厳選!2歳馬情報局(2022年版)
第4回:ブラストウェーブ

 この春の東京開催もいよいよ最終週を迎えるが、同週に注目の2歳馬がデビューする。美浦トレセンの大竹正博厩舎に所属するブラストウェーブ(牡2歳/父ハービンジャー)である。


厩舎の期待も大きいブラストウェーブ

 同馬が話題となるのは、兄姉の活躍がある。なかでも、2018年のGI有馬記念(中山・芝2500m)を制した全兄ブラストワンピースの存在が大きい。

 2017年にデビューしたブラストワンピースは、初陣から3連勝を決めてGIII毎日杯(阪神・芝1800m)を制覇。続くGI日本ダービー(東京・芝2400m)では2番人気に支持された。

 しかし、ここでは惜しくも5着。その後、古馬相手にGIII新潟記念(新潟・芝2000m)を快勝するも、GI菊花賞(京都・芝3000m)でも4着に敗れて、3歳クラシックでは戴冠を果たすことができなかった。

 それでも、年末のグランプリ・有馬記念で底力を発揮。レイデオロ、キセキ、シュヴァルグランといった古馬GIホースを蹴散らして、ついにGIの勲章を手にした。

 以降、GIを勝つことはなかったが、重賞戦線で奮闘。4歳時には世界最高峰のGI凱旋門賞(11着。フランス・芝2400m)にも挑戦している。

 このブラストワンピースの全弟となるブラストウェーブ。陣営の期待も相当大きいようだ。関東競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「厩舎のスタッフに話を聞くと、『ブラストウェーブについては、もともと外厩先であるノーザンファーム天栄での評価がかなり高かった』とのこと。馬体は兄に似て雄大で、『成績も兄くらいの活躍ができるのでは』という声も聞かれたようです。そして、入厩後もその評価は変わらず、スタッフは『軽く乗っただけでも、走る馬の雰囲気を感じる』と絶賛していました」

 さらにトレセンで追い切りを始めると、その評価は一段と増しているという。トラックマンが続ける。

「坂路追い、コース追いともに、乗り手の感触は『かなりよかった』とスタッフ。調教時点で540kgを超える大型馬ですが、『その重さを感じさせない走りを見せている』と手放しで称えていました。

 兄のブラストワンピースはこの時期に動けず、デビューしたのは秋。また、ツメの不安も抱えていたのですが、ブラストウェーブはそういった問題もなく、『健康体であることも好材料』と最後まで期待の大きさを感じさせる口ぶりでした」

 初陣の予定は、6月25日の2歳新馬(東京・芝1800m)。鞍上は、兄ともコンビを組んでいた川田将雅騎手が務める。

 早期デビューとなり、兄以上の活躍が見込まれているブラストウェーブ。初戦から評判どおりの走りを見せることができるのか、必見である。