「夫の不倫相手」をホテルで斬りつけた58歳の妻…!法廷で「適応障害で我を忘れた」と明かすほどの「哀しき夫婦生活」
妻が夫の不倫相手を斬りつける「凶悪事件」
それはまさに修羅場だった。2026年4月10日午前9時、早稲田大学の大隈庭園に隣接する四つ星ホテルのエントランス付近で、夫の不倫相手を鋭利な刃物で頭部など15ヵ所を斬りつける傷害事件が起きた。
加害女性は都内在住で3人の子供を持つ専業主婦のA被告(58歳)。夫とその不倫相手である被害女性のBさんの付き合いは10年以上に渡るもので、現場となったホテルで偶然にも居合わせてしまったことから“我を忘れて”凶行に及んだ。A被告はその場で現行犯逮捕され傷害の罪に問われていたが、7月1日に東京地方裁判所で拘禁刑2年の執行猶予付きの判決が下った。
A被告によって負ったBさんの傷は両肩や頭部など15ヵ所以上に及び、検事によれば「刺し傷が少しズレていれば失明している可能性もあった」ほどの重傷だ。そんな傷を負わせたA被告に執行猶予がついたのはなぜか。吉野内庸子裁判長によれば「逃げる(被害)女性をなお追いかけて15回以上に渡り刺した凶行はおよそ正当化はできない。しかし(加害女性には)3人の養育が必要な子供がいることを踏まえて執行猶予期間は最長の5年間とする。この期間に犯罪を犯せば服役は免れない」といったものだった。
不倫相手が行った「いやがらせ」とは
6月18日に行われた初公判では、その歪んだ夫婦関係や、それでもなお夫を信じたいと涙するA被告の生々しい証言があった。A被告は上下グレーのスウェット姿と茶色い便所サンダルで出廷し目のギリギリまでマスクを着用。ブラウンがかった茶色いストレートのロングヘアだが、2ヵ月もの勾留生活によるストレスからか頭部は真っ白の白髪だった。
検察が読み上げた冒頭陳述によると、A被告は夫との間に3児をもうけるも夫との再三に渡る不倫問題に頭を悩ませていた。なかでもBさんとの関係は10年以上に及び、訴訟請求も起こしていた。Bさんは一旦はA被告に対して謝罪文を送り和解をするも、その後もA被告に対し無言電話をかけるなど嫌がらせをしたという。
その度重なるストレスによりA被告は適応障害を発症し、事件当日に夫とBさんがいる場所に鉢合わせてしまったことで事件が起きたと説明した。
情状証人として証言台に立ったのは、A被告から相談を受けていた弁護士で「(A被告は)Bさんに嫌がらせを受けて精神的にかなり参っていた」と説明。さらにA被告の20代の息子も証言台に立った。息子は黒いバレンシアガのトレーナーにルーズなパンツ姿という今時の若い男性という出立ちだった。証言台では「事件が起きる数日前から母からのSOSはあった。でも自分はそれを無視してしまったことを後悔している」などと語った。
被告になった「母」と息子の会話
息子は検事から「今後、母親が同じような問題に直面した時に、あなたはどう母を止めるのか」といった質問に対し「(なるべく母と)常に一緒にいるつもり。それになるべく父に変わってほしい」と回答。
被告人席に座る母は、息子の証言を鼻水を啜りながら聞いていた。そして証言が終わると、息子と目を合わせ、互いに「うん」と頷いているようだった。
最後に証言台に立ったA被告。「理由はどうあれ傷を負わせたことはお詫びします」と頭を下げた。しかし傷害事件に至った経緯については「(頭が)真っ白で映像が途切れるような」状態に陥り、ほとんど記憶がないまま15回に渡って刺したことを告白。使われた凶器は「眉ずり(アイブロウ)の芯を削るペンシルナイフ」だった。
A被告はこれを「メイクをする際に使うために日常的に包んで所持していた」と言い「殺すために持っていたのではないか」と問われると「今までの人生に中で(誰かを)殺めたい、という感情は一切ないです。そういうことは一切ないです」と2度繰り返すばかり。さらに裁判長からこう聞かれた時も、はっきりと答えた。
「メンタルケアは今まで以上にしたい」
裁判長「もし今後、犯行に及んだ時のように我を忘れてしまったらどうするのか?」
A被告「もう(我を忘れることは)ないと思います。事件を起こした後、夫が面会に来て初めて主人が大泣きしてくれました。25年間結婚した中で、初めて私のために泣いてくれた。(Bさんとは)きちんと精算する、ずっと接触しない、接近もしないと言ってくれました。今後また我を忘れることはないと思います。また、そうならないように自身のメンタルケアは今まで以上にしたいと思います」
A被告は、25年間もの結婚生活で夫の不倫に悩まされ続け、適応障害を発症し、我を忘れて不倫相手の女性を傷つけてしまうほどの凶行に走ったにも関わらず、面会時に夫が「自分のために泣いてくれた」ことを喜んだのだ。Bさんの供述調書は「(A被告に)なるべく多い処罰を求めます」とされていたが、その願いは叶わず、執行猶予つき判決にとどまった。
都内の四つ星ホテルのエントランス付近で白昼堂々と行われた熟年三角形による傷害事件はこうして幕を閉じた。顔や体に生涯残るかもしれない傷を背負わされたBさん、なにより2人の女性の人生を大きく狂わせたA被告の夫はいま何を思うだろうか。
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