トランプ米大統領によるクックFRB理事の即時解任、米連邦最高裁は認めず
【ワシントン=坂本幸信、阿部真司】米連邦最高裁は29日、トランプ大統領による連邦準備制度理事会(FRB)のリサ・クック理事の即時解任を認めないとの判決を下した。
FRBの独立性を重視した。
トランプ氏は昨年8月、理事就任前の住宅ローン申請の不正疑惑を理由に、クック氏に解任を通告した。クック氏が差し止めを求めて提訴し、下級審は訴訟が続いている間の留任を認めていた。
最高裁は、クック氏に十分な反論の機会が与えられていないことなどを問題視。ジョン・ロバーツ最高裁長官は係争段階で解任を認めれば「FRBの独立性を著しく損なう」と指摘した。判決は判事9人のうち、5対4で支持された。
最高裁は解任の正当性そのものは判断しなかった。トランプ氏は判決を受け、自身のSNSに「直ちに必要な措置を講じる」と投稿し、引き続き解任を求める考えを強調した。
一方、最高裁は29日の別の訴訟で、大統領に独立機関の委員を解任できる権限を認め、権限を制限した1935年の判決を覆した。
連邦取引委員会(FTC)の民主党系委員だったレベッカ・スローター氏は昨年解任を通告された。判決は、FTCが幅広い行政権を行使していると指摘。職務上の不正行為などの理由がなければ解任できないとする現行規定を「三権分立に反する」として、大統領の裁量で解任できるとの政権の訴えを支持した。

