昨季はQPRでプレー。39試合に出場し3得点をマークした。(C)Getty Images

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 ちょうど1年前の2024年夏。斉藤光毅(クイーンズ・パーク・レンジャーズ=QPR)はエースナンバー10を背負い、パリ五輪の大舞台に挑んでいた。

 大岩剛監督が率いるU-23日本代表は、ご存じの通り、グループステージでパラグアイ、マリ、イスラエルと対戦し、3連勝で首位通過。だが準々決勝でスペインと激突し、斉藤もスタメン出場したが、0−3で苦杯を喫することになった。

 そのパリ五輪で共闘した平河悠(ブリストル・シティ)、関根大輝(S・ランス)、藤田譲瑠チマ(ザンクトパウリ)、三戸舜介(スパルタ)、細谷真大(柏)、高井幸大(川崎)の6人が、W杯アジア最終予選の2試合が組まれた6月シリーズに招集され、全員がA代表のピッチに立ったのである。

「悔しくてオーストラリア戦もインドネシア戦もあまり見ることができていません(苦笑)。正直言うと、最初は見ていましたけど、もう悔しさが先に立っちゃって見ていられなかったというのがホントのところですね。

 4月に右肩を脱臼してそのままシーズンが終わった悔しさもありましたし、A代表に行ける可能性があったなかで、それを棒に振ってしまった悔しさもあったので、ホントに代表2連戦を見るのは辛かったです」と、斉藤は笑顔の裏に凄まじい闘争心をにじませた。
 
 実際、2024-25シーズンの後半戦では3ゴールを奪っており、パフォーマンスも右肩上がりだった。最後までフル稼働してリーグ戦を終えることができていれば、十分にA代表に呼ばれる資格はあったはずだ。

 そのチャンスを逃したうえ、パリ五輪で共闘した6人、そして同世代の鈴木唯人(フライブルク)、年下の鈴木淳之介(湘南)、俵積田晃太(FC東京)、佐藤龍之介(岡山)といったメンバーが初キャップを飾ったのだから、斉藤が危機感を覚えるのも理解できる。1年後に迫った2026年W杯に向け、新シーズンはスパートをかけていくことが重要だ。

「怪我に関しては新シーズンの開幕に間に合うくらいのペースでリハビリをしています。今回、A代表入りのチャンスを逃してしまったことは悔しかったですけど、来シーズンにものすごい活躍を見せることができれば、必ずチャンスをもらえるはずだと思っています。五輪メンバーを見ながら『自分はここから虎視眈々と狙っていくよ』と思っていましたし、そこを目ざして本気で取り組んでいくつもりです」と、斉藤はギラギラ感を前面に押し出していく構えだ。

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 そこで気になるのが、新シーズンの所属先。レンタル先のQPRを退団し、今後は不透明だ。

「シーズンオフになるたびに、メンタル的に少し難しい状態になっているのは正直なところです。行き先の選択肢もいろいろあって、『僕にとってはどうするのが一番良いのか』とすごく悩むことが多いです。あるクラブからオファーが来て、『待てないからすぐ決めて』と急かされることもありますし、本当に判断が難しいです。なかなか簡単には決められないですが、考えすぎても良くないので、なるべく前向きに捉えるようにしています。

 昨年8月にQPRに行った時も、他にも選択肢はありました。そのなかで、『イングランド・チャンピオンシップが自分にとって一番良い』と考えて、決めました。そうやって決断したら、それを正解にするしかありません。今回も同じだと思いますね。

 僕みたいにレンタルを繰り返していると、異なる環境への適応力はめちゃめちゃ磨かれます(笑)。その経験が自分の糧になっていると信じたいです。ステップアップのプラスにできるように頑張っていくつもりです」

 斉藤はとにかく前だけを見据えている。勝負の2025-26シーズンはどこに行くにしろ、開幕からトップパフォーマンスを発揮して、目覚ましい数字を残すしかない。“突き抜けた活躍”が強く求められるのだ。
 
「QPRで過ごした昨季はシーズンを通して結果を残せなかったので、爆発的な結果を残したいと考えています。どこへ行っても二桁ゴールを目ざしたいし、アシストも含めてもっと数字を伸ばす必要がありますね。

 最終的には1部(欧州5大リーグ)に行かなきゃいけないですね。その領域に到達したうえで、自分の価値をどれだけ確立させられるかが本当に大切です。そういう形に持っていけたら、ワールドカップ滑り込みの可能性も開けてくると思うので、まずはそこを狙っていきたいですね」

 野心満々の斉藤だが、できれば今夏から欧州5大リーグのクラブでプレーしたいところ。同い年の鈴木もデンマークからドイツ・ブンデスリーガ1部にステップアップした。藤田もベルギーからドイツに赴く。先に欧州挑戦した斉藤は意地とプライドをかけても彼らに負けてはいられない。本当の勝負はここからだ。

※第3回終了(全4回)

取材・文●元川悦子(フリーライター)