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 ◇マイナビオールスターゲーム2026 全セ5―7全パ(2026年7月28日 東京D)

 「マイナビオールスターゲーム2026」は28日、東京ドームで第1戦が行われた。全セの「2番・右翼」で先発出場した阪神・佐藤輝明内野手(27)は初回の第1打席に先制の右越えソロ本塁打。第3打席に中前打、第4打席は天井直撃の二飛と、抜群の存在感を見せた。恒例の本塁打競争「マイナビオールスターゲーム2026 新型日産キックス ホームランダービー」では、準決勝で森下翔太外野手(25)との阪神勢初対決にも勝利。29日の決勝進出を決めるなど、和製大砲ならではの一日となった。

 見る者の心をわしづかみにする鮮やかな放物線が、右翼バルコニー席へと吸い込まれた。胸躍る夢舞台。東京ドームの360度を埋めた12球団のファンへ、これぞ佐藤輝明――という豪快なアーチを披露した。初回1死の第1打席。全パ先発・伊藤がカウント3―1から投じた145キロ直球を攻略。昨年の第2戦(横浜)から“2戦連発”、球宴3本目のホームランは、田淵幸一、金本知憲らレジェンドに並ぶ球団2位タイの偉業となった。

 「ホームランになってくれて良かった。(スローボールも)来るんじゃないかなと思ってたので、予想通り。ああいうとき、(伊藤)大海さん投げるでしょ」

 昨季の沢村賞・伊藤の“翻弄(ほんろう)”にも一切動じなかった。初球に右腕が投じたのは、何と50キロのスローボール。2球目の147キロ直球を空振り。97キロ差の緩急に苦笑いを浮かべる一幕もあった。だが、頭は冷静。3、4球目のボール球を見逃し、5球目を一閃(いっせん)。今球宴のために特注した、ティファニーブルーを思わせる「翡翠(ひすい)カラー」のバットから、きらめきに満ちた一撃が生まれた。

 「いつもは敵のみんなに祝ってもらえたので、うれしかった。打てて良かったですね」

 世界一の打者と、世界を相手に戦った春の死闘が脳裏によみがえったはずだ。この日は「2番・右翼」での先発。ドジャース大谷翔平らと共闘した3月の第6回WBC、準々決勝のベネズエラ戦で与えられた位置と同じだった。結果的に大会を制した相手との激闘は、今季のシーズンにも生きている。大舞台で得た刺激を胸に、リーグ3冠王を狙える好成績を残す。きょう29日の第2戦を終えれば、宿敵・巨人との一騎打ちが待つ。残り52試合を先頭で走り終える活力とすべく、富山の夜を“3戦連発”で彩る覚悟だ。

 6回先頭の第3打席では中前打を放ち、8回無死二塁の第4打席は、大飛球を天井へぶち当てた(結果は二飛)。決勝進出を決めたホームランダービーから、佐藤輝の打棒が火を噴き続けた夏の夜。MVPは万波に譲っても、4万1781人の視線は、猛虎の4番が独り占めにした。(八木 勇磨)