香水ブランドの SNS 戦略、インスタグラムとTikTokで異なるフレグランスの勝者

記事のポイント
パルファム ドゥ マルリーは、インスタグラムでもっとも人気のフレグランスブランドとして5月に1位を獲得した。
TikTokでは中東系ブランドなどが高い売上を記録し、インスタグラムとは性質が異なる。
フルールはインスタグラムとTikTok双方で成功した希少なフレグランスブランドとなっている。
パルファム ドゥ マルリーは、インスタグラムでもっとも人気のフレグランスブランドとして5月に1位を獲得した。
TikTokでは中東系ブランドなどが高い売上を記録し、インスタグラムとは性質が異なる。
フルールはインスタグラムとTikTok双方で成功した希少なフレグランスブランドとなっている。
フランスのラグジュアリーフレグランスブランド、パルファム ドゥ マルリー(Parfums de Marly)は、この春に好調な業績を記録した。同ブランドは3月31日までの12カ月間で売上が39%増加したと報告しており、4月にはニューヨーク・マンハッタンのマディソン・アベニューに新たなブティックをオープンした。
ミントイロが毎月発行するレポートでは、インスタグラムにおけるフレグランスブランドのフォロワー数の伸びやエンゲージメントなどの指標をもとに、ランキングを算出している。5月のランキングでは、エスティローダー(Estée Lauder)傘下のキリアン(Kilian)が2位、韓国ブランドのタンバリンズ(Tamburins)が3位、フランスのポーリン・ロシャ(Pauline Rochas)が4位、ドルチェ&ガッバーナ(Dolce & Gabbana)が5位にランクインした。
ミントイロの創業者ジェニファー・カールソン(Jennifer Carlsson)は、「戦略を絞り込み、1回に1〜2種類の香水を発表するような厳選されたアプローチの方が、全体としてはインパクトが大きい傾向にある」と述べた。「フレグランスは、スキンケアやヘアケア、メイクアップとはまったく異なるカテゴリであり、価格も高額であることが多い。200ドル(約31000円)の香水を購入する人々は、その商品に深く関与しており、香りについてある程度の知識を持っていると考えられる」とも語っている。
ドルチェ&ガッバーナや韓国ブランドの躍進
ドルチェ&ガッバーナは前回のレポートから36位順位を上げ、トップ5入りを果たした。同ブランドは5月、モデルのヴィットリア・セレッティ(Vittoria Ceretti)とドラマ『ホワイト・ロータス』の俳優テオ・ジェームズを起用し、「ライトブルー」シリーズの25周年記念キャンペーンを展開した。
カールソン氏は、2025年の韓国ブランドの躍進にも言及した。5月のランキングで3位となったタンバリンズのほか、ソウルを拠点とするブランドであるボーントゥスタンドアウト(Borntostandout)は2025年初頭にロレアル(L’Oréal)から出資を受け、同レポートでは37位にランクイン。また、同じく韓国のノンフィクション(Nonfiction)は52位であった。
TikTok Shopで成功するブランドは異なる
しかし、インスタグラムでの成功がそのままTikTok Shopでの売上につながるわけではない。Eコマースインテリジェンスプラットフォーム、チャーム(Charm.io)によると、5月のTikTok Shopにおけるフレグランスブランドの米国売上ランキングでは、中東ブランドのラッタファ(Lattafa)が月間売上490万ドル(約7億6300万円)でトップとなった。
続いて、模倣香水を展開するオクチャ(Oakcha)が140万ドル(約2億1800万円)、セフォラ(Sephora)で人気のフルール(Phlur)が120万ドル(約1億8700万円)でランクインした。
インスタグラムで優勢な洗練された美的感覚は、TikTokのよりDIY的な雰囲気とは必ずしも相性が良くない。チャームのCEOであるアレックス・ナイゼンゾン氏は、「TikTokで成功する最大の要因はクリエイター戦略である」と述べている。「従来型の大手ブランドは、ブランドイメージや提携クリエイターに対して強いコントロール欲があるため、TikTokではうまくいかないことが多い」と続けた。
サードパーティの存在
チャームによると、多くのTikTokユーザーはサードパーティの販売者を通じて香水を購入している。たとえば、米国のシーエア・インポーツ(Seair Imports)のようなサードパーティ業者が、中東ブランドであるラッタファやアルマフ(Armaf)などの販売を後押ししている。なお、アルマフはTikTokにおけるフレグランスブランドの米国売上で4位となり、売上は120万ドル(約1億8700万円)であった。
一方、フルールは例外的な存在であり、自社のTikTok Shop店舗を通じて収益を上げている。クリセール・リム(Chriselle Lim)によって再創業された同ブランドは、インスタグラムとTikTokの両方で成功を収める数少ないブランドのひとつである。ミントイロの5月レポートでは、フルールはインスタグラムで26位順位を上げ、28位となった。
春を通じて、フルールは「バニラ・ネクター(Vanilla Nectar)」や「ピーチ・スキン(Peach Skin)」といったトレンド性の高いグルマン系フレグランスやボディミストを次々と展開。インスタグラムでは食欲をそそるビジュアルで訴求し、TikTokでは広範なクリエイターネットワークを活用している。チャームによると、2025年に入ってから現在までに、フルールは3800人以上のクリエイターと提携しているという。
ナイゼンゾン氏は、「このような戦略は非常に広範に分散されている。TikTok Shopで成功しているブランドに共通する特徴であり、単一の動画が売上を牽引するケースはほとんどない」と述べている。
[原文:The fragrance brands dominating Instagram are not the same ones making bank on TikTok]
Emily Jensen(翻訳・編集:島田涼平)
