劇中には自ら耳を切り落とすショッキングなシーンも/[c]2007 One Hundred Years Of Film Company Limited All Rights Reserved

写真拡大

“アジアの娯楽映画生産地帯”として君臨する香港だが、ジョン・ウーやジャッキー・チェンといった大物たちの海外進出に伴い、少し寂しく感じるのも正直なところ。そんななか、同地に残って精力的に活動している映画監督がジョニー・トーだ。

【写真】監督おなじみのガンアクションも登場

黒社会に生きる者たちの友情や絆を、泥臭くもスタイリッシュなタッチで活写した『エグザイル 絆』(06)、『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』(09)といった香港ノワール、またはワンカット撮影での銃撃戦にこだわった『ブレイキング・ニュース』(04)などの実験精神あふれるアクションで知られる彼だが、ここにきて新たな一面を見せる作品が登場。それが、2月19日(土)公開の『マッド探偵 7人の容疑者』だ。

自身の身を殺人事件の被害者と同じ状況に置くことで、真犯人を突き止めていく刑事バン。唯一無二の直感と推理力を誇る彼をめぐり、善と悪、そして関わる者たちの精神のバランスをも揺るがす異様な事件が繰り広げられていく。そのストーリーもさることながら、全編に漂うダークなムード、主人公が自らの耳を削ぎ落とすショッキングな描写など、これまでのジョニー・トー作品には見られなかった要素を満載だ。もちろん、ラストには彼ならではの迫力あふれるガンアクションも登場している。

実は本作、07年度の東京国際映画祭で上映されており、香港映画マニアの間で大きな話題と賞賛を得ていた実績がある。それだけに今回はまさに待望の公開ともいえるのだ。香港最後の娯楽派監督である彼の才能をたっぷり味わってもらいたい。【トライワークス】