【広瀬アリス×井之脇海】2人の「失恋から立ち直る方法」は? ドラマ『失恋めし』インタビュー
1月14日(金)よりAmazonプライム・ビデオにて、広瀬アリス主演のドラマ『失恋めし』(全10話)が配信される。
【広瀬アリス×井之脇海】ドラマ『失恋めし』インタビュー&場面写真をさらに見る
広瀬演じるイラストレーターのキミマルミキが、フリーペーパーに連載中の漫画のネタとなる“失恋”とそれを癒す“美味しい料理”を探す物語。
毎話、ちょっと切ない失恋のエピソードと、サバの味噌煮、串焼き、大学芋、カニクリームコロッケ等の実在するお店で出されている料理が紹介され、観ているだけでなんだかほっこりとした気持ちになる。
そんな本作について、広瀬アリスと、ミキが好意を抱く花屋のアルバイトの“青年”を演じた井之脇海にインタビュー。独特の雰囲気を醸すこの物語がどのように作られていったのか、大九明子監督とのエピソードや、それぞれの失恋立ち直り法なども教えてもらいながら話を聞いた。
「今回は何を食べられるのかな?」と、期待しながら台本を読んでいました
――お2人は撮影前に楽しみにしていたことはありますか?
広瀬:やっぱりご飯は楽しみでした。「今回は何を食べられるのかな?」と、期待しながら台本を読んでいました。特に焼き小籠包はもともと好きだったので楽しみでした。実際にすごく美味しかったです。
井之脇:あれは美味しかったですよね。
広瀬:お腹いっぱい食べて、さらにお持ち帰りもしました(笑)。あとは1話で出て来たサバの味噌煮は衝撃的でした。
見た目が真っ黒でちょっと驚いたんですけど、味は濃すぎず、美味しくて、その日のお昼ご飯にしちゃいました。クランクインの日だったんですけど初日から完食でした(笑)。
井之脇:僕も最初にこのお話をいただいたときは、「何が食べられるんだろう?」と楽しみにしていたんですけど、僕の役柄が花屋の青年ってことで食べるシーンはほとんどなくて。台本を読んでいてちょっと悲しくなりました(笑)。
広瀬:あははは(笑)。
井之脇:でも、実際にあるお花屋さんを撮影場所に使っていて、そこが事前にちょっと変わっていると聞いていたので、「どんなお花があるんだろう?」と楽しみにしていました。現場に行くと、本当に今まで見たことのないようなお花がいっぱいあって新鮮でした。
――普段から花に興味があるのですか?
井之脇:僕自身はそこまで興味があったわけではないんですけど、母がお花が好きで家にはいつも飾ってありました。
僕はよくわかってなかったんですけど、これからは実家に帰ったとき少しはわかるようになったかな、と。いい機会になったと思います。
役柄に対するお互いの印象は“ピッタリ”
――お互いに、相手の役柄と本人との共通点を感じた部分はありますか?
広瀬:私は井之脇さんが青年の役だと聞いて、ピッタリ過ぎると思いました。花の茎を切りながら、そこにいる井之脇さんのイメージがすぐに浮かんでくるくらいでした(笑)。
井之脇:僕は広瀬さんがミキを演じると聞いた上で台本を読んだんですけど、想像ができたというか。僕もピッタリだなと思いました(笑)。
それから、ドラマの中にミキが人の動きに勝手に自分の妄想をアテレコするっていうシーンがあるんですけど、「ここは広瀬さんがやったら面白くなりそう」って、思いながら読んでいました。
――演じた本人として、役柄と共通点を感じる部分はありますか?
広瀬:ミキはネタ探しのためによく人間観察をしていて、私も人間観察は好きです。ミキみたいに人の話に聞き耳を立てたりはしないですけど。あと、美味しくご飯を食べる、ということは、役に関係なく素直にできました(笑)。
――本当に美味しそうに見えましたが、そのように見せるためのテクニックも必要ですよね。
広瀬:あれは私の正直な反応です(笑)。きれいに食べたいと思っていました。ただ気にしていたのはホントにそれくらいで。美味しくてちょっとニヤッとした顔とかも本番で出ちゃってました。
――2話で串焼きを食べているシーンで、串からなかなか具が取れなくて、笑っちゃうみたいな反応がすごくリアルでした。
広瀬:あれは本当にリアルです(笑)。食べていたらなかなか取れなくて焦っちゃって。でも、監督はそういうハプニングとかも良かったらそのまま使うんです。だから、私が道を間違えて「間違えた!」って言いながら戻っていたりするところもそのまま使われてます。
――そうなんですね(笑)。井之脇さんは演じた青年とご自身との共通点を感じる部分はありましたか?
井之脇:自分で言うのは恥ずかしいんですけど、僕も台本を読んで、この役は(自分に)ピッタリだな、と(笑)。自分が演じている姿が思い浮かびました。
ただ逆に本当にそのまま何も考えないでやってしまうと僕自身になってしまうので、そこは違いを探しながら青年のキャラクターを作っていきました。
青年の考えていることとか内面的なところは違和感なく自分に入ってきてしまったので、会話のテンポとか、アウトプットをするときに、僕とは違うようになるように意識をしていました。
――共通点としてはどの部分が一番大きかったですか?
