子どもが自転車通学を始めるため、「自転車保険」に入るよう学校から言われました。すでに「自動車保険の特約」がある場合、新しく専用の保険に入るのはもったいないでしょうか?
自転車保険義務化の背景
国土交通省によると、令和6年4月時点で34都府県が自転車損害賠償責任保険等への加入を条例で義務づけており、10道県が努力義務としています。
多くの自治体でこのような動きが広がっている背景には、自転車事故の発生件数や自転車関与率の高さ、事故発生時の損害賠償の高額化などがあると考えられるでしょう。
警視庁の調べでは令和6年に都内だけで1万5000件以上の自転車事故が発生しており、1万2000人以上の負傷者、25人の死者が出ています。
1年間で発生した事故のうち自転車が関与した事故の割合は45.8%で、年齢層別では、10代の若者層や65歳以上の高齢者の構成割合が高くなっています。
また、日本損害保険協会によると、自転車事故の加害者となり、被害者に対して数千万円もの損害賠償金を支払うことになった事例も報告されています。
このような背景により、自転車保険への加入を義務づける自治体が増えていると考えられます。
「自動車保険の特約」と「自転車保険」の違いは?
「自動車保険の自転車特約」と「自転車保険」では、加入方法や補償内容に違いがあります。
「自動車保険の自転車特約」とは、自動車保険に付帯されている自転車事故を補償するための特約です。単体で加入することはできません。一方の「自転車保険」は自転車により発生した損害を補償するための専用の保険です。
また、補償範囲にも違いがあります。
自転車事故では、自分がけがをするだけでなく、相手に損害を与えてしまう可能性もあります。そのため一般的な自転車保険は、自分のけがを補償する保険と相手の損害賠償に備える保険がセットになっています。
それに対して自動車保険に付帯できる自転車関連の特約には、商品によって、自分のけがを補償するものと、相手への賠償に備える個人賠償責任特約などがあります。相手への補償が含まれていない場合は、必要に応じて別途付帯が必要です。
ただし、個人賠償責任保険の内容を含む自転車関連特約に加入していたり、自転車事故も対象となる「個人賠償責任特約」をセットしていたりすると、事故相手への補償に対応できます。
新しく自転車保険に入る必要性
新たに自転車保険への加入を検討する前に、現在加入している自動車保険の特約を確認しておきましょう。
加入中の自動車保険の自転車関連特約に自分のけがと相手の損害を補償する内容が含まれている場合は、新たに自転車保険に加入すると補償内容が重複する可能性があります。
相手の損害賠償に備える補償が含まれていない場合は、その分を追加で付帯した場合と、現在の特約を見直して新たに自転車保険に加入した場合で、どちらが費用をおさえられるのか、調べてみることをおすすめします。
例えば、ある保険会社の自転車保険に加入した場合、15~19歳の被保険者の月額保険料は200円台後半~300円台、別の自動車保険会社で自転車特約を付けた場合の月額保険料は約300円です。
どちらを選んでも大きく変わらない場合もあるため、調べてみるとよいでしょう。
新しく自転車保険に加入することで補償内容が重複しないか確認が必要
自転車事故の発生件数や自転車関与率の高さなどから、自転車保険への加入が義務づけられるケースが増えています。
すでに加入している自動車保険に「自転車関連特約」がある場合は、新しく自転車保険へ加入することで補償範囲が重複してしまい、保険料をダブルで支払うことになるでしょう。
補償範囲をよく確認したうえで、現在の保険で不足する部分がある場合には、特約の追加や自転車保険への加入を検討することが大切です。
出典
国土交通省 道路 自転車活用推進本部 自転車損害賠償責任保険等への加入促進について
警視庁 交通統計・交通事故発生状況 自転車の統計データ 自転車事故の推移・自転車事故分析資料 令和6年中
一般社団法人日本損害保険協会 損害保険お役立ち情報 自転車事故と保険
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

