hermès)のスカーフを探し当てた。
同氏は、長年にわたり自分用の買い物では中古品を利用してきた。しかし、昨年のクリスマスまでは、誰かに中古品を贈ったことは一度もなかったという。エルメスのスカーフは大好評で、彼女は今年のホリデーショッピングのリストにも中古品を加えることに、より抵抗がなくなった。彼女は、中古ギフトがかつてのようなスティグマ(偏見)をもはや伴わず、「店頭で新品を買うよりも、むしろ心のこもった選択に感じられる」と話す買い物客のひとりである。
ホリデーギフトにおける中古品の「正常化」
かつては無作法と見なされていた行為が、ホリデーギフトの一部として次第に一般化しつつある。今シーズンは、より多くの消費者がプレゼントを求めてスリフトストア、委託販売店、リセールプラットフォームに向かっている。関税やインフレが消費者に支出の仕方や購入先の見直しを迫るなか、低価格であること、ユニークな掘り出し物に出会えること、そして中古品に対する心理的ハードルが下がっていることが、その背景にある。
リセールプラットフォームによれば、消費者は自分用に中古品を購入するだけでなく、ギフトとして贈ることにも、ますます自信を持つようになっているという。
リセールプラットフォームはこれまでも、消費者が中古品をギフトとして購入・受け取ることに徐々に前向きになっていることを示す調査データを示してきた。しかし、このホリデーシーズンは転換点になる可能性がある。関税やインフレによる価格上昇に加え、認証技術の進化や、より洗練されたリセール商品の提供が進んだことで、中古ギフトは「許容されるもの」にとどまらず、「賢い選択」と感じられるようになっている。
全米小売業協会(National Retail Federation)が実施した年次ホリデー調査によると、買い物客の半数以上、具体的には10人中6人近くが、今年は誰かのために中古ギフトを購入することを検討していると回答した。中古ギフトとしてもっとも人気が高いのは書籍やCD・DVDなどの商品で、次いで衣料品、アクセサリー、ホームデコレーションが続く。
リセール市場の質の底上げ
フォレスター(Forrester)のプリンシパルアナリストであるスチャリタ・コダリ氏は、中古ギフトの増加について、「リセール市場に出回る商品の水準が全体的に引き上げられていること」が要因だと指摘する。「高品質なブランドが、良好な状態かつ手頃な価格でオンラインに多数出回っており、そうした商品にたどり着くための道筋も比較的簡単に見つけられるようになっている」。
オクスナム氏は、購入する商品の真贋(しんがん)を確認しやすくなったことで、中古品をギフトとして贈ることに、より前向きになったと語る。鑑定保証、詳細なコンディション説明、高品質な写真、そして場合によっては動画といった機能が、かつてリセールショッピングに伴っていた不確実性を大きく減らした。こうした透明性の向上により、中古品はリスクの高い選択ではなく、信頼できるギフトとして感じられるようになった。
「ライブショッピングには、かなり安心感を持つようになった。『角を見せてほしい。中も見せてほしい』と聞けるからだ」とオクスナム氏は語る。「実際に店に行って商品を見るのと、ほとんど同じ感覚だ」。
出品者側が感じる「ギフト需要」の高まり
セカンドハンドのリセラーであり、ワットノット(Whatnot)上で「ランチブレイク・スリフト(Lunch Break Thrift)」という店舗を通じてヴィンテージの婦人服を販売するクリステン・ボーレン氏は、ホリデーシーズンにギフト関連の購入が増えていることに気づいているという。
彼女によれば、サイズ感をそれほど気にしなくてよいアクセサリーやアウターが、ギフトとして特に多い。ライブ配信中には、オークション終了直後に「ありがとう、娘がきっと気に入るわ」といったコメントが表示されることもあり、ギフト用途だとわかることも多い。また、普段とは異なるサイズの商品を突然購入する常連客の動きから、贈答用であることを察する場合もあるという。
一部の消費者は、実物のギフトではなく、スリフトショップやリセールショップのギフトカードを選ぶようにもなっている。たとえばスレッドアップ(ThredUp)では、11月のギフトカード購入が前年同月比で約60%増加したと、同社はModern Retailに明かしている。
中古品のEC企業であるファッションファイル(Fashionphile)も、小型レザーグッズやジュエリーといったカテゴリーで、購入量と検索関心の双方が伸びていると述べている。ベルトの売上は前年から44%増加し、検索数は2倍以上に伸びた。
Z世代が牽引する中古ギフト市場
ザ・リアルリアル(The RealReal)は、Z世代の購入者が2024年と比べて32%増加していると、同社の広報担当者がModern Retailに語った。データによれば、Z世代は中古品をギフトとして贈る可能性が著しく高い。イーベイ(eBay)の広報担当者によると、Z世代の買い物客の約86%が、昨年と比べて今年は中古のホリデーギフトを購入する可能性が高いと答えている。
