息子が暴行受け、母が動画を拡散…頼った先なぜSNS?「賛否両論あると葛藤したが、それでも犯人を探したかった」

今年1月、中学生の少年が集団で暴行を受ける動画が、SNSに投稿された。動画は拡散され、およそ1週間後、15歳の少年が傷害容疑で逮捕された。
この投稿で逮捕につながったが、加害者家族や、無関係な人の個人情報まで拡散された。
救われる人がいるとはいえ、 晒す行為はどこまで許されるのか。 『ABEMA Prime』では動画を投稿した被害者の母親とともに考えた。
■息子が受けた暴行事件とSNS投稿の経緯

中学3年生の息子が暴行を受ける動画を、SNSに投稿した母親のミキさんは、暴行事件の経緯について、「(息子は)1歳下の後輩から『お金を取られた』という相談があり、軽い気持ちで相手の子の連絡先を聞いて、連絡したら、LINE上で口論になった。最終的に暴行した男の子が入り『お前殺すぞ』と脅迫が始まった。その翌々日に共通の友達に呼び出されて行ったら、彼らが待っていた」と説明する。
動画については、「周りの20人ほどが撮影していて、1分に抜粋してSNSに上げた。動画は暴行を受けた後、みんなから手に入れたもの」だと明かした。
ミキさんの息子のケガは、「おでこが腫れて、何回も蹴られて大変なことになっていた。現在も首の治療のために通院している。その後、学校に通って、授業中はいいが、休み時間になって周りが立ってうろうろすると『何かドキドキする』と言い始めた。暴行した人らは同じ中学校ではないため、転校していないが、高校生活を今後送るのが怖くなってしまった」と明かす。
そして、「息子本人の気持ちがついていけなかったため、高校受験は断念した。最初は動画を見られなかったが、数日してから少し余裕が出て、犯人を見つけるために自分が見ないといけない」と決心した。
■「親の方が狂うこともある」

元経産官僚の宇佐美典也氏は、「私の子どもも保育園と幼稚園で、同じ子からいじめに遭い、PTSDになって通えなくなった。難聴や物が二重に見える。夜は寝られなくなり、外が怖くて歩けなくなった。しかし、自治体はいじめではないと言った。そもそもいじめ防止対策推進法はあるが、幼稚園にはいじめという概念はないと言われた。区議会議員に協力してもらって、ようやく動いてもらい、港区初のいじめ重大事態として認定された」と明かす。
ミキさんには同情し、「子どもだけじゃなく、親の方が狂うこともあって、ミキさんも被害者だと思っている。うちの妻も未だに拒食、過食嘔吐を繰り返している。それでも何もしてくれない。いろんな手を使って物事を前に進めて、ある程度はいったが、どこまで行っても責任を認めないので、SNSで炎上させて状況を動かした」と続けた。
ミキさんは「(SNSは)自分の子供も晒されるため賛否両論あると葛藤したが、家族で相談し、それでも探したいということで投稿した。警察はすぐ来たが、1対1の喧嘩のような扱いで、後日、『被害届は出さなくても大丈夫』と言われてモヤモヤした。全国バラバラの未成年が集まっていたため自分で探そうと思い、インスタグラムを公開にして有名人に動画を送り拡散してもらった。するとその日のうちに警察から『被害届を今すぐ出してください』と電話があり急に対応が変わった」と振り返った。
■「炎上した案件でそいつを叩いても何も解決しない」

宇佐美氏は「仮に制裁しても死刑にはならず、数年後に帰ってきたら復讐される。いじめをする方の精神的歪みに向き合う制度にしなければ解決しない。社会的に抹殺するほどの罰を与えたらむしろこちらが危ない。感情だけで語ってもシステムは改善しない。罰と更生は両立できるため更生もやるべきだ」と主張する。
そして、「学校に任せず、行政がいじめ対策部署を設けて全件介入し、親側に立つべきだ。プロを各市町村が育てないと解決しないが、議論が進んでいない。行政がいじめに出てくる仕組みを作らなければ絶対に解決しない。炎上した案件でそいつを叩いても何も解決しない」と述べた。
ミキさんは、SNSに投稿したことで、「同じようなことをされたというたくさんのDMが届いた。お母さんが心配するから言えないという子もいる。とにかく何かあったら1人で悩まず、誰のところでもいいから相談して声を上げてほしい」と述べた。
(『ABEMA Prime』より)
