3年前に注文住宅を建てた日刊住まいライターは、おしゃれな「縦滑り出し窓」をたくさん設置。しかし、実際に生活を始めると、使い勝手の悪さに後悔しているそう。今回、ライターの実体験から、住んでみてわかった想定外のデメリットと、「今だったらこうしたい」と考える3つのポイントについて語ります。

わが家が「縦滑り出し窓」を多く採用した理由

筆者は約3年前、地元工務店で注文住宅を建てました。2階建ての5LDKに、家族4人で暮らしています。家族構成は、夫婦と5歳の長男、2歳の二男です。

【間取り】2階建て5LDKの1階部分

細部にまでこだわったマイホーム。住み始めてしばらくは「なんの後悔もないね」と主人と話すほどで、満足しながら過ごしていました。

そんなわが家ですが、唯一こだわらなかったのが窓の種類です。

もちろん工務店側からは「この部屋の窓は縦滑り出し窓(縦方向を軸に外側へ開く窓)にして、ものが置かれるキッチンの裏は横滑り出しで…」と、暮らしに配慮した窓の種類であるという提案を受けました。

さらに、縦滑り出し窓には、壁面を流れる風を効率よく取り込める「ウィンドキャッチャー効果」があるとの説明も。筆者はその効果に期待し、自分たちにとっての使い勝手をさほど考えずに、縦滑り出し窓を採用したのでした。

縦滑り出し窓が家事ストレスを増やす「3つの盲点」

実際に3年間住んでみて気がついたデメリットは、次の3つです。

●デメリット1:虫問題

住み始めた当初は冬場だったため、問題は生じず、外観のスタイリッシュさに満足すらしていました。

ところが、夏場になると虫問題が発生。ダイニング横にある縦滑り出し窓は、写真のように手で押し出して開閉します。よって、網戸は内側に収納されているのです。

この構造による問題が、虫の侵入を避けられない点です。とくに夕方以降、窓の開閉のたびに虫と格闘せねばなりません。わが家の周辺地域は、大きな公園と、田んぼや畑が近くにあり、虫が多いため、夏場の換気にはとても苦悩しています。

●デメリット2:雨問題

とはいえ夏場以外は、虫との闘いはおだやかになり、季節によっては、窓を開放できます。

しかし、また別の問題が生じてしまうのです。それは、急な雨。窓をあけたままのときに、雨が降れば、窓の内側はもちろん、サッシや床まで濡れてしまいます。

家事ラクとは真逆の「余計な掃除」を増やすはめに。わが家の場合は、換気の際も、ほんのわずかな隙間しかあけていません。

●デメリット3:心理的問題

虫と雨の問題に直面した結果、「あけないのがいちばんラク」という本末転倒な結論にいたったわが家。とくにダイニング横にある窓は、隣家との距離も近いため、気持ち的に大きく開放することができません。

さらに、外からの視線が気がかりで、ブラインドを下ろしたままにしており、あかずの窓と化してしまいました。ウィンドキャッチャー効果を期待していたはずなのに、本来の役割を果たせない状態に。

今から建てるならこうする!「後悔しない窓選び」

盲点だった問題点を緩和するために、検討すべきだったと感じた点を3つ挙げます。

●1:「引き違い窓」の再評価

筆者の実家や、新居に越す前のアパートは、どこの窓も引き違い窓(左右2枚以上のガラス戸をレール上でスライドさせて開閉する一般的な窓)でした。網戸が外側にあるのが当たり前でしたが、その安心感や利便性をあらためて実感しています。

2階の寝室には、大きな引き違い窓を採用。写真のように、網戸の虫よけ対策も可能であるため、安心して窓を開放できています。

●2:場所による使い分け

縦滑り出し窓は、風とおしのよさや窓のサイズが豊富なため、人気のようです。わが家でも、工務店からの提案に沿って、外観に合わせたほどよい大きさの窓を採用しました。

しかし、風とおしに関しては、あけなければその効果は得られません。デザインと風とおしと利便性を天秤にかけ、部屋によっての使い勝手を検討すべきでした。

●3:網戸のタイプをチェック

1階の書斎も、縦滑り出し窓を採用。ただ、窓の手前にはデスクがあるため、開閉は手を伸ばすのが難しいだろうと考えました。

そこで、押し出しではなく、ハンドルを回して開閉するオペレーターハンドル式を採用することに。それにともない、網戸は内側に固定されています。窓の開閉には少し手間がかかるものの、固定網戸は、窓の開閉による虫の侵入に影響が少なく、わが家にとっては快適な網戸であると感じます。

窓の種類を検討するなかで、周辺の地域性を理解してから決定すべきだったと痛感しました。また、窓に付随する網戸の設置位置においても、メリット、デメリットを事前に把握し、自分たちの暮らしに合うものを選べばよかったと思います。

これから家づくりで、窓の検討をされる人の参考になればうれしいです。