ゲッツェになにがあったのか…ドイツをW杯制覇に導いた天才MFの今
昨年10月、ユーロ2016予選アイルランド代表戦で内転筋の肉離れを起こし、戦線離脱となったゲッツェだが、負傷が癒え、コンディションが整ったシーズン後半戦序盤は、ベンチ入りこそするもののリーグ戦5試合連続で出番なし。「屈辱」、「蚊帳の外」、「(指揮官から)望まれた選手ではない」、「(バイエルンの)補強ミス」、「単なるお互いの理解不足」――ゲッツェの状況について書き記すドイツメディアは、こぞってそんな見出しをつけていた。
現在のバイエルンは、フランス代表MFキングスレイ・コマン、ブラジル代表MFドゥグラス・コスタという快足2選手がサイドを務め、攻守においてハードワークが期待できるスペイン代表MFチアゴ・アルカンタラとチリ代表MFアルトゥーロ・ビダルが、アンカーであるスペイン人MFシャビ・アロンソの前に居座っている。いずれもゲッツェが最大の力を発揮できるポジションではなく、グアルディオラ監督がその起用に二の足を踏んでしまうのも頷ける。しかし「100年に1人の逸材」と謳われた男が、ブンデスリーガ、DFBポカール、CLの全公式戦で今シーズンたった18試合(フル出場8試合)にしか出場していないというのは、なんとも寂しい限りだ。
昨年12月、ドイツ代表DFジェローム・ボアテング、同MFトーマス・ミュラー、スペイン人MFハビ・マルティネス、X・アロンソらが契約を延長した一方で、今のところゲッツェとバイエルンの間にその類の話は出ていない。しかし残る契約は1年2カ月。バイエルンが移籍金なしで放出することは考えにくく、また来シーズンからの就任が決定しているカルロ・アンチェロッティ監督がゲッツェ引き止めに動いているとの情報もない。したがって、この夏に彼の周辺が騒がしくなる可能性は、極めて高いものと思われる。
ドイツ誌『スポーツビルト』に対し、「僕はまだ23歳で、向こう10年はプレーが可能だろう。僕にとって今最も重要なのは、とにかく試合に出場することだ」と話したゲッツェ。かつての恩師ユルゲン・クロップ監督率いるリヴァプール、そして日本代表MF香川真司など多くの盟友が今も在籍する古巣ドルトムントなど、移籍の噂は次から次へと浮上している。果たしてドイツサッカー界の至宝は、来シーズンどんなユニフォームを身にまとっているのだろうか。
文=鈴木智貴

