I神戸に惜敗の仙台L。再開初戦で勝点は得られなかったが、試合内容は明らかに良化している。(C)J.LEAGUE

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[WEリーグ第9節]仙台L 1−2 I神戸/3月5日/ユアスタ

 約2か月のウインターブレイクを経て、WEリーグが再開された。抜け番のサンフレッチェ広島レジーナを除く10チームは、3月5日、5つのスタジアムに姿を現わした。

 ユアテックスタジアム仙台には、中断時点で首位を走る INAC神戸レオネッサと、3位で追いかけるマイナビ仙台レディースが対戦。試合開始直後と終了直前にセットプレーで2点を挙げたI神戸が、仙台Lを振り切り、首位を守った。

 ウインターブレイク後のリスタートとなるこの日のユアスタには、首位を迎え撃つ大一番とあって、2,509人の観客が入り、コンコースでは澤穂希氏、宮間あや氏、海堀あゆみ氏ら世界を獲ったレジェンドとの記念撮影コーナーには、長い列ができていた。

 そうしたなかで、ホームの仙台Lが、中断期間の成長を感じさせる戦いを見せた。試合開始直後の3分、セットプレーからWEリーグデビュー戦の筒井梨香に先制ゴールを許したが、その後は連覇を狙うI神戸と五分に渡り合った。
 
 前からプレスをかけようとすると、I神戸の最終ラインはロングフィードをFWに当ててひっくり返そうとする。中断前のゲームで、仙台Lは一度押し込まれると、そこから波状攻撃につなげられていたが、この日は、I神戸が得意とするダイレクトプレーをはじき返し、セカンドボールを回収し続けた。

 第4節で負傷退場した隅田凛が久々に戦線復帰し、チームの背骨にしっかりとした芯が通った。隅田が、古巣のことを知り尽くした中島依美とバランスを取り、優れた戦術眼、豊富な経験で攻撃のサポート、守備のカバーリングをこなし、中盤に安定感が生まれる。中間ポジションでプレーする宮澤ひなたが、守備に後ろ髪を引かれることなく、前を向いてプレーできる時間が増えた。

「メンタル的にも必要な選手が帰ってきたことで、チームの真ん中のところにポイントが置けた。守備も攻撃も一歩の出足とか予測で、特にこういうゲームで優位に立てた」と松田岳夫監督はその働きを評価した。
 
 また今季の新戦力の好パフォーマンスも光った。前線でプレーした松窪真心は「キャンプ前半から『ここにボールが欲しい』と強く要求した。自分にボールを出してくることが増えて、信頼してくれている感があった」と、自信を持ってのWEリーグデビュー戦だった。前半はシュートこそなかったものの、フォアチェックや動き出しで攻守に活発な動きを見せた。

 10分、優れた加速力で裏へ抜け出しにかかるシーンを作ると、29分には土光真代からイエローカードを引き出した。前線の守備では、尖兵を務めた。前半はビルドアップが上手い土光、三宅史織らに処理されるシーンもあったが、ハーフタイムに指揮官が中盤と連動したプレッシャーのかけ方を指示すると、チーム全体で連動していく。そして、53分、矢形海優の高い位置でのボールカットから、船木里奈の同点ゴールが生まれた。

 松窪自身が、得点チャンスを迎えたのは75分。茨木美都葉のボールに追いつくと、左足のシュートフェイントでマーカーを外し、右足でシュートを放つが、山下杏也加にストップされる。

「(直前の)1本目のシュートの時に相手が足を出してくるというイメージがあったので、2本目は切り返して上手くかわせたんですけれど、シュートの精度のところ。GKもなでしこジャパンで活躍している山下さんだったので、もっと自分の中で工夫があったら」(松窪)
 
 一進一退の攻防が続くなか、終了間際の89分に、途中出場の郄瀬愛実に劇的ゴールを奪われ、I神戸の勝負強さを見せつけられた。確かに結果はついてこなかったが、試合内容は明らかに良化している。

「I神戸の良さをある程度、消せたという手応えを感じている。1対1のところで互角の戦いをしていた。消して下を向く必要はなく、選手たちがやろうということは伝わってきた」と松田監督。

 首位とのゲーム差はやや開いてしまったが、ここからの反撃を期待したい。

取材・文●西森彰(フリーライター)

【動画】仙台Lが一時同点とするも…首位I神戸がセットプレー2発で競り勝つ!