高砂市内の喫茶店を出る山健組の直参組長ら。緊急会合は2時間ほど続いたが、途中で退出する者もいたようだ

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中核組織の分裂に揺れる神戸山口組

高砂市内の喫茶店を出る山健組の直参組長ら。緊急会合は2時間ほど続いたが、途中で退出する者もいたようだ

 店員はそそくさと「貸切」の札を掲げたが、そんなものがなくても、店に入ろうと思う一般客はいなかっただろう。それほど、店からは物々しい雰囲気が漂っていた。

 7月22日、兵庫県高砂市内のレトロな喫茶店で、神戸山口組の今後を占う重大な会合が開かれた。集結したのは、突如として分裂の兆(きざ)しを見せ、ヤクザ界に激震を走らせた神戸山口組の中核組織「山健組」の組長たちだ。午後2時から始まった会合は、約2時間に及んだ。

「6月から何度も会合を重ねてきて、今回でようやくハッキリ方向性が決まった。事前に、『(神戸山口組を)抜ける者だけ集まれ』というお達しが出たうえでの会合だったので、今回参加したのは全員、独立して牋賈榮噺抬瓩任笋辰討い海Δ箸い親分だけです。神戸から脱退するのは、山健組の半数以上。数でいうと20以上のプラチナ(直参組長)が会合に集まり、神戸を抜けることを確認した。

 え? なぜ喫茶店だったか? 神戸市内にある山健組本部は使用制限がかかってますからね。警戒されていない高砂に、馴染みの喫茶店があるというだけちゃいますか」(山健組関係者)

「山健組」といえば、神戸山口組・井上邦雄組長の出身母体でもある名門中の名門だ。なぜその「山健組」の半数以上の組長が、神戸山口組から脱退を決めたのか。暴力団情勢に精通するジャーナリストの伊藤博敏氏が解説する。

「山健組分裂の起因となったのは、上納金への不満だとされています。神戸山口組の井上組長に山健組は毎月300万円の上納金を納めてきましたが、暴対法や暴排条例による締め付けにコロナ自粛が加わり、それが厳しくなった。とはいえ、神戸山口組を離脱しても食えないことには変わりない。離脱後徐々に、六代目山口組に吸収されていく可能性は高いです」

 ヤクザ社会を取り巻く情勢は極めて厳しい。緊急会合に集まった親分らの顔つきは一様に険しかった。

神戸山口組・井上邦雄組長(中央)のもとに残るのは、どうやら山健組の半数を下回ることになりそうだ