京都の日本三景・天橋立でまた…相次ぐクマの目撃情報 山に出たクマには猟銃撃てるが…市街地・観光地では難しい?「年間約300万人」観光の客足への影響は【中継】
観光名所「天橋立」でクマの出没相次ぐ
6月10日、日本三景のひとつである京都府宮津市の天橋立に体長1.37メートル・体重約97キロのツキノワグマが現れました。このクマは無事に捕獲・駆除されてけが人はいませんでしたが、翌々日の12日にもクマの目撃情報がありました。
【写真を見る】天橋立で「階段にクマが…」目撃情報あったケーブルカー・リフト駅
それから約1週間。観光地・天橋立で、18日にも新たな目撃情報が…
警察によりますと、天橋立ケーブルカー・リフト府中駅近くの階段付近で住民の男性がクマ1頭を目撃したということです。
相次ぐクマの目撃情報に、観光客や地元商店からは不安の声もあがっています。
MBS福島暢啓アナウンサーが現地で取材した最新情報をお伝えします。
「立っている場所から30mほどの距離にクマ」目撃者が語る
18日にクマの目撃情報があったのは、天橋立ケーブルカー・リフトの府中駅。ここからケーブルカーで上がっていくと股のぞきで有名な傘松公園にたどり着きます。
観光の中心地からほど近い場所でのクマの目撃情報に、地元住民からは不安の声も上がっているようです。
駅周辺の商店は午後5時ごろには店じまいするところも多いということですが、取材した午後4時ごろはまだ、多くの観光客が訪れケーブルカーに乗る様子がみられました。
(MBS福島暢啓アナウンサー)
「府中駅のすぐ脇に、成相寺という寺に向かう参道があり、そこでクマが目撃されました。実際にクマに遭遇したという人に話を聞くことが出来ました。参道の入り口付近で飼っている犬を抱いて立っていたところ、その場所から30mほど奥の場所にクマがいるのを見つけたということです。目測ですが、大体1m以上はあったと思われるということで、大人のクマに見えたということです」
少し動きを止めたクマはその後、参道横にある建物の脇の道のようなところに入っていき、その裏手にある竹林の方へと走っていったということです。
目撃されたクマは捕獲・駆除に至らず 小学校では見守り登校も
目撃されたクマ自体はいまだ捕獲されておらず、いまどこにいるのかも確認されていません。宮津市は注意喚起を続けている状況で、地元の小学校では大人たちが見守る中で登校しているということです。
(福島アナ)
「観光客向けの店で話を聞いたところ、宮津市自体はクマの出没自体は非常に多く、昔から山の方ではよくクマが出るというのは話は聞いているので、クマが出たという情報を聞いても『あ、また出たんだな』と、それぐらいの気持ちだということです」
「ただ、駅周辺は人が大勢いるところなので、そのような場所にクマが近づいてくるというのはふだんはありえないことなので、やはり驚いたという声もありました」
駅周辺は野生動物がよく出る場所ではあるということで、注意喚起の張り紙が貼られていました。
6月に入ってのクマ目撃・捕獲情報を振り返る
天橋立周辺で相次いでいるクマの目撃や捕獲。これまでに出ている情報を改めて整理します。
6月10日:海を泳ぐクマ捕獲
天橋立の北側に出没。海を泳ぎ住宅街へと向かう様子がカメラに捉えられていました。
出没したのは体長約1m37cm・体重97kgほどのオスのツキノワグマでした。クマはその後浜に上がり、そのまま木に登ったところを麻酔銃で撃たれ捕獲・駆除されました。ケガ人はいませんでした。
地元のお土産店を営んでいる男性も実際に現場で見かけたということで、非常に恐怖心を感じたと話していました。
6月12日:南側の観光スポットで…発見には至らず
天橋立の南側で観光客から目撃情報が入りました。こちらはまさに観光スポットで、天橋立の中を歩く時に散策しやすい松並木の中で、子グマと思われる生き物が目撃されました。天橋立自体を通行止めにして捜索がされましたが、発見・駆除には至っていません。
6月18日:北側でも目撃情報
午後6時ごろ、天橋立の北側にある府中駅周辺で目撃情報がありました。
観光が盛んな宮津市…客足への影響を懸念 市の対策は?
宮津市は年間約300万人の観光客が訪れる非常に観光が盛んな土地です。それゆえ、クマの目撃情報が客足へ影響することが非常に心配されています。
(福島アナ)
「地元の観光協会に話を聞くと、今日の時点で観光客が減っているというのは体感としてそこまでないということでした。しかし、一部のホテルに『大丈夫なのか』と問い合わせの電話があったり、一部キャンセルが発生したということです」
これを受け、地元も対応の方法について模索しているようです。
・情報の周知
クマの出没・目撃情報は現在でもメールなどで発信されていますが、これをさらに周知徹底していくということです。
・インバウンド向け多言語化
インバウンドの観光客が非常に多く、案内の多言語化が必要。「野生動物出没中」の張り紙では日本語のほかに英語と中国語で案内はされていますが、より多くの言語に対応しなくてはいけない、などの話も出ているということです。
市街地・観光地での猟友会の対応に課題か…
(MBS山中真解説委員)「人間の食べ物や餌を狙っているのかと想像しますが、例えばゴミを気を付けるようにしている、もしくはそういう情報を周知しているということは始めているのでしょうか?」
(福島アナ)「きょう取材をした限りでは具体的にそのような対応をしているという話は出ていませんでした。ある意味ではこの辺りにクマがいるのは普通だよね、という声も聞こえています。危機感が非常に高まっているというわけではないかもしれませんが、少しずつ対応を変えていかなくてはいけない部分もあるのかもしれません」
(MBS清水麻椰アナウンサー)「クマが実際に出没した、確認できたという場合には猟友会が動くことになると思いますが、その周辺は観光地であって山とは違うということで、どう対応していくのでしょうか?」
(福島アナ)「地元の猟友会にも話を聞きましたが、山にクマが出た場合は猟銃を撃つことはできます。しかし、こちらは市街地・観光地ということもあり、人に当たってしまわないようにしなければいけませんし、撃った弾が跳ね返ってそれがまた人に当たるということも考えられますので、対応が非常に難しいという課題があります」
「餌やり禁止」「ゴミ放置禁止」 クマ対策のピクトグラムを国が作成
こうした観光地でのクマ出没について、観光庁長官が5月の会見で、▽地域が行う観光客への情報発信を支援、▽観光客などに出没情報への注意呼びかけなどをする方針だと話しました。
また、国では観光地などで使うクマ対策のピクトグラムを作成しています。「餌やり禁止」「ゴミ放置禁止」「クマに接近しない」など、主に日本語の分からない外国人観光客向けのものではありますが、子どもでも分かりやすいように提示されています。
(2026年6月19日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)
