新市場参入に一役「 マイクロストア 」:ウォータードロップは出店加速
ウィーンを拠点とするハイドレーションブランドのウォータードロップ(Waterdrop)は、実店舗での事業拡大を目指し、小規模な店舗の運営を開始した。同社はドリンク用商品や、水に風味をつける水溶性のキューブを販売しており、従来型店舗のコストやリース契約をせずに新市場に参入できるよう、小さな形式の小売店舗に投資している。米国のマイアミとロサンゼルスに2つのマイクロストア(小型店舗)を保有しており、後者は昨年9月にオープンしたばかりのわずか310平方フィート(約28.8平方メートル)の店舗だ。今年はフランスやドイツなどの海外市場で、マイクロストアをさらに5店舗新規オープンする計画だ。
ウォータードロップの小売責任者であるハンナ・マーテシュレーガー氏は、マイクロストアはキオスクに続くステップで、自社の商品が買い物客の共感を得ているかどうかをより詳しく探るためのものだと語る。「我々は通常、キオスクからテストを開始するようにしている。低リスクで、投資のコストも低いからだ。それから、キオスクの店舗で有望な兆候が現れたなら、より範囲を広げて大規模な店舗に投資する」。
低い賃貸料と短いリース期間
2017年に創設されたウォータードロップは、特許を取得したフレーバー付きドリンクキューブで20の風味と、100を超えるドリンク用商品を取り揃えている。商品は、マイクロストアやキオスクとは別に、D2CサイトやAmazon、およびウォルマート(Walmart)やターゲット(Target)などの卸売業者を通じて販売している。同ブランドは年間1億ドル(約150億円)を超える収益を生み出しており、その約10%はキオスクや店舗で得られたものだ。
ブランドにとって、実店舗が魅力的なのは、プレゼンテーションや顧客体験をより細かくコントロールできるからだ。しかし、従来型の店舗は高額であることが多く、5年かそこらの契約が必要だとマーテシュレーガー氏は語る。マイクロストアは実店舗の利点を持ちながら、リース契約が1年から3年程度と短いと同氏は付け加えた。
ウォータードロップは小規模な店舗の低い賃貸料と短いリース期間に魅力を感じているとマーテシュレーガー氏は言う。また、マイクロストアによって、ターゲットとするオーディエンスが時間を費やすような人通りの多いモールや都市区域へのアクセスも可能になった。マイクロストアの落ち着いた環境も、店舗を訪れた顧客をオンライン顧客にコンバージョンさせるのにも役立っている。
「ほかの20も30も50ものブランドの横にある小売店では得られないような完全な体験を、ブランドの顧客として得ることができる。私がこの店舗でそのほかに気に入っているのは、商品を購入する前に試せるということで、これはブランドへの認知を広め、熱心な顧客ベースを作り上げるためにも役立っている」とマーテシュレーガー氏は話した。
卸売では得られないインサイト
ウォータードロップは店舗で無料のサンプルを提供している。また、小売スペースでイベントを主催することで、現地コミュニティとのつながりを作り出している。たとえば昨年11月にはミネアポリスの旗艦店で、長らく待たれていたコーラ風味の発売イベントを開催した。
コンドラットリテール(Kondrat Retail)の創業者レベッカ・コンドラット氏は、CPG(消費者向けパッケージ商品)ブランドが卸売業者だけに頼っている場合、自社商品が店舗でどのように宣伝されるかをコントロールできないことが多いと語る。
「ブランドは自社の商品がどこに置かれるか、いつ撤去されるか、どのようにローテーションされるかをより細かくコントロールできる」とコンドラット氏は語る。さらに、マイクロストアを保有していることで、ブランドは消費者の行動についてより多くのインサイトを得ることができる。またマイクロストアは、人通りの多い地域にも、それほど高価な賃貸料を払わず出店できる。
しかし、小さな店舗は実店舗小売における課題とは無縁というわけではない。たとえば、配送や商品の補充に関する物流の方法を見いだす必要があるのは同じだ。また、店内の従業員に給与を支払い、トレーニングを行う必要がある。
マーテシュレーガー氏は、ウォータードロップが米国でさらに多くのマイクロストアをオープンする計画だが、現在は規模を拡大する前に、国内の既存の店舗を経営する方が優先順位が高いと語る。新店舗をオープンさせるまでには、通常6〜12カ月の計画が必要だという。
「現時点では、既存店舗のオペレーションを最適化することに強く注力している。この市場は小売事業を拡大できるだけ十分に大きいといい切れる。そのため、数多くのモール、数多くの興味深い都市に進出が可能だ」とマーテシュレーガー氏は話した。
[原文:Inside Waterdrop’s micro-retail strategy]
Maria Monteros(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)
Image via Waterdrop