井之脇:一つのことに一生懸命になってしまうと周りが見えなくなってしまうところとか。青年はお客さんのために一生懸命に花を選ぶんですけど、集中し過ぎてその間にお客さんが帰っちゃって(笑)。それに似たところはありますね。
監督が爆笑しながら「OK」を出したハプニングシーン
――ミキはイラストレーターという役どころですが、その点で意識することはありましたか?
広瀬:私、絵心が全くないんです。だから漫画家さんとか、絵が上手な人が好きなんです。今回、漫画を描くシーンもあったんですけど、もう何をどう描いたらいいかわからなくて(苦笑)。元から描いてある線をずっとなぞっていました。
特に指導とかもなくて「ここに髪の毛を描いてください」とかって言われるんですけど、「どうやって描くんだろう……」って、震えながら描いてました。
漫画家さんって絵はもちろんですけどコマ割りとかも自分で考えるじゃないですか。改めてすごいなって、実感しました。
――お互いの演技やリアクションなどで印象に残ったシーンを教えてください。
井之脇:それとはちょっと違うんですけど、3話でミキがお花屋さんの外に駆け出していくシーンがあって。そのとき、広瀬さんがドアに思い切りバーン!ってぶつかってて(笑)。あれは忘れられないです。
広瀬:あははは(笑)。走ったら本気でぶつけちゃって。「痛い〜」って言いながら、そのまま駆け抜けて行ったっていう。それもハプニングだったんですけど、そのまま使われました。監督は爆笑しながら「OK〜」って言ってましたね。
――ホントにそのまま使われている部分が多いんですね。広瀬さんは印象に残る井之脇さんシーンはありますか?
広瀬:ミキちゃんはいろいろ妄想をするんですけど、その妄想の中で青年がめちゃくちゃ怒ったり、シュンとしてたりするところがあって。そこは新しい井之脇さんを見られた感じがしました。
普段は本当に優しくて柔らかい方なので、そのイメージが崩れるのが私には新鮮で面白かったです。
井之脇:あのシーンは楽しく演じさせてもらいました。むしろ、今回はそこくらいしか感情を出すシーンがなかったので。ちょっとリハーサルとは違うことを本番でやってみたりもしたんですけど、それを監督がOKしてくれて。楽しいことになっています(笑)。
――妄想シーンで印象に残っていることはありますか?
広瀬:お花屋さんにスーツ姿の男性が押しかけているところにアテレコをするシーンがあるんですけど、アテレコしているのはミキの妄想のセリフなのにやっていると本当にそういう風に話しているように不思議と見えてくるんです。
そこは改めて観たときにすごく面白いな、と思いました。実際は全然違うのに、逆に妄想の設定の方にしか見えなくなってくるんです。
井之脇:僕も同じシーンが印象に残っています。壁を隔てて、お店の中と外では全然違うようになっているというか。
僕とそのスーツの人たちは店の中できちんと筋の通ったお芝居をしているのに、完成した映像を観ると、ミキのアテレコのように見えてきて。新しい発見でしたし、面白かったです。
背中を軽くポンっと押してくれるような、観ていてちょっとだけ頑張ろうかな、という気持ちになれる作品
――大九監督はどんな方ですか?
広瀬:女の子が恋しているときに感じるちょっとしたウキウキとかを本当に繊細に演出してくださいました。ルンルンした気持ちを上げるためにスキップをしてみたり、そのステップを大きくしてみたり。
動きや表現を細かく作ってくださるので、私もそれに合わせることによってどんどんミキちゃんというキャラクターを吸収することができました。
井之脇:さっきから話も出ているハプニングもそうなんですけど、その場で起こったことや感情を採用してくださるんです。
あとは、監督がもともとお笑いをやられていたこともあって、シュールな笑いを作るのはすごく上手だな、と。僕はあまり笑いのセンスがないので(苦笑)。
広瀬:そうなんですか?
井之脇:ないですね。だから監督から細かく「ここはこういう風に言ってみて」とかって指示をいただけると「あー、なるほど、こういう風にやったら面白く見えるんだな」ってわかって。そういうことがいろいろありましたね。
広瀬:大体、お花屋さんでのミキと青年のシーンってシュールでしたよね。お花屋さんの店内が一周回れるような作りになっていて、そこを2人でぐるぐる回りながらセリフを言い合うとか、不思議な間で入るとか。
井之脇:シュールでしたね(笑)。
――この作品自体にはどんな想いを抱いていましたか?
