発売当初の呉竹の「墨滴」

 墨や書道用具などの老舗。1902年、創業者綿谷奈良吉が現在の奈良市で、地元の伝統産業の墨をつくる「綿谷商会」を開いたのが始まり。(共同通信=増井杏菜記者)

 教育現場から「墨をする時間を短くして授業内容を充実させたい」という願いを受けて開発に着手。1956年、水に溶かして使う練り墨、1958年に液状の「墨滴」を生み出した。当初は否定的な声もあったが、色がよく子どもが使いやすいことから液状墨が普及した。

 1963年発売のサインペン「クレタケドリームペン」で筆記具分野へ進出。その後、輸出を始めたが、後にドルと金の交換停止による円高で輸出を断念する苦難もあった。

 1973年、国内向けを強化しようと開発したのが毛筆が苦手な人でも手軽に筆文字が書ける「くれ竹筆ぺん」だ。墨とサインペンの技術を応用して筆の運びを表現しやすくした。細字と太字などのペン先をペンの両端に設けた二本立なども発売。代表商品となった。

 カラー筆ペンやマーカーにも注力。2022年から筆ぺんの技術を生かしたアイライナーなどの化粧品も展開している。

1963年発売当初のサインペン「クレタケドリームペン」

呉竹のアイライナー「お化粧ふでぺん」

現在、呉竹が販売する「くれ竹筆ぺん 二本立かぶら」

前身の綿谷商会時代の関係者の集合写真。中央が創業者の綿谷奈良吉=1950年代、奈良市内の本社工場で撮影

呉竹の本社=奈良市