「日本製鉄」は躍進する中国・韓国勢にどう対抗するか
日新製鋼や新日鉄住金ステンレス(NSSC)と鋼板部門を統合するステンレス事業も、3社合わせた国内シェアは冷延薄板で推計およそ64%に達するものの、粗鋼生産量は年間180万トンと、世界の首位に立つ青山鋼鉄集団(中国)の800万トンに大きく水を開けられている。
鉄鋼全体、ステンレスとも世界粗鋼生産量のほぼ半分を中国が占め、韓国勢やインド勢なども交えて激しいコスト競争を展開。この影響で日本の鉄鋼メーカー各社はここ数年、収益悪化に苦しんだ。
自動車の電動化、軽量化などに伴う需要構造の変化も、待ったなしの課題だ。グループ各社の開発力や製造基盤を互いに生かせれば「自社より優れた生産技術を活用したり、世界初の商品を生み出したりできる」(NSSCの伊藤仁社長)。
日新製鋼の完全子会社化、ステンレス鋼板事業の統合も、その実現に向けて意思決定を迅速化するための仕掛けと言える。
(文・宇田川智大)
