6日、参議院決算委員会において、共産党の小池晃議員が「皇室典範の改正案」の内容や進め方について、高市総理大臣らに質問を行った。小池議員は各種世論調査のアンケート結果を用いて政府の改正案に反対の姿勢を示したほか、高市総理に代わって答弁に立った官房長官に対して前方を「8秒」にわたって指差し不満をあらわにする場面や、自席からヤジを飛ばして総理の答弁を求める一幕があった。

【映像】共産議員「8秒指差し」の瞬間(実際の様子)

 小池議員は、世論調査において女性天皇や女系天皇への賛成が多数を占めていると主張、政府案が養子縁組により男系男子での継承を明確にしたことを指摘。「総理、天皇は男系男子で継承しなければならないということは、国民の総意でしょうか?」とただした。これに対し高市総理は、6月10日に全国民の代表によって構成される国会において衆参両院正副議長のもとで立法府の総意として議論の取りまとめが行われたと言及し、「政府としてはそれに沿って忠実に法案を作成したものでございます」と答弁した。

「私が聞いたことに全く答えてないですね」

 これに対し小池議員は、「私が聞いたことに全く答えてないですね」と反発し、世論調査の結果を見れば国民の総意とは言えないと主張。さらに、全体会議で共産党が反対し、立憲民主党も養子問題に反対していることから「立法府の総意でもありません」と述べ、女性天皇を初めから閉ざすやり方は憲法第1条の精神に反すると批判した。その上で、天皇を男性に限定する合理的理由はないとして女性・女系天皇を認めるべきだと迫り、「別のこと言わないでほしい」と明確な答弁を求めた。

 高市総理は、国会議員は全国民の代表であるとし、立法府の総意としての取りまとめを受けて法案を立案したと改めて説明。6月25日の全体会議で各党各会派に法律案の要綱を説明し、正副議長による取りまとめに沿ったものであると述べた。

 小池議員は、全体会議では皇位継承の問題はテーマになっておらず、女性・女系天皇問題も議論にならなかったと経過を指摘。続けて、戦前の大日本帝国憲法における天皇主権が否定された歴史的事実を認めるかを問うと、高市総理は「日本は国民主権の国でございます」と答えた。

 これを受けて小池議員は、現行憲法において大日本帝国憲法にあった男系男子による継承を意味する「皇男子孫(皇統に属する男系の男子)」という言葉が削除された変化を強調した。さらに、政府案が明治の皇室典範でも禁止されていた養子制度を導入し、養子皇族に生まれた男子に皇位継承権を持たせる内容になっている点について、女性皇族が婚姻した後の配偶者や子は民間人のままである一方、養子皇族の配偶者となった民間人やその子は皇族になるという事実関係の確認を求めた。

 高市総理は、皇室典範に規定しない限り皇族にはならないとした上で、女性皇族の配偶者は皇族にならず、養子の子は皇族の夫婦の間に生まれたため皇族になると回答。小池議員が「民間人として生活してきて養子皇族となった方の子は男子であれば天皇になることがある、そういうことか」と重ねてただすと、高市総理は「男子であれば天皇になると決まっているわけではない」としつつ、「なりうる可能性があるということではそうでございます」と述べた。

「官房長官が出てくるところじゃないって」

 小池議員は、2005年の政府有識者会議報告書で養子縁組の採用が極めて困難と否定されていたことや、旧11宮家と現在の天皇との共通の祖先が室町時代までさかのぼることを挙げ、「こうした人たちを特別な身分である皇族にすることに国民の理解が得られると思うか」と追及。高市総理が「国民の皆様の理解を賜るべく、この議論の取りまとめに沿って忠実に法案を作成した」と述べると、小池議員は「国民の理解得られてないんですよ。(高市総理は)そのことをお認めになったと思いますよ」と批判した。

 また小池議員は、各新聞社の世論調査や社説で今回の皇室典範の改正案の見直しが求められていることを紹介。さらに2006年当時に女性・女系天皇をめぐる議論がなされていた際の過去の議論を引き合いに出し、「まだ国民の理解が進んでいない」「十分な時間、議論の機会をいただきたい」といった当時の議論における発言に言及した。その上で、「今の国会のこの残されたわずかな期間で、数の力で押し通すようなものではない。見直すべきだ」と、腕を前に突き出して強く訴えた。

 ここで、委員長が挙手をした木原稔官房長官を指名すると、小池議員は前方を指差し「いや、総理ですよ。官房長官が出てくるところじゃないって。総理の、総理が言ったこと…」とアピール。指を指しての訴えは8秒間続いた。

 木原官房長官が「私、担当の大臣としてですね」と切り出すと、小池議員は自席から「総理の答弁」とヤジを飛ばした。木原官房長官はこれまでの議論の経緯を説明した上で、今回の政府案について「これによって立法府における将来の検討を先取りしたり、またこれを縛ったりするような趣旨のものではない」と述べた。

 小池議員は「私は、総理の国会での発言に基づいて聞いた。ちゃんと総理が答えてください」と求め、法案を一旦撤回して公聴会やパブリックコメントを行うべきだと主張。高市総理は、有識者による検討も含めて長い時間をかけて丁寧に検討されたものであるとし、「静謐な環境のもとで議論を進め、結論を得ていただくことを期待いたしております」と答弁した。

 小池議員は「十分に国会で議論したものではない」と反論し、法案の撤回を強く訴えて質問を終えた。

(ABEMA NEWS)