動画「外国人の方の問題と、ギャンブルの誤謬」内で脳科学者の茂木健一郎氏が登場。昨今注目を集める“外国人問題”とギャンブルの誤りには、人間の思考に共通の落とし穴がある――と自身の見解を語った。

茂木氏はまず、「外国人はギャンブルをやりすぎて困る」「IRに多くの外国人が来てお金を使ってくれる」といったことではありません、とボケをかました。本質はそんな単純な話ではなく「確率の推定が感情で歪められる」ことが問題だと断じる。「例えば事件の報道で外国人が関与していると、その一例だけで『外国人は危険だ』とレッテルを貼ってしまう傾向にある」と述べ、冷静なデータや統計ではなく、個人の感情が判断を左右している実情を語った。

この現象を茂木氏は「ギャンブラーの誤謬(ごびゅう)」に例える。「サイコロで6の目が3回続いたからといって、次も6が出る気がする、あるいは今度は6以外が出るに違いないと思い込みたくなるが、確率論ではすべて独立して6分の1。だが人間は感情や直感で見誤る」と説明した。その上で「これはギャンブルだけでなく株やFXの取引でも同じ。『俺は儲け方を知っているんだ』という思い込みも確率の誤認に過ぎない」と語る。

「外国人イメージも『なんとなく怖い』『危険だ』という感情が先に立ち、犯罪の確率データよりも印象で判断してしまいやすい」と警鐘。「『外国人が犯罪を犯す確率は本当に高いのか』と冷静に考えられる人はそう多くない。むしろ、たとえ統計的に低かったとしても、不安や危険だと思う感情は簡単に消えない」と、人間の根源的な性質を明かした。

さらに「良識あるリベラルな方々は理知的に『データで考えよう』と訴えるが、実際には思い込みや不安のほうが社会に強く残る。だから、ギャンブルの誤謬が社会全体の思考に根付きやすいのは仕方がない」と述べ、「科学的には外国人の方の問題とギャンブルの誤謬は非常に深く結びついている」と総括した。

動画の最後は「いまさらですが、これはコメディのお話でした」と笑いを交えつつ、「思い込みは実際に持つから仕方ないけれど、気をつけていこう」とメッセージ。人間らしさを肯定しつつも、「お互い人間らしくありたいが、思い込みには注意して」と締めくくった。

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