なぜ最近は「AT限定免許」取得者多い?「AT免許恥ずかしい」は過去のもの? 7割が「AT免許」を選ぶ理由

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「AT限定免許」でまったく問題ない時代になった?

 かつて運転免許を取得する際に「AT限定免許は恥ずかしい」という声や「企業採用条件はAT限定不可」など、MT免許を取得するほうが良いような時代がありました。
 
 しかし最近では、免許取得者の7割以上がAT限定免許を選んでいるといいますが、その背景にはどのようなことがあるのでしょうか。

新車のほとんどはAT車

 クルマを運転する人が取得する必要がある「普通自動車第一種運転免許」(普通運転免許)。現在は、MT車とAT車の両方を運転できるものと、AT車に限定して運転することができるもとのふたつがあります。

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 後者は「AT限定免許」といわれており、1991年に導入されて以降、取得者が増加。

 警察庁が公表している「運転免許統計」によると、2020年に普通自動車第一種運転免許を受験した人は158万7700人で、そのなかでAT限定を選んでいる人は111万3229人と、全体の7割以上を占めています。

 AT限定は1991年11月1日に普通自動車免許を対象として創設されており、それ以前に取得した人にはAT限定という選択肢がありませんでした。

 創設されてから30年以上経った現在、運転免許の取得状況はどのようになっているのでしょうか。

 日本トレンドリサーチはグーネット中古車と共同で「普通自動車運転免許の取得」に関するアンケート調査を実施しています。

 そのなかで、年代別にAT限定免許の割合を質問したところ、50代以上が26.0%、40代が35.9%に対し、30代以下では64.1%と、AT限定免許を取得した人がMTを運転できる普通免許よりも上回る結果となり、とくに若い世代で増えていることがわかりました。

 現在は、新車の99%が2ペダルで運転できるAT車(CVTやDCTなど含む)といわれており、MT車が減少傾向にあるなか、MT車も運転できる普通免許を取得しても乗る機会がほとんどないことから、AT限定免許で問題ないと考える人が多いようです。

 先のアンケートではAT限定を選んだ理由も質問しており、「マニュアルを運転することはないだろうと思ったから」(20代・女性)、「自宅のクルマがAT車で、MTでとる必要はないから」(30代・男性)、「乗る予定もないのに、教習時間も難易度も料金も高いMTを取得する意味がないから」(30代・男性)、というコメントが寄せられたといいます。

 なお、MTを選んだ理由としては、「スポーツ車に乗りたかったため」(20代・男性)、「まだAT限定は恥ずかしいという風潮だったから」(30代・男性)、「MTをとっておけばATも出来るし困ることないかなと思ったから」(30代・女性)、「就職するときに、当時社用車でMT車を保有している会社も多かったので、その対応として」(40代・男性)という声がありました。

 かつては誰もが普通免許を取得していましたが、AT限定免許が創設された当時「ATは簡単に運転できる」というイメージもあり、AT限定免許は「恥ずかしい」という意識があったのも事実で、中高年層ではそう考える人も少なくないようです。

 時代は変わり、AT車がほとんどの割合を占めるようになった今、AT限定免許で何の支障もなくクルマを運転することができるようになり、「AT限定免許は恥ずかしい」という意見は過去のものとなっています。

 AT限定免許は、普通免許よりも安く、早く取得できることもあるほか、レンタカーやカーシェアも特殊な車種を除いてAT車です。

 就職のためといっても、多くの社用車がAT車になっていることから、AT限定免許の種獄舎はますます増えていくことが予想されます。