「今まで嘘ついてたの!?」年収600万円・32歳夫の“黒い過去”に妻が激怒…まさかの「ローン否決」で〈幸せ絶頂のマイホーム計画〉は崩壊【CFPの助言】
マイホームの購入は多くの夫婦にとって夢の第一歩ですが、思わぬ落とし穴で計画が白紙になることもあります。年収600万円、夫婦の貯金600万円と順調に見えた会社員のジュンペイさん(仮名・32歳)。しかし、4,000万円の戸建てを購入するための住宅ローン審査で「まさかの否決」という結果に。その原因は、夫が妻に隠し続けていた“過去の過ち”でした。「今まで嘘ついてたの!?」と妻が激怒した理由とは。本記事では、信用情報が住宅ローン審査に与える影響と対策について、辻本剛士CFPが事例をもとに解説します。
「幸せ絶頂のマイホーム計画」…年収600万円・32歳夫が見つけた理想の戸建て
飲食店に勤務するジュンペイさん(仮名・32歳)は、結婚したばかりの妻と市内の賃貸住宅で暮らしていました。自身の年収600万円で、貯金は夫婦で600万円あります。
休日はインテリアを見に出かけたり、近所のカフェで将来の話をしたりと、新婚生活は幸せに満ちていました。そんな二人が、次に思い描いたのが夢のマイホームです。
将来の子育てを見据え、住宅購入を考え始めたジュンペイさんに、妻も「今なら計画的に準備できるし、いいタイミングかもしれないね」と賛成してくれたといいます。
そして、ジュンペイさん夫婦は不動産会社を訪れて物件探しを始めます。いくつかの物件を見学するなかで、二人が気に入ったのは、文教地区にある4,000万円の戸建て住宅でした。都会へのアクセスと自然環境のバランスがよく、子育て世帯から人気のエリアです。駅から徒歩約10分という立地も決め手となりました。
ジュンペイさんは購入を決断し、購入申込書を提出。住宅ローンの仮審査へ進みます。手続きの途中、不動産会社の担当者から確認が入ります。
「念のためお伺いします。現在、クレジットカードや各種ローンの延滞などにより、ブラックリストに載っている可能性はありませんか?」
ジュンペイさんは迷うことなく、「ありません」と答えました。
担当者は、安心した様子で「なるほど。年収や借入額のバランスを見ても、とくに問題はなさそうです。結果が楽しみですね」と笑顔を見せます。
その言葉を聞いたジュンペイさん夫婦は「いよいよ夢のマイホームが手に入るかもしれない!」と、期待に胸を膨らませていました。
住宅ローン審査でまさかの否決…「今まで嘘ついてたの!?」妻が激怒した夫の“黒い過去”
それから約1週間後、不動産会社の担当者から一本の電話が入りました。
「申し訳ありません。住宅ローンの仮審査ですが、今回は否決という結果になりました」
予想もしなかった結果に、ジュンペイさん夫婦は言葉を失います。帰宅後、妻は不安そうな表情で切り出しました。
「あなた、本当にブラックリストに載っていない? 過去に滞納したことはないって言っていたけど、大丈夫?」
問い詰められたジュンペイさんは、ついに重い口を開きます。実は数年前、趣味やギャンブルなどが原因でカードローンから150万円を借り入れ、返済中に何度か延滞したことがあることを打ち明けました。
不動産会社に勧められ、信用情報機関へ情報開示を請求したところ、事故情報が登録されていることが判明しました。
結婚前にお金の話をした際も、ジュンペイさんは「数年前に借金は返済しているし、もう大丈夫だろう」と考え、この事実を妻に伝えていませんでした。
その言葉を聞いた妻は「今まで嘘ついてたの!?」と怒りをあらわにします。
不動産会社によると、借金そのものはすでに完済していたものの、一度信用情報に事故情報が登録されると、一定期間は住宅ローンなどの審査に大きな影響を及ぼすとのことでした。
こうしてジュンペイさん夫婦は、信用情報の厳しい現実を突きつけられ、夢だったマイホーム計画をいったん白紙に戻さざるを得なくなったのです。
【CFPの助言】完済しても5〜10年は消えない…住宅ローン審査の壁となる「信用情報」
マイホームを購入する際、多くの方が住宅ローンを利用します。しかし、住宅ローンを利用する際には金融機関の審査に通過する必要があり、一定数の方はこの審査に通らないと言われています。
そのなかで一つの審査対象とされるのが、「信用情報」です。
信用情報とは、ローンやクレジットカードの契約内容、借入状況、返済履歴などが記録されている情報です。カードローンの延滞だけでなく、次のようなケースでも事故情報が登録されることがあります。
・携帯電話の分割代金を長期間滞納した
・債務整理(任意整理・個人再生・自己破産)を行った
・保証会社による代位弁済が行われた
暮らしのすぱいす株式会社が実施した「住宅ローン審査に通らなかった理由」に関するアンケートでも「ローンを滞納したことがある」「携帯電話の支払いを滞納したことがある」など、信用情報に関する項目が複数挙げられており、審査に通らなかった理由の中でも一定の割合を占めています。
[図表1]住宅ローンの審査が通らなかった理由(複数回答可/N=100) 出典:暮らしのすぱいす株式会社 【調査】住宅ローンの審査が通らない理由 「収入が少ない」が約5割も! コロナ不況下でも住宅ローン審査通過の秘策あり 夢のマイホームの実現をお手伝いさせてください
今回のジュンペイさんのケースでは、信用情報に事故情報が登録されていたことが、審査に通らなかった主な要因と考えられます。
また、ローンを完済したからといって、事故情報がすぐに信用情報から削除されるわけではありません。おおむね5〜10年は情報が保存されるため、その間は住宅ローン審査に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、住宅ローンを申し込む際は、事前に信用情報機関へ情報開示を請求し、自身の信用情報を確認しておくと安心です。万が一、信用情報に問題があることが事前にわかれば、頭金を増やしたり、借入額を抑えたりするなどの対策を検討できます。
夢のマイホームは白紙に…信用回復を待つ夫婦が選んだ「新たな目標」
住宅ローンの審査に落ちたことで、ジュンペイさん夫婦のマイホーム計画はいったん白紙となりました。
しかし、不動産会社から「一定期間が経過すれば、事故情報は信用情報から削除される見込みです」と説明を受けた二人は、焦って住宅を購入するのではなく、信用情報が回復するまで待つことを決断します。
その間は、少しでも有利な条件で住宅ローンを利用できるよう、頭金を増やすことを新たな目標にしました。家計を見直し、毎月の貯蓄額を増やすなど、夫婦で将来に向けた資金計画について改めて話し合うことにしたのです。
マイホームは人生の中でも大きな買い物の一つです。だからこそ、住宅ローンを申し込む前には、年収や返済計画だけでなく、自身の信用情報についても確認しておくことが大切です。
辻本 剛士
神戸・辻本FP合同会社
代表/CFP

