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半導体市場調査企業である米IC Insightsは12月10日(米国時間)、半導体の最終用途(エンドユース)である電子製品(システム)の2015年の世界総売上を前年比2%減となる1兆4230億ドル規模になるとの予測を発表した。電子製品の売り上げが前年割れとなるのは、2001年、2002年、 2009年に次いで史上4度目となる。

一方、2019年の電子製品売上高は1兆6140億ドルに達すると予測している。これは、2014年の1兆4540憶ドルから年平均2.1%で成長することに相当している。

電子製品の主要9分野の市場規模(2015年の総売上に占める各分野のシェア(%)と2014〜2019年の年平均成長率(%))を図1に示す。これら9分野だけで電子製品全体の売り上げの約7割を占めている。

半導体の最終用途である電子製品のうち、Cellphones(従来型の携帯電話+スマートフォン)の売り上げは電子製品の18%にあたる2623億ドル(2015年)で、いまや電子システムの最大分野となっている。PC(デスクトップ+ノ―トパソコン)の売り上げ(同)1874億ドル(全体の13%)を上回る。Cellphonesの売り上げがPCの売り上げを超えたのは2013年のことで、2014〜2019年に年率平均2.9%で成長するのに対して、PCはマイナス1.7%で減少していく。この原因としては、PCの買い替え時期がさらに伸び、タブレットが2 in 1 PCに吸収される一方で、インターネットへのアクセスにスマートフォンを使用する度合いが増えるためである。

注目のIoT(ただし、システムの中のインターネットへ繋ぐ部分のみの売り上げ)は、2015年の規模は全体の5%にも満たないものの、2014〜2019年に年平均成長率21%と最高の成長率を示す。これを除けば、7%を超えて成長する分野はみあたらない。多くの半導体企業が参入している車載ICは、2019年まで7%超の成長が期待されるが、車載製品の成長率は4%に満たない。また、PC、タブレット、据え置き型ゲーム機はマイナス成長となることが見込まれている。

(服部毅)