JX金属、レアメタル素材群で「欧州のIoT」開拓
これらの一連の活動に共通するキーワードの一つがIoT(モノのインターネット)への対応だ。JX金属は電子部品に使用する圧延銅箔(はく)や、半導体製造工程で使う薄膜形成材(スパッタリングターゲット)などの電材加工製品事業を手がけている。IoTや人工知能(AI)の普及を追い風に、同事業のさらなる拡大を目指す中、米国と並ぶIoTの本場である欧州市場で事業の強化に取り組む。
JX金属の大井滋社長は「下流(電材加工)だけでなく、上流(資源開発)や中流(金属製錬)の事業でもいろいろな連携が考えられる」と期待を示す。
関連商材を拡充
一方、H・C・スタルクのタンタル・ニオブ事業の買収は、IoT社会の到来に向けて関連する商材を拡充する狙いがある。中でもタンタルは蓄電部品であるキャパシターや、スマートフォンなどの情報通信機器で特定の周波数帯域の電気信号を取り出す表面弾性波(SAW)フィルターに使用され、IoT化の進展で需要拡大が見込める。ニオブは合金の添加物などとして使われる。
もともとJX金属は、半導体用スパッタリングターゲットの原材料となるタンタルをH・C・スタルクの子会社から仕入れており、両社は取引関係にあった。H・C・スタルクのタンタル・ニオブ事業の買収を通じ、JX金属はレアメタル素材群を銅と並ぶ事業の柱として育成する。
買収の手続きは18年内の完了を目指す。JX金属の大井社長は「ドイツは電機や自動車などIoT関連産業の集積地。H・C・スタルクの拠点やネットワークは当社の既存事業でも活用できる」と、IoTに関する情報収集やマーケティング面での買収効果も強調する。
さらに、タンタルやニオブは、生体適合性の高い材料としても知られている。将来はIoT関連向けの電子材料としてだけでなく、医療向け素材や3Dプリンター用材料としての事業展開も見据える。
