【TO BE HERO X】島信長が堪能したヒーローに憧れる青年を演じる面白さ
島粼 挑戦的な作品だなって思った記憶があります。3Dと2Dを行き来したりする試みもすごく斬新で、新しいものを作りたいとか「こういう表現にチャレンジしてみたい」といったポジティブでクリエイティブな気持ちや勢いを感じてワクワクしました。
――魂電編のシナリオについて教えてください。
島粼 魂電編は全三話構成とちょっと短いんですけど、「もっとやりたい」と思ってしまうぐらいに面白かったです。シンプルに冴えない主人公の青年がどんどん周りに認められて成功していく英雄譚みたいなハッピーエンドで終わってもいいと思うんです。でもそうならないところがこの作品の面白いところで、上手いこと現代の世相みたいなものが盛り込んであったり、人間や社会のままならなさみたいなものが詰め込まれていたりと、いろいろ練り込まれたシナリオになっているなと思いました。
――ナイス編のラストに衝撃的な形で魂電が登場しています。そのことはご存じでしたか?
島粼 声の出演がなかったので僕は知らなかったんですが、ナイス役の花江(夏樹)君が「信長さん、僕の恋人殺しましたよ」って教えてくれました(笑)。そんなナイス編の直後の魂電編で、「ヤバいヤツ出てきた」と思っていたキャラクターが、好青年みたいな感じで次の話に登場するのは面白いですよね。「え? どういうこと?」みたいな驚きがありました。
――島粼さんが演じているヤン・チョンについて、どんな印象がありますか?
島粼 ヤン・チョンは幼い頃に両親を亡くして不遇な少年時代を過ごし、今は遊園地で人気のトップヒーロー”魂電”のスーツアクターとしてアルバイトをしている大学生の青年です。そんな彼の設定を聞いてまず思ったのは、「じゅうぶん君は強い子だよ」ということでした。他人からの「信頼」を数値化した「信頼値」が可視化されている世の中で、誰もが少なからず持っているはずの信頼値が0というヤン・チョンが生きていくのは、そうとうしんどいはずなんです。さらに両親が殺されたという辛い過去を持っていたりもするわけで、それでも明るい人柄を失わずに育ってきたということに、僕はまず拍手を送りたいですね。逆境の中でもキラキラした想いを抱き続けることができる、そんな彼にはもともとヒーローとしての素養があったんだろうなって、そんな風に思っていました。
