歴代ウルトラマン

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 特撮ヒーローを代表するウルトラマンは、今年7月10日に60周年を迎える。ところが足元の円谷プロでは、大規模なリストラが敢行され、社員にとっては夢も希望もない状況なのだ。

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突如退職を迫られ……

 リストラの憂き目にあった円谷プロの元社員が、こう嘆息する。

「今年3月中旬、突如役員や人事部長らに呼び出され、退職を迫られたのです。応じない場合、ウルトラマンに全く関係のないグループ会社へ出向になるというので、私を含め退職勧奨された社員のほとんどが社を去りました」

「特撮の神様」と言われる円谷英二氏が円谷プロを創業したのは1963年のこと。倒産の危機に瀕した2007年、広告会社に買収され、円谷一族は経営から退いた。その3年後、遊技機メーカーのフィールズが資本参加し、現在は円谷フィールズホールディングスの子会社となっている。

歴代ウルトラマン

 この元社員が言うには、

「親会社の山本英俊社長が19年に招聘(しょうへい)した永竹正幸社長肝いりのカード事業が不振で、中国市場での売り上げも落ち込んでいます。円谷プロは今年3月期決算でも黒字であるにもかかわらず、非正規のスタッフ約30人、正社員約40人が辞めさせられ、全従業員の約4分の1が退社に追い込まれたのです」

「本当は仮面ライダーが欲しかった」

 社員に配付された退職勧奨の通知には、回答の期限は3月19日、退職予定日が4月30日と記載されていた。しかも、通知から約1週間で決断を迫られた。

 円谷プロ関係者によれば、

「遊技機の開発・販売で財を成しただけに、山本社長はコンテンツ事業の理解や円谷プロへの思い入れは希薄です。4月頭の社員集会では、“ウルトラマンなんか好きじゃない”“本当は仮面ライダーかガンダムが欲しかったが、バンダイに邪魔されて買えなかった”という主旨の発言をして、社員のひんしゅくを買いました」

「切ってやった」

 さらには、こんな“自慢”もしていたという。

「山本社長は、昨年6月に退任した円谷プロの塚越隆行前会長のことを“切ってやった”と嘯(うそぶ)いたのです。塚越さんは庵野秀明さんと関係を築き、円谷プロ史上最大のヒット映画となった『シン・ウルトラマン』の製作を実現させた立役者です。彼の退任を聞いた庵野さんが『シン・ウルトラマン』の続編企画から降りる意向を示したため、山本社長側は塚越さんに別の子会社の取締役ポストを用意したといわれています」(前出の関係者)

 7月3日には、60周年記念ドキュメンタリー映画「THE ORIGIN OF ULTRAMAN」の公開も控えているが、

「この映画は庵野さんが出演するほか、是枝裕和氏が出演・企画しており、両者共に塚越さんとの関係で実現したもの。今作の『監修』も塚越さんなので、山本社長の発言に眉をひそめる社員も少なくない。映画以外にも60周年記念イベントなどがあるのに、大量リストラで大幅に人員が不足し、リストラしたスタッフを日雇いで呼び出すなど、社内は大混乱に陥っています」(同)

義理の息子

 ウルトラマンに登場する怪獣に虐げられる人々の悲鳴に、負けずとも劣らぬ悲痛な訴えに、山本社長は心が痛まないのだろうか。

「山本社長は長女でモデルの山本優希氏の夫、つまり義理の息子を円谷プロに入れています。彼は当然リストラの対象にはなっていません。それどころか、山本社長が将来彼を円谷プロの社長に据えるとささやかれています。大事にする社員は“身内”だけなのでしょう」(前出の元社員)

 せっかくのウルトラマン60周年でも、これでは社員の士気は下がるばかり。この窮地に正義の味方は現れるのだろうか。

「週刊新潮」2026年6月25日号 掲載