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 妊娠合併症の一つで、母子の健康に影響を与える「妊娠高血圧腎症」の妊婦の胎盤に「アミロイドβ(ベータ)」と呼ばれるたんぱく質が異常に蓄積していることを、和歌山県立医科大などのチームが確認した。

 アミロイドβをうまく除去できれば、妊婦の治療に役立つと期待される。

 妊娠高血圧腎症は、妊婦の数十人に1人程度が発症し、妊娠中に高血圧になったり、たんぱく尿が出たりする。母親の脳出血や赤ちゃんの発育不全を招くこともある。治療法はないが、出産後に軽快するのが一般的だ。胎盤がうまく形成されず、酸素や栄養が行き届かなくなることが原因の一つとされる。

 チームは帝王切開で得られた胎盤を詳しく調べた。その結果、妊娠高血圧腎症の母親5人の胎盤には健常な母親の胎盤より、アミロイドβが多くたまっていた。細胞の実験で、過剰な量のアミロイドβが母親から赤ちゃんへ栄養を届けるのに必要な細胞に悪影響を及ぼしていることも判明した。論文が国際科学誌に掲載された。

 チームの西辻和親・同大准教授(生化学)は「妊娠後の適切な時期に、異常にたまったアミロイドβを除去できれば、重症化予防につながる可能性がある」と話す。

 富山大の中島彰俊教授(産科婦人科学)の話「妊娠高血圧腎症を引き起こす複雑な原因から、アミロイドβに着目したのは有意義だ。治療薬の開発を目指す場合、母子ともに悪影響がないかを慎重に調べる必要がある」