幻のTVR12気筒モデルに特注フェラーリも たった1台しか作られなかった奇抜なクルマ 33選(中編)
ルノー・エスパスF1(1995年)
ルノーはエスパス生産開始10周年を記念して、フォードの手法を参考に、驚異的な高性能ミニバンを開発した。1993年のF1マシン、ウィリアムズ・ルノーFW15Cのシャシーと駆動系をエスパスに組み込んだのだ。その結果生まれたエスパスF1は、人を乗せるのにはあまり向いていない(とはいえシートは4席ある)が、タイヤを摩耗させることに関してはかなり優秀だ。最高出力約800psを誇り、0-193km/h(0-120mph)加速は6.9秒、最高速度は312km/hに達する。子供の送り迎えにうってつけだ。
【画像】タイヤ開発のために作られたV12ツインターボの特注車両【マイバッハ・エクセレロを詳しく見る】 全29枚

ルノー・エスパスF1(1995年)
TVRスピード12(1996年)
1996年のバーミンガム・モーターショーで『プロジェクト7/12』として公開されたこのTVRは、7.7L V12エンジンから最大880ps(メーカー公称値)を叩き出し、世界最速の公道走行車となることを目指していた。当初は公道仕様に改造可能なGT1レーサーとして構想されていたが、1998年にプロジェクト名は『スピード12』へと改められた。
レース規定が変更され、TVRのピーター・ウィーラー社長は、このマシンが公道用としては速すぎると判断した。車両重量1000kgで、適切なギア比を設定すれば最高速度386km/hの達成も可能とされていたが、ウィーラー氏はそのパワーを扱いきれないドライバーにこのような「怪物」を売ることを躊躇したため、開発計画は頓挫した。

TVRスピード12(1996年)
ローバー25アートカー(2002年)
MGローバーはこのような馬鹿げたことをしていたのだから、倒産したのも無理はない。2002年、MGローバーは若手ファッションデザイナーのマシュー・ウィリアムソン氏と提携し、ロンドン・ファッション・ウィークに合わせて、華やかな25を製作した。さまざまなピンク(pink)の色合いを纏ったこの車両は、内気(shrinking violet)な人には向かない1台だった。
ローバー25のエクステリアは特に見栄えが良いわけではないが、インテリアを長時間目にしていたら、おそらくカウンセリングが必要になるだろう。華美な模様のカーペットやドアトリムのインサート、そして大量のネオンピンクが施された25の車内は、当時MGローバーがターゲットとしていた若い女性たちはもちろん、バーバラ・カートランド氏でさえも圧倒してしまったに違いない。

ローバー25アートカー(2002年)
マイバッハ・エクセレロ(2005年)
バットマンの映画から飛び出してきたような外観だが、エクセレロは銀幕での主役を務めるために設計されたわけではない。むしろ、ドイツのタイヤメーカー、フルダが資金を提供し、マイバッハ57リムジンのプラットフォームをベースに、高速走行用タイヤのテストベッドとして設計されたものだ。
フルダがマイバッハと提携したのはこれが初めてではなく、また自社製品を実証する目的で車両を製作したのも初めてではなかった。早くも1938年には、ドイツのアウトバーンで高速タイヤテストを行うため、フルダの資金提供により1台限りのマイバッハSW38が製作されたことがある。

マイバッハ・エクセレロ(2005年)
フォルクスワーゲン・ゴルフGTI W12-650(2007年)
時折、フォルクスワーゲンはとんでもないことをやってのける。2007年のヴェルターゼー・フェスティバル(GTIミーティング)では、ゴルフに巨大なエンジンを搭載し、まったく正気の沙汰とは思えない1台を生み出した。ヴェルターゼーは、ゴルフGTIを称える世界最大のイベントである。したがって、フォルクスワーゲンが当時最新鋭のゴルフをベースにショーカーを作り、堅実な自動車メーカーというイメージを覆すには、まさにふさわしい場と言える。
ゴルフGTI W12-650の中央には、6.0L W12エンジンが搭載されており、2基のターボチャージャーを組み合わせることで、最高出力を650psまで引き上げた。この特注のパワートレインを収めるため、ゴルフの車幅を160mm拡大し、295サイズのタイヤを装着した19インチアルミホイールを採用した。このようなタイヤでも、パワーを路面に伝えるのに苦労したに違いない。最高速度325km/h、0-100km/h加速はわずか3.7秒とされた。