広瀬:背中を軽くポンっと押してくれるような、観ていてちょっとだけ頑張ろうかな、という気持ちになれる作品だと思いました。でも、それって実はすごく前向きになれることだとも思うんです。
失恋をした人の話を聞いて、ご飯を食べてなんか頑張ってみようかなって。言い方はちょっと変かも知れないですけど、失恋も悪いものじゃないなって思えるし。立ち直れる方法はいくらでもあるんだ、って思いました。
ご飯を食べて美味しいって思えたら、それで大丈夫だって思うんです。食べることって不幸を忘れられる瞬間ですよね。目の前の食べ物を純粋に美味しいと思えることって、すごくいいことなんだって改めて思いました。
井之脇:僕は出来上がった作品を観たとき、僕たちの生きている日常に近いというか、寄り添ってくれているような作品だな、と思いました。
というのも、劇中で街の名前は丸々区三角町ですし、僕は花屋の“青年”で、名前もない。1号、2号、3号とか、変な名前の人たちも出てくるんですけど、そういう感じだからこそ、ドラマの中というより本当に自分たちの近くにありそうに感じられて。
失恋も日常に溢れていますしね。だから失恋して寂しいときに観たら、そこに寄り添ってくれるようなドラマになっているんじゃないかと思いました。
――それが配信という気軽に観られる形であることもいいですよね。日常に溶け込めるというか。
井之脇:僕もそれは感じていました。サブスクがこれだけ世の中に広がってきてスマホでも簡単に観られるじゃないですか。そうするとどんどんドラマと日常ってシームレスになってきていると思うんです。
今回、劇中に出て来る食べ物屋さんもお花屋さんも、全部、実際にあるお店だから、そのお店に行ってみたいな、と思うと行くことができる。ドラマと日常の境目があまりないような気がして、それは新しいのかな、って思います。
失恋立ち直り法は大熱唱&登山
――本作では美味しいものを食べることで失恋から立ち直りますが、お2人にはどんな立ち直り法がありますか?
広瀬:私は大熱唱です。最近思ったことなんですけど、入れるより出すほうがスッキリするなって。
ストレスが溜まったり、落ち込んだりしたとき、前はお酒を飲むことが多かったんですけど(笑)、運動をするとか、声を出すとかにするとスッキリします。1回、きれいにデトックスをして、そしてご飯を食べると最高に美味しかったりするんです。
――ちなみに、そんなときはどんな曲を歌うんですか?
広瀬:凛として時雨さんとか。バンド系の曲を大熱唱します。
――もしお友達の失恋を癒すとしたら、何をしてあげますか?
広瀬:カラオケです(笑)。失恋ソングを歌って泣かせて、スッキリさせてあげます。
――井之脇さんは?
井之脇:僕は失恋に限らず悩み事とかがあるとすぐに山に登っちゃいます(笑)。それこそ広瀬さんの言う吐き出すに似ていますけど、体を動かして汗をかいていると嫌なことを忘れていけるんです。
疲れて山の上とかで美味しいものを食べると、もう悩みなんてどうでもよくなっちゃう。だから友達が失恋しても山に連れて行きます。圧倒的な自然を前にすると、自分の悩みなんて本当にちっぽけだなって思えるんですよね。
広瀬:いいですね、それ。
井之脇:自然の力、おすすめです。
――最後にお互いの見どころを含めて、観てくれる方にメッセージをお願いします。
広瀬:青年ってお話の前半はわりと淡々とした感じなんですけど、回を追うごとにミキとの会話も増えて、どんどん面白くなっていきます。お花に対する愛情が強過ぎて、真っすぐ過ぎて、周りが見えなくなってしまうとか。
そういう井之脇さんの細かいお芝居がホントに素晴らしいです。急に早歩きになってみるとか、動きも面白いんです。シュールな世界観もありつつ、ほっこりもある、美味しいドラマになっていると思います。
井之脇:僕自身、完成作を観たときに、広瀬さんが本当に美味しそうにご飯をたべているな、と感じて。それってめちゃめちゃ大事なポイントだと思うんです。
心から美味しいと思っているのが画面越しにも伝わってくる、こっちもお腹がいっぱいになっちゃうような素敵な表情をぜひ観ていただきたいです。
あとは大九ワールドの中で、登場人物たちが不器用ながらも一生懸命に生きている。それがさっき広瀬さんもおっしゃってましたけど、観ている人たちをちょっとだけ後押ししてくれるような、励ましてくれる作品になっているんじゃないかと思います。ぜひ、楽しんで観ていただけるとうれしいです。
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作品に登場する料理が美味し過ぎて、撮影期間中、少しだけ「ぷよってしいました」と笑いながら話してくださった広瀬さん。本当に食べている姿が美味しそうに見えて、それを見ているだけでも何だか幸せになれてしまう作品です。
そして、井之脇さんも言っていましたが、私たちの日常の中にある誰かの話のような身近さがあり、友達の話を聞いているように見られる気軽さもあります。
劇中のお料理のように、食べてみれば、観てみれば、きっと誰もが少しだけ笑顔になれる作品です。
作品紹介
Amazonプライム・ビデオ独占配信ドラマ『失恋めし』
(全10話)
2022年1月14日(金)より⼀挙配信
