サッカーW杯北中米大会の決勝トーナメント1回戦で、日本はブラジルに1―2で逆転負けし、32強で敗退した。試合から一夜明けた30日(日本時間7月1日)、ピッチ上で泣き崩れたMF田中碧が滞在先の米ヒューストンで取材対応に応じた。自らのボールロストの流れから後半アディショナルタイム5分の決勝点につながり「力が足りない」「自分の責任」と反省の言葉を並べた。

 ◆碧に聞く

 ―大会を総括して

 「もっとやらなくてはいけないんだな、と。シンプルに力が足りないと感じた」

 ―ブラジル戦は何を考えながら途中出場したのか

 「押し込まれていたので、守備からというのは考えていた。もちろん、カウンターでさせればというのはあったが、なかなか後半はチャンスがなかった。ゼロで進めることができなかったのは自分の責任。全部自分で受け止めているし、受け入れているし、まだまだ自分の力が足りなかっただけ」

 ―決勝点のシーンはどういう状況だったか

 「僕は1回ぐらいしかまだ映像を見ていない。なので、自分がどうすれば良かったかは詳細に言えない。もちろん、クリアすれば良かったとは思う。つなげて、それを思いっきりクリアしてくれれば良かったという思いもある。とはいえ、別に誰のせいでもなく、自分の責任。サッカーである以上、自分で取り返さなければいけなかった」

 ―プレーの選択自体は別に悪くなかった。なぜあそこまで落胆して、責任を背負ったのか

 「やっぱり勝ちたかった。あそこでクリアして、負けなかったことが出来たかもしれない。別にあれでつないで、カウンターをしたかったわけでもない。ただ、あの時間帯で失点して、自分としてはすごく責任を感じた部分があった。それは今も感じている。プレー選択がどうこうより、あの時間でゴールにつながってしまったのが一番大きい。もちろん、あれが入っていなければ、別に何も思っていなかったかもしれない。でも、サッカーは結果論。入ってしまえば、自分たちがアドバンテージを取られるので、シンプルにそういうゴールを決められたのですごく責任は感じた」

 ―周りの選手からもかなり励まされていた

 「いろいろな声をかけてくれたが、そんなに頭に入ってこなかった。改めて、結果が全てだと、特にW杯では思った。いい意味でも、悪い意味でも、あれが負けにつながったのが結論。だからこそ、自分のせいじゃないと言ってもらえても別にうれしいわけでもないし、ただ自分がまだ足りなかっただけ。だからこそ、すごく自分に腹が立つし、責任を感じただけ」

 ―前回大会でPKを外した三笘薫、南アフリカ大会でPKを外した駒野友一さんは悔しさを糧にはい上がってきた。ここからどう4年間で挽回していきたいか

 「今、4年後をああだこうだ言う気持ちではない。でも、やっぱりW杯で感じた悔しさはW杯でしか晴らせないし、W杯は特別な舞台だと思う。4年後を目指すというわけではなく、毎日毎日、優勝できるようなチームのプレーヤーの実力をつけられるかどうか。まずはそこに全力で向き合いたい。W杯でどうこうというより、世界のトップオブトップと肩を並べられるような選手に、それに値するようなプレーヤーになれるように成長したい」

 ―チュニジア戦とスウェーデン戦は素晴らしかった。4年間の成長は

 「前回よりは手応えもあった。自分がやっていること、親善試合ではなくこういう舞台で何ができるかで、少しは成長を実感できた。ただ、改めてまだまだだなとは思うし、結果が全て。自分たちだけではなく、応援してくれる人がもっと上に行けると期待していたと思うので、それに応えられなかった。まだまだだった」

 ―W杯を通して世界との差はどう捉えているか

 「自分が本気で優勝するチームに値するプレーヤーではなかっただけ。いろいろな国の選手を見ても、一回り二回り違った。もちろん、日本人には日本人の良さがあって、他のチームと比べても全く違うチームだとは思うが、改めて個人の能力はもっともっと上げていかないといけない。この4年間、全力で毎日、個のことばかりを考えて歩んできたつもりだが、まだまだ足りなかった。もっと歩むスピードを上げないといけない」

 ―前回大会でW杯は怪物が集まる大会だと言っていた。今大会、その怪物に少しでも近づけたか

 「少しは感じることはできたが、まだまだ力が足りない。それをW杯の全試合で示さなきゃいけない。まだまだ上には上がいるし、世界の壁は高かった。それでも、このチームが歩んできたものは別に間違っているとは思わない。もちろん、結果は出なかったが、本当に素晴らしいチームで、素晴らしい選手、チームに支えられてきた。もっと言えば、特にW杯期間中の第1戦から昨日の試合まで、たくさんのサポーターの方がスタジアムに足を運んで応援してくれたし、テレビ越しでもたくさんの人が僕たちに力をくれた。そういう意味では、そういうものがまた次につながる。僕だけではなくて、いろいろな人に悔しい思いをさせてしまった。応援が力になったので、そこは心の底から感謝したい」

 ―ブラジル戦の映像を見返すタイミングがあるとするならいつか

 「いや、もう見返さないと思う」