2010年、NMB48の1期研究生としてデビューし、今もなおAKB48グループの第一線で活躍中のアカリンこと、吉田朱里さん。

2016年2月に開始したYouTube個人チャンネルでは、メイク方法などを解説する「女子力動画」をアップし、登録者数は70万人以上! インスタでは60万人以上にフォローされるなど、アイドルファンのみならず、幅広い世代の女子から支持されています。

今回は、「美容系YouTuber」として、ここまで人気を獲得できるようになった秘密を本人に教えてもらいました。

どうやら、人気の理由は「かわいいから」だけじゃないみたい…?

〈聞き手=於ありさ〉


【吉田朱里(よしだ・あかり)】1996年8月16日生まれ。2010年9月に「NMB48オープニングメンバーオーディション」に合格。2011年1月にチームNの選抜メンバーの1人としてデビュー。2016年には彼女の代名詞ともいえるYouTube個人チャンネルを開設した。現在は、アイドル活動を続けながら、雑誌『Ray』のモデルや、コスメブランド「B IDOL」、アパレルブランド「Amiuu wink」のプロデューサーとしても活躍している

「握手会のたびにキャラがブレていた」変わったきっかけはさや姉の一言

ライター・於:
吉田さんといえば、グループの中でも「女子力の高いキャラ」という独自のポジションを築いているイメージがあるのですが、どうやってそれを確立していったのですか?

吉田さん:
私、NMB48に入ってから、ずーっと自分のキャラを見つけられなかったんです。

入るまでは、自分のことを「町内で一番かわいい女の子」って思っていたんですけど、グループに入ったら、当たり前のようにかわいい子だらけで。

しかもみんな面白い! 私は3枚目キャラでもなければ、ツッコみキャラでもないから、バラエティーに出てもうまい返しができなくて、「うわ! なにもできへんかった!」って落ち込みまくってたんですね。



吉田さん:
そんな感じで、5年間ぐらいは自分のキャラを見いだせないままで…

ファンの方が吉田朱里に何を求めているのか?」を考えてました。

それで、男性ファンが多かったので、まずはぶりっ子キャラになろうと。


だいたいのアイドルがまずは足を踏み入れそうな沼に…

ライター・於:
そんな急になれるものなのかな…

吉田さん:
いや、ムリでした(笑)。

当時は握手会のたびにキャラがブレまくってましたね。


振り返り方が正直な吉田さん

ライター・於:
そんな時代があったとは…!

特技とか好きなことをアピールしようとかはなかったんですか?

吉田さん:
私の好きなことって言ったら、まわりのかわいいメンバーたちを見て「どうやったらそんなにかわいくなるんだろう…」って考えてたくらい。

どんどんかわいくなっていくメンバーを見て、その子のメイクを分析して、試して…。ご飯を食べるよりもコスメにお金を使ってましたね。

ライター・於:
自然にそこに目が行っていたと。

吉田さん:
そうしたら、さや姉(山本彩)に「女子力おばけやな!」って言われたんです。

貪欲にメイクを分析してるって。それを聞いて、「私ってそういう特徴があるのか!」って思ったんですよ。

自分の強みとか特徴って、自分では何とも思ってないことだったりするんですよね


「おばけってなに?って思いましたけど」

吉田さん:
当時、「美容系YouTuber」が出てきたころだったんですね。

私もそういう動画を見るのが大好きで、さや姉の一言を聞いて、InstagramとかTwitterにメイク動画を載せてみたんです。

そしたら、女性フォロワーが一気に増えて!

ライター・於:
おお! それは、AKB48ファンの女性が中心?

吉田さん:
いえ、AKB48ファンだけじゃなくて、「アイドルには興味ないけど美容動画が好き」っていう女性とかも!

それを見て、「AKB48ファンのなかでウケなくても、自分の好きなことを発信して、認めてくれる人に目を向けてみよう」と思ったんです。

YouTuberアカリンが誕生! 伸びたのは圧倒的努力によるもの

ライター・於:
そしてYouTubeを始めてから、人気が爆発すると。

どんな努力があったんでしょうか?

吉田さん:
SNSじゃ物足りなくなっちゃってYouTubeを始めたんですけど、始めた当初は右も左もわかりませんでした。

すでに美容系YouTuberとして活躍していたみきぽんちゃん(河西美紀)にDMして、機材や編集について質問して、とにかく勉強しまくりました。



吉田さん:
もともと「かわいくなりたい」ってことに貪欲だったように、好きなことはとことん極めたくなる性格なんです。

もしコメント欄に「見にくい」ってコメントが1件でもあったら、どうやったら見やすくなるか改善方法をとことん考えます。

だから、いまだに編集の仕方も撮影の仕方も確立されてなくて、いいと思った方法があれば、どんどん試すようにしています。

ライター・於:
1本の動画を上げるのにどれくらいの時間をかけてるんですか?

