厳選!2歳馬情報局(2015年版)
【第22回:ラルク】

 2005年の牡馬クラシック三冠(皐月賞、日本ダービー、菊花賞)を達成し、GI7勝の実績を残して引退したディープインパクト。社会現象まで巻き起こした競馬界の"英雄"は、種牡馬となってからも、2012年よりリーディングのトップを独走。競走馬としての"第2ステージ"でも、別格の存在感を示している。

 それほどの成績を残す名種牡馬だからこそ、毎年、国内外のGIタイトルを持つ名牝たちと種付けされ、期待の産駒が次々に誕生している。これからデビューを迎えるラルク(牝2歳/父ディープインパクト)も、その一頭だ。

 母は、アメリカのGIアシュランドS(アメリカ・AW1700m)を勝ったライラックスアンドレース。競走成績は両親とも申し分ない。

 加えて、この母の血統をたどると、一族には、2014年のNHKマイルC(東京・芝1600m)を勝ったミッキーアイル(牡4歳)や、重賞4勝のダイヤモンドビコー(牝)、さらに2005年のGI有馬記念(中山・芝2500m)と2006年のGIドバイシーマクラシック(UAE・芝2400m)を制したハーツクライ(牡)などの名前がある。日本と相性のいい牝系と言える。

 それだけに、ラルクは早くから注目され、2014年のセレクトセール(国内最大級の競走馬セリ市)で、1億4500万円で落札された。この金額は、同年の牝馬における最高額だった。

 この注目馬を管理するのは、栗東トレセン(滋賀県)の松永幹夫厩舎。同馬に携わるスタッフたちからは、すでにその素質を高く評価する声が挙がっているという。関西競馬専門誌のトラックマンが語る。

「軽めの調教を始めた頃から、『跳びが大きくて、キャンターも素軽い。いかにも良血のディープインパクト産駒』というコメントが聞かれました。性格もすごく素直で、扱いやすいようですね。馬体重は現時点で440kgほどですが、『さらに筋肉がつけば、もっとよくなる』とのこと。差し当たって、心配するようなことはほとんどないようです」

 また、デビュー前のラルクを育成したノーザンファーム空港牧場の伊藤賢氏も、春の時点で、同馬への高い期待を口にしていた。

「走りが軽くて、キレそうですね。坂路で少し速めの調教をやっても、すんなり上がってきます。気性面もゆったりしていて、まったく問題ありません。操縦性は高く、ある程度長い距離もこなせそうですね。この馬は相当いいんじゃないでしょうか」

 育成、そしてトレセンで関わるスタッフが、ともに好感触を得ている逸材は、10月上旬のゲート試験に合格。デビューへ向けて本格的な調整を進めている。順調なら、11月の京都開催でデビューする見込みだ。

 父の産駒らしい軽さとキレを備えるラルク。実戦でどんな走りを見せるのか、良血馬の動向から目が離せない。

河合力●文 text by Kawai Chikara