フォルクスワーゲン・ゴルフGTI W12-650(2007年)
フェラーリSP1(2008年)
2008年、フェラーリはスペシャル・プロジェクト(SP)モデルとして初のワンオフ車を発表した。SP1(Special Project #1)と名付けられ、日本のコレクターである平松潤一郎氏のために製作されたこのモデルは、F430をベースとし、そのガラスハウスとピラーを引き継いでいるが、ボディパネルはすべてカーボンファイバー製の新規設計となっている。デザインは、レオナルド・フィオラヴァンティ氏が自ら1998年に手掛けたF100コンセプトカーを基に仕上げた。

フェラーリSP1(2008年)
フェラーリP540スーパーファスト・アペルタ(2009年)
SP1の発表からわずか1年後、フェラーリは次の特注モデルを公開した。今回は599 GTBをベースとし、米国人のエドワード・ウォルソン氏のために製作された。インスピレーションの源は、1968年の映画『世にも怪奇な物語(原題:Histoires Extraordinaires)』に登場したフェラーリベースの『ゴールデン・ロードスター』である。

フェラーリP540スーパーファスト・アペルタ(2009年)
フェラーリ・スーパーアメリカ45(2011年)
フェラーリのSPシリーズ第3弾となるスーパーアメリカ45は、599 GTBをベースに、フェラーリを多数所有するピーター・カリコウ氏の依頼により製作された。この車名は、カリコウ氏がフェラーリを所有するようになって45周年を記念して製作されたことに由来する。最も興味深い特徴は、リアウィンドウを一体化したカーボンファイバー製の回転式ハードトップだ。ボディは、カリコウ氏が所有する1961年式400スーパーアメリカに合わせて「ブルー・アンティール」というカラーで仕上げられている。デザインも同車から着想を得た。

フェラーリ・スーパーアメリカ45(2011年)
マクラーレンX-1(2012年)
2012年、マクラーレンはモントレー・ヒストリックス・ウィークの一環として開催された「ザ・クエイル」というイベントで、独自のボディを装着した12Cを公開した。それ以来、その姿は一度も目撃されていない。X-1は、12Cのモノコックとメカニカルをベースとしつつ、カーボンファイバーとアルミニウムからなるまったく新しい外装パネルを備え、ライトやホイールも特注品だった。

マクラーレンX-1(2012年)
ランボルギーニ・アヴェンタドールJ(2012年)
ジュネーブ・モーターショーの開幕わずか6週間前に、ランボルギーニのステファン・ヴィンケルマン社長の指揮の下、ランボルギーニ・アヴェンタドールJが製作された。ほぼ完全に新しいボディワークを備え、サンタアガタ工場から出荷された車両の中で最も車高が低いと謳われた。アヴェンタドールJは公開された時点で、すでにランボルギーニの熱心な愛好家に200万ユーロ以上で販売されていた。

ランボルギーニ・アヴェンタドールJ(2012年)
フェラーリSP12 EC(2012年)
数あるフェラーリ公式のワンオフ車の中でも、おそらく最も有名なのがSP12 ECだろう。その理由の1つは、ロックスターのエリック・クラプトンがオーナーだからだ。SP12 ECのデザインは512 BBに着想を得たものだが、458イタリアをベースとしているため、エンジンは12気筒ではなく8気筒となっている。
(翻訳者注釈:この記事は「後編」へ続きます。)

フェラーリSP12 EC(2012年)

