動画『お笑いからコメディへ』で脳科学者の茂木健一郎さんが、日本のお笑い文化が抱える“身内の笑い”の現状と今後について、独自の見解を語った。冒頭、松本人志さんが「ダウンタウンプラス」で活動を再開したことに触れ、「ファンの方にとっては、ほんとうに嬉しかったんだろうなと思う」とお祝いしつつ、それでも日本の笑いに対して一石を投じる姿勢を見せた。

茂木さんは自身の幼少期から日本のお笑いに親しみ、感謝の気持ちを持っていると述べる一方、「身内の笑いになっていることの意味って、もうちょっと我々日本人って考えたほうがいい」と警鐘を鳴らす。日本語という言語の持つ参入障壁や、オノマトペなど特有の表現を例に挙げながら、「日本のお笑いはクラブ活動のような閉じた空間(社会学で言うイングループ)に近い」と分析した。

一方でイギリスやアメリカのコメディは、「異質なものとのざわざわ感を反映した笑い」だとし、その背景には移民や多様な文化が流動的に交じり合う社会構造があると指摘。茂木さんは「身内の笑いとその外のざわざわ、異質なものとの出会いを反映したコメディっていうのは違う」と語り、「僕はやっぱりそのざわざわ感っていうか、その異質なものとの行き交いがあるコメディの方が、今の時代には好きだな」と率直な思いを明かした。

さらに茂木さんは、「こたつに入ってみかん食べてるような安らぎ」を身内の笑いになぞらえ、「それはそれで人間としては心地いい」としつつも、「日本もこれからは必然的にグローバル化して、インバウンドのお客さんがいらして」「我々もっと行き交うようになった方が、日本の発展には繋がるんじゃないかな」と日本のお笑い界に新たな“多流試合”、コメディへの変化の必要性を訴える。

最後に、「お笑いからコメディへっていうのは、イングループ、身内のぬくぬくとした居心地の良い笑いから、もっと異質なもの、多流試合をやっていく方向に行くことだ」と理想を強調。「今日はお笑いからコメディへということについてちょっとお話させていただきました」と動画を締めくくった。

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