人間関係を深めていける人は何をしているか。コミュニティクリエイターの中窪利衣さんは「人に頼られることがうれしいと感じる人は、じつはとても多い。自分が苦手なことや、得意ではない分野は、できる人にお願いすることが“信頼の表現”になる」という――。

※本稿は、中窪利衣『「わたしのお城」のつくり方』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

写真=iStock.com/Jirapong Manustrong
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Jirapong Manustrong

■自分が全部やると、相手のチャンスを奪う

「甘える」と聞くと、少し子どもっぽいとか、わがままな印象を持つ人もいるかもしれません。でもわたしは、甘えることは信頼の証であり、人間関係を深めるための大切なスキルだと考えています。

誰かに頼るということは、「あなたを信じています」と伝えること。そして「助けてほしい」と素直に言うことは、相手に“必要とされている喜び”を感じてもらうことでもあります。

ですから「甘える」ということは、自分らしくいられる「お城」の中を信頼や喜びで満たすことなのです。

わたしは以前、とくに仕事では、全部を自分で抱え込んでしまい、心身ともに疲れはてることも多々ありました。

でも、あるとき「自分が全部やることで、相手の“力になりたい”という気持ちのチャンスを奪っていたんだ」ということに気づきました。

それからは、少しずつ“甘える練習”をするようにしました。できないことはお願いし、苦手なことは委ねる。そうしていくうちに、相手との関係がどんどんあたたかく、やわらかくなっていったのです。

■「甘える」は最強の信頼関係スキル

今のわたしは、90%甘えモード(笑)。

自分が苦手なことや、得意ではない分野は、できる人にお願いしています。それは単に任せるというより、信頼してお願いするという感覚です。

たとえば、デザインが得意な方には「ここをお願いできますか?」と素直に頼む。

数字に強い人がいれば、「この部分、アドバイスいただけませんか?」とお願いする。

最初のうちは勇気がいりましたが、お願いすると、みんな本当にうれしそうに「いいよ!」と言ってくれます。

やはり人って、必要とされるとエネルギーが湧く生き物なのですね。

甘えるという行為は、相手に安心感を与えたり、役割をお願いしたりするということ。

それが信頼のスタートラインになるのです。

写真=iStock.com/b-bee
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/b-bee

■“甘える”と“頼られる”のキャッチボール

不思議なことに、自分が甘えられるようになると、今度は逆に、頼ってもらえることも増えていきました。

「りえさんだからお願いしたい」
「りえさんに頼むと安心する」

そう言われることが増えてきたのです。

頼られるって、本当にうれしいことですね。わたしの中の“やる気スイッチ”が一瞬でオンになる瞬間でもあります。誰かの中で、“信頼して任せられる人”として思い出してもらえる。そのこと自体が、これまで築いてきた関係性の証です。

しかも、頼られることで、自分の得意なこと・価値がより明確になります。「わたしはこういうことで貢献できる」と気づく。それがまた、自信にもつながります。

今、わたしは日々の仕事でもプライベートでも、“甘える”と“頼られる”をキャッチボールのように続けています。

たとえば、仲間とのプロジェクトで、「ここはわたしがやるね! ここお願いしてもいい?」と声を掛け合う。お互いの得意を生かしながら進めることで、仕事のスピードも精度も上がっていきます。

■「人に迷惑をかけたくない」は大間違い

このキャッチボールがある関係は、本当に心地いいです。助けてもらったら、次は自分が助ける。そのバトンが回っていくことで、人間関係全体があたたかく、やさしい循環を生んでいきます。

多くの人は「人に迷惑をかけたくない」と言います。でも、人に頼られることがうれしいと感じる人は、じつはとても多い。だから、甘えることは迷惑ではなく、“信頼の表現”なのです。

わたし自身、昔は「人にお願いするなんて申し訳ない」と思っていました。

でも、実際にお願いしてみたら、「頼ってくれてうれしい」「そう言ってもらえるなんて光栄」と言ってくださる方が本当に多かったのです。

その瞬間、人間関係の深さが一段階変わり、お城の中で“みんなとの絆”が強まっていくことを感じました。

■甘え上手な人が“信頼の循環”をつくる

甘え上手な人ほど、人を信じる力が強い。信じる力があるから、委ねられる。委ねられるから、愛される……。

中窪利衣『「わたしのお城」のつくり方』(三笠書房)

そうやって“信頼の循環”が生まれていきます。

わたしが今、意識しているのは「一人でがんばらない」ということ。それは怠けることではなく、人を信じる勇気を持つことです。

助けを求めることも、お願いをすることも、相手の中に「あなたを信じています」という想いを届ける行為です。その想いが重なったとき、人と人の関係はグッと近くなります。

苦手なことは素直にお願いして、誰かに頼られたら全力で応える。お城がこの循環を巡らせていくことで、人と人とのつながりはあたたかく育ち、お互いに安心して関われる関係が増えていきます。

だから自分自身も無理せず、自然体でいられるようになります。

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中窪 利衣(なかくぼ・りえ)
コミュニティクリエイター、コミュニケーションスタイリスト
大手住宅メーカーに就職後、仕事や人との関わりの中で人間関係の本質に気づき、相手の未来を想像し信頼を築く独自のコミュニケーションスタイルを確立する。その後、SNSを軸にしたビジネスプロデュースやコミュニティづくりを展開。これまでに約1万件のSNSアカウント運用やビジネス相談に携わる。単独セミナーでは3日間で450名以上を集客。女性起業家を中心に、年商更新や最高月商を達成する受講生を多数輩出する。現在は「すべては人」を信念に活動し、ビジネスモテ専門家、選ばれる人生プロデューサーとして、企業研修・講演・スクールを通じ、信頼され選ばれる人間関係のつくり方や“ビジネスモテ力”を伝えている。
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(コミュニティクリエイター、コミュニケーションスタイリスト 中窪 利衣)