ザ・リアルリアルはまた、グッチ(Gucci)やシャネル(Chanel)のバッグ、エルメスのスカーフ、ティファニー(Tiffany)のネックレスといった「高額商品の需要が強い」とも述べている。Modern Retailが以前に報じたように、とりわけ中古のラグジュアリー商品は、ホリデー需要の恩恵を受けている。
テック大手のメタ(Meta)でさえ、中古品を贈ることに対するスティグマはほぼ消えたと見ている。このほど、フェイスブック・マーケットプレイス(Facebook Marketplace)は、初となるホリデーショップを立ち上げた。これは、ファッション、エレクトロニクス、コレクターズアイテムなど、さまざまなカテゴリーの中古品を扱う、アプリ内のホリデー向けストアフロントである。「Z世代が中古ショッピングへのシフトを牽引しており、米国とカナダでは、若年成人のデイリーアクティブユーザーの4人に1人が、毎日マーケットプレイスを訪れている」と、同社はプレスリリースで述べている。
関税とインフレが後押しする成長
リセール業界は、ホリデーシーズンを迎える前から好調な1年を送っている。これまでModern Retailの取材に応じた中古品関連企業は、ドナルド・トランプ大統領の貿易戦争を背景に、免税の掘り出し物を求める消費者の動きによって、ユーザー数と売上が過去最高を記録していると報告している。
スレッドアップの推計によれば、中古市場は2029年までに740億ドル(約11兆円)規模に成長する見込みである。こうした状況を受け、リセール事業者は過去最大規模となる可能性のあるホリデーシーズンに向けて準備を進めている。
11月には、ザ・リアルリアルの四半期流通総額(GMV)が前年同期比20%増の5億2000万ドル(約780億円)に達し、同社にとって過去最高を記録した。ザ・リアルリアルは通期のGMV見通しを21億ドル(約3150億円)超へと引き上げた。ラティ・ルヴェスクCEOは決算説明会で、「ラグジュアリーリセールに対する受容の高まりが、中古品やホリデーギフトとしての採用を後押ししている」と述べた。
同様に、スレッドアップは第3四半期の売上高が前年同期比34%増の8220万ドル(約123億円)に拡大した。10月は、新規顧客獲得数が過去最高となった月でもある。ジェームズ・ラインハートCEOは、関税や少額輸入免税制度(デ・ミニミス)廃止の影響を挙げ、今シーズンは「価格と価値が最重要になる」との見通しを示した。一方で、消費者の購買力が弱まれば、リセールがシェアを伸ばしたとしても、ホリデー全体の支出が減少する可能性があると警告した。
実際、ドナルド・トランプ大統領の貿易戦争による価格上昇への懸念は、消費行動に影響を与えている。NRFの年次ホリデー調査では、約半数の消費者が「節約のために中古ギフトを購入している」と答え、25%は「より高い価値を求めている」と回答した。
関税はオクスナム氏が今年、中古ギフトを増やす理由にもなった。彼女は当初、カシミアのセーターを贈ることを検討していたが、英国拠点のベンダーが関税の影響で米国への発送を停止したことを知ったという。「『これは手に入らない。考え方を切り替えないといけない』と気づいた」と彼女は語る。
中古ギフトへの抵抗感はないのか?
ワットノット、スレッドアップ、ザ・リアルリアルといったプラットフォームの人気上昇によって、中古ギフトへの抵抗感は薄れているものの、贈答には依然として「多少のスティグマが残っている」とボーレンは指摘する。実際、節約志向の消費者のなかには、ホリデーシーズンに中古品を贈るのは失礼に当たるのかどうかを尋ねるため、レディット(Reddit)のフォーラムに助言を求める人もいる。
このほど、r/Frugalフォーラムでは、あるユーザーが「クリスマスにスリフトストアで買ったギフトを贈るのは失礼か?」と投稿した。多くのコメント投稿者は、中古品の方が新品よりも心がこもっていると感じると答えたが、贈る物によるという意見もあった。たとえば、「服はだめ。私はスリフトで買う服にはかなりこだわりがあるから」と書いたユーザーもいれば、「友人や家族のほとんどは、使い古したように見えるギフトに対して違和感を覚える」と述べたユーザーもいた。
26歳のケリー・リード氏は、通常であればホリデーに中古品を贈ることはしない。しかし、今年は金銭的に厳しい状況にある。5月に修士課程を修了した後、現在も就職活動中だからだ。彼女は低価格のクリスマスギフトを探すため、ニューヨーク市にある中古衣料の買取・販売チェーン、クロスロード・トレーディング(Crossroads Trading)に足を運んだ。また、自身のクローゼットを整理し、オンラインマーケットプレイスで販売することで、ギフト購入の資金を捻出しようとしている。
彼女はこう語る。「中古で買い物をすれば、少ないお金でもっと多くのものが買える。いまお金がないからといって、誰かのための何かを諦めずに済む」。
[原文:The year of Thriftmas: Why secondhand gifts could finally go mainstream this holiday season]
Allison Smith(翻訳・編集:島田涼平)
Image: ChatGPT
