日焼けサロンの危険性を告げて女性はあの世へ(画像は『America Now 2017年12月14日付「Woman On Deathbed Warns Of Dangerous Habit」』のスクリーンショット)

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人工的に小麦色の肌をつくる日焼けサロンを頻繁に利用した結果、33歳でメラノーマ(悪性黒色腫)を発症し、40歳にしてあの世に旅立った米ワシントン州の女性。彼女が『Newsiosity』に託した最期の言葉を忘れるわけにはいかない。クリスマスホリデーには暖かいビーチリゾートなどに飛ぶことも多いアメリカの人々だが、日焼けには十分に気を付けてほしいとして『America Now』が2013年に他界したその女性の話題を改めて紹介している。

「これが間もなく死にゆく私からの最期のお願いです。皆さん、私のようになりたくなかったら日焼けマシンにはどうか気を付けて…。」

2013年3月、余命宣告を受けてすでに死の淵にありながら『Newsiosity』のインタビューを受け、最後の力を振り絞ってそう語ったアシュリー・トレンナーさん(40)。彼女を7年ほど苦しめてきたのは皮膚がんのなかでも最も危険な「メラノーマ(悪性黒色腫)」であった。米西海岸北部のワシントン州に暮らすなかで小麦色の肌に強く憧れていたといい、アシュリーさんは未成年の頃から頻繁に日焼けサロンに通っていた。いくら周囲に危険な自殺行為だと注意されても、「この肌色のためならたとえ死んでも後悔はない」などと笑い飛ばしていたという。

ところが33歳の時に「メラノーマ(悪性黒色腫)」を発症し、リンパ節も含めた切除手術が行われた。さらに3年後の2009年11月、アシュリーさんは股関節付近の皮膚に黒いホクロのような斑点があることに気づいて受診。再発が確認された。「転移性メラノーマで顔の半分が麻痺してしまいました。これは本当に恐ろしい病気です。日焼けはまさに自殺行為だったのですね」と力なく語ったアシュリーさん。治療費も非常に高いが、こんな状態に陥るために高いお金を払って日焼けサロンに通っていたことにもやるせない気持ちでいっぱいだという。

彼女の最期のメッセージをしっかりと受け止めるべく、その後オレゴン州やワシントン州では日焼けサロンの使用に関する新たな規制法を定めた。『USA Today』によれば、アメリカでの日焼けサロンの使用者は成人が35%、大学生が59%、10代が17%というなか毎年40万人以上の新たな皮膚がん患者が見つかっており、これは増える一方とのこと。今では両者の間には何らかの関連性があるとみられている。また国際がん研究機関『IARC(International Agency for Research on Cancer)』は2009年、日焼けマシンと皮膚がんの関連性について、ハザードレベルをグループ2Aの“おそらく発がん性がある” からグループ1の“発がん性がある”に引き上げていた。さらに米国皮膚科学会は、20歳までに5回以上の強い日焼けを経験していた人においては発症率が80%と特に高いことを指摘している。

日焼けサロンばかりか、もちろん天然の紫外線をたっぷりと浴びる海水浴やプールでの日焼けも危険である。大ヒット青春映画『青い珊瑚礁』などで知られる女優ブルック・シールズは、43歳の時に「10代の頃からの頻繁な日焼けを後悔。少し前に顔面に出来た前がん状態の皮膚細胞を切除してもらった」と告白していた。ニューヨーク育ちのブルック・シールズは小麦色の肌に憧れ、紫外線の危険性をまったく知らずに無防備にビーチで肌を焼いていたという。

また紫外線の危険性といえば、南極オゾンホールの真下に位置するオーストラリアの人々における皮膚がんの発症は最も深刻で、発症率はアメリカの2〜3倍とも言われている。昨年10月、豪・オリンピック競泳選手のマック・ホートンさんも前胸部の大きなホクロに恐怖を募らせた1人だ。あるファンが「過去の写真と比べて色が濃く大きくなっている」と指摘するメールをチーム宛てに送り、それに促される形でホートンさんは皮膚科医へ。ホクロは安全に切除されたことをインスタグラムで報告し、彼はそれを指摘してくれたファンに感謝の言葉を述べていた。

ホクロとメラノーマについては“ABCDE”方式で両者の見分け方があるが、欧米に限らず日本でも徐々にその認識は深まっている。これらがあれば速やかに皮膚科を受診すべきであろう。

A(Asymmetrical Shape)左右非対称のいびつな形
B(Border)境界が不鮮明
C(Color)青み、黒、灰褐色、茶褐色など色味にバラつきがある
D(Diameter)直径6mm以上 頭に消しゴムが付いた鉛筆の、その消しゴム部分より大きい
E(Evolution)凸凹などが現れる、形や大きさなど見かけが変わってきた かゆみや出血、痛みが現れるものも

また成人してから出来たホクロ、爪に伸びた黒い線、足の裏にあるものは危険などと不安になる情報も多いが、それらのすべてがメラノーマということは決してない。早合点することなく、しかし安心を得るためにも一度は皮膚科医を受診する方がよさそうだ。画像は『America Now 2017年12月14日付「Woman On Deathbed Warns Of Dangerous Habit」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)