健康な脳は活発な体に宿る

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米イリノイ大学とアイオワ大学の研究者らは、有酸素運動量や日常生活での身体活動量が多い高齢者は、そうでない高齢者に比べ脳が活発になっており、認知能力もよい可能性があると発表した。

研究では60〜80歳の高齢者100人を対象に、重りなどでて安全なレベルの負荷をかけ、ウォーキングをした場合の酸素消費量を測定。さらに、加速度計(移動速度を計る機器)をつけたまま1週間、普段通りの生活をしてもらい身体活動量も測定した。その上で、MRI(体内の情報を画像にする検査装置)を使い、脳の活発さの目安となる血中酸素濃度や神経の活動量の変化を観察し、身体的な活発さとの関係を分析した。

その結果、活動量が多い高齢者は少ない高齢者よりも、脳内の血中酸素濃度と神経活動の変化が素早くかつ多く、脳が活発である兆候を示していた。また画像を解析すると、脳の深層にあり、神経が情報を出力する起点となる「白層」という部分の質も、活動量が多い高齢者のほうがよかったという。

研究報告は 2015年8月5日に米オンライン科学雑誌「PLOS ONE」に掲載された。

参考論文
Physical Activity Is Linked to Greater Moment-To-Moment Variability in Spontaneous Brain Activity in Older Adults.
DOI: 10.1371/journal.pone.0134819 PMID: 26244873

(Aging Style)