武田真一アナ(NHKホームページより)

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 NHKを代表するアナウンサーがまた1人、同局を去ることを決めた。

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NHKの武田(たけた)真一アナウンサーが今年3月までに退職し、フリーアナに転身することが報じられました。武田アナは、1990年に入局して以来『ニュース7』や『クローズアップ現代+』のキャスターを担当してきた、まさに“NHKの顔”。2011年の東日本大震災が発生したときには、声が枯れるまで状況を伝え、避難を呼びかけ続ける姿は、今も強く印象に残っています」(スポーツ紙記者)

NHK武田アナ、退職のウラ事情

 2016年には紅白歌合戦の総合司会を務め、2019年には天皇陛下による『即位の礼』関連番組の進行を担当。オリコンが行う『好きな男性アナウンサーランキング』調査では毎回上位に名を連ね、視聴者からは『たけたん』の愛称でも親しまれてきた。

「番組内で、ときには涙を流す武田さんの温かみのある姿に、多くの人が惹かれてきたのだと思います。硬い報道番組の打ち合わせでも、率先して親父ギャグを言って周囲を和ませることもあり、局内でも慕われる存在でした。ただ、今回のフリー転身は、2021年の大阪放送局への人事異動がキッカケとなっているのです」(NHK関係者)

 それは武田アナが2017年から進行役を務めていたNHKの看板番組のひとつ『クローズアップ現代+』を突然、降板になったことから始まる。

「2021年1月に放送された『クロ現+』で武田アナが“政府の新型コロナウイルス対策は十分なのか? さらにどんな手を打つことが必要か?”と質問すると、二階俊博(にかい・としひろ)幹事長(当時)が“いちいち、そんなケチをつけるもんじゃない”と、質問を無視して回答するのです。コロナが蔓延している状況においては、ごくごく当たり前の質問なのに……。この放送の翌月となる2月に、武田アナの降板が発表されました」(前出・スポーツ紙記者)

 人気アナウンサーの“異例の人事異動”の背景には、こんな事情があったとする話も。

NHKで行われた人事制度改革

「同時期に『ニュースウォッチ9』に出演していた有馬嘉男(よしお)キャスターも、菅義偉首相(当時)に事前打ち合わせとは違う内容を質問し、降板させられたとする報道がありました。23年間にわたって『クロ現』の進行役を務めていた国谷裕子アナウンサーも、2014年に菅官房長官(当時)へのインタビューがキッカケとなり降板させられたとされています。武田さんの人事異動も、二階幹事長(当時)からの圧力があったのではないかと囁かれていました」(同・スポーツ紙記者)

 武田アナは、こんな名目で大阪放送局へ転勤になったという。

「首都直下型地震や南海トラフ地震を想定した緊急報道を担当できる人材を配置することと、後進の育成を担ってもらうためでした。ただ、突然の大阪行きに武田さんは納得していなかったと聞いています」(前出・NHK関係者、以下同)

 武田アナは阪神・淡路大震災や東日本大震災、熊本地震などの緊急報道に携わった、災害報道の第一人者。東日本大震災発生後は、災害時の報道内容の見直しにも、先頭に立って取り組んできた。武田アナの豊富な経験を見込んでの人事は、企業で働く“サラリーマン”としての側面もあったのだろう。

「それが、蓋をあけてみれば出演料のかからないタレント代わりとして、大阪局が制作する情報番組への出演がメインでした。さまざまな報道番組を歴任してきた武田さんが、今はジャーナリストとして活躍できる場がほとんどない立場に……。ただ、ご自身の問題だけであれば、まだよかったのかもしれません。今回の退職は、NHK内部に渦巻く問題も、深く関係しているようなのです」

 それは、2020年1月に就任した前田晃伸(てるのぶ)前会長が行った人事制度改革による影響なのだという。 

「管理職への昇級試験は、不透明な評価基準によって合否が決まり、昇級するのは人望や能力のある若手ではなく、実績も能力もない上層部に従順な職員。これにより有能な職員が次々と退職しているのです」

 1月25日、新たにNHK会長に就任した稲葉延雄氏は、

「若干のほころび、マイナス面が生じているかもしれない」

 などと会見で、前田前会長の改革について言及したが……。

NHKのアナウンス室はズタズタにされた

「“若干”なんてものではないですよ。あの改革でNHKのアナウンス室はズタズタにされました。アナウンサーたちは“不当評価”によってほとんど管理職に昇級できず、局内で本当に不遇な扱いを受けています」

 アナウンサーの番組出演は、局上層部の意向によって決定されると前置きをしたうえで、

NHKは中立的な立場であるはずなのに、有力政治家のお気に入りの女性アナウンサーを報道番組にキャスティングさせたりしている。男性アナウンサーにおいては、極めて高頻度な全国各地への転勤を強いられ、家を購入しても1週間も住めなかったという人はザラ。アナウンサーの立場で考えられる管理職がいないのですから、アナウンサーの育成計画も破綻している状況なのです。NHKの根幹である放送事業を担うアナウンサーたちは、いいように使われて、みな疲弊しています」

 そして、こういったNHKの現状に、武田アナは失望していったのだと続ける。

「長年にわたってNHKに貢献してきた武田さんからすると、冷遇されただけでなく、上層部による経営方針に不信を抱き、局の未来に希望を持てなくなったからだと聞いています。また、武田さんには息子さんが2人いるのですが、二男は今年で20歳になります。子育てもひと段落し、収入への不安がなくなったことも、このタイミングで退職を決めた大きな要因のひとつ。これからは自分がやりたいことができる場所を求め、フリーへの転身を決めたそうですよ」

 NHKに武田アナの退職について問い合わせたが、

「職員個人に関することについては、お答えしていません」

 との回答だった。

 NHKという“枠”から飛び出して、民放でも自由に活躍する武田アナの姿が楽しみだ!