吉田さん:
メイク動画だったら、撮影に40〜50分、編集に6時間以上って感じですかね。

出典 Youtube

アイドルをしながら、YouTubeの編集もこなすハードな1日に密着した動画

ライター・於:
つまり7〜8時間…!

そんな動画をどれぐらいアップしてるんですか?

吉田さん:
月に10本はアップしたいって思ってます。

更新が止まっちゃうと、YouTubeをきっかけに吉田朱里に興味を持ってくれた方が離れていってしまうので。

ライター・於:
月に10本!?

吉田さん:
最低でも週に1本公開するのはマストって決めてます!

ライター・於:
すごい…

それを3年以上続けているんですもんね…

吉田さん:
そうですね〜! 夜中に動画の編集をしながら「ああ…寝たい…!!!」って思うこともよくあります

でも、そうやって「しんどい…!」って言いながらアップした動画が、何十万回も再生されるのが本当にうれしくて、やめられないんですよね。


こんなにかわいい吉田さんが、「ああ…寝たい…!」となりながら動画を投稿しているなんて…!

人気になった秘策は「良いところを振り返る」「自分の武器を意識する」

ライター・於:
チャンネル登録者数も70万人以上と、かなりいますよね!

動画を見られるために工夫していることがあればお聞きしたいです。

吉田さん:
動画は、「伸びた動画の良いところを振り返る」のが基本です。

たとえば、最初はけっこうテクニックがいるメイク動画をアップしてたんですけど、ずっと再生数が伸びるのは「アイメイクの基本」みたいな、初心者向けの動画だったんです。

それを見て「みんな基本を知りたいんやな」って気づかされました。

だから、初心者向けの基本的なメイク方法とか、初心者でも手を出しやすいプチプラコスメの内容とかを、定期的に配信するようにしてるんです。



吉田さん:
あとは、自分の持っている“武器”をちゃんと理解して使うこと。

ライター・於:
武器?

吉田さん:
ほかの美容系YouTuberにはない私の武器は、「NMB48の現役アイドル」ってことだと思うんです。だから、「あくまでもアイドルがやっている」という部分をちゃんと出すようにしてますね。

たとえば、劇場の舞台裏とか楽屋の様子も配信する。

そうすれば「美容系YouTuberアカリン」のファンと、「私以外のNMB48メンバーファン」が両方楽しめるんです。


納得の戦略

Youtubeをはじめて、自分のことを話せるようになった

ライター・於:
撮影や編集もだいぶ大変とのことでしたけど…編集は誰かに任せるとか、誰かに手伝ってもらうようなことは考えてないんでしょうか?

吉田さん:
考えたことないですね。

誰かに任せた途端に、ここまで伸ばしてきた私のメディアというか、チャンネルではなくなってしまう気がするんです。

たとえ睡眠時間を減らしたとしても、YouTubeは全部自分でやりたいんですよ。



ライター・於:
なるほど。じゃあ、これからもYouTuber兼アイドルの吉田朱里として活動していくんですね!

吉田さん:
YouTubeのおかげで、モデルになりたいっていう夢も叶えられたし、コスメやアパレルブランドのプロデュースまでやらせてもらえるようになりましたから。

ライター・於:
たくさんのことが叶ったんですね…

吉田さん:
お仕事の幅が広がったのもそうですが、私自身にも変化があって。

私、自分のことが話せる人になったんです。



吉田さん:
それまでは「どうしたらウケるのか」「どうしてるのがグループの中で最適なのか」って、まわりのことばかり見ていたんですけど、今は違います。

「私はこれが好き」って、はじめて言えるようになったんです。

そういう意味でも、Youtubeには感謝しかないですね。まだまだ続けていきます。



彼女は圧倒的な努力家です。

私がその努力を称賛すると、「いやいや、楽しくてやっているだけですから」と一言。

真の努力家は、それを努力と思っていないと言いますが、まさにそんな人でした。

単に女子力が高いだけでなく、内に秘めた芯の強さこそ彼女の魅力。そんなの女子が憧れないわけないよね! うん、納得!

最近は後輩たちの悩み相談に乗ることも増えたという吉田さん。今後、どんな風にグループを引っ張っていくのか、注目です!



〈取材・文=於ありさ(@okiarichan27)/編集=天野俊吉(@amanop)/撮影=長谷英史(@hasehidephoto)〉

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