架空のレコード店「THE TRAD」を舞台に、「上質な音楽を、じっくり味わう。」をコンセプトに、稲垣吾郎(月・火曜パーソナリティ)とハマ・オカモト(OKAMOTO’S)(水・木曜パーソナリティ)とフリーアナウンサーの吉田明世(月〜木曜アシスタント)が各音楽ジャンルに秀でたマイスターたちとともに、本質的で流行に左右されない上質な音楽と趣味の話題をお届けする音楽番組「THE TRAD」。10月22日(木)の放送は、ゲストにお笑いコンビ・スピードワゴンの小沢一敬さんが登場! 小沢さんが“1番衝撃を受けた曲”について、お話を伺いました。


(左から)ハマ・オカモト、小沢一敬さん、吉田明世


◆小沢が“1番衝撃を受けた曲”
小沢:中学生ぐらいのとき、まだ全然音楽もあまり知らなかったときに、同級生がカセットテープを持ってきて「すごいヤバいバンドがいるんだよ!」って言われて、聴いたのがTHE BLUE HEARTS。デビューして1枚目のアルバムをカセットテープに録ってくれていて。家で聴いた瞬間、本当に大きな声で“わぁ!!”って言っちゃったの。怖くて。

ハマ:怖くて?

小沢:もう“何これ!? 聴いたことない!”と思って。気が付いたら涙が止まらないし、「わぁ! わぁ!」って叫んでいて、急に“ヤバイ、お母さんが2階に上がってくる”と思って、枕に顔を押し付けて“わぁあああ!!”って叫び続けて。もうカセットテープを何回も巻き戻して、1日中ずーっと聴いていたのよ。

ハマ:すごい……! その得体の知れない“ある種怖い”っていう表現もされましたけど、でも繰り返し聴くっていうことは、そのなかには格好良さというか、衝撃がやっぱりあって?

小沢:(それまでは)家で本ばっかり読んでいるようなところもあって、毎週土曜日になると市の図書館に自転車で30分かけて行って、7冊借りてきて、また次の週に……みたいな。本がすごく好きだった。

ハマ:あ、そうだったんですね。

小沢:そして、これを聴いたときにその幼馴染と“じゃあバンドやろうぜ”ってなって、それでバンドを初めて……気が付いたら今“ここ”。

ハマ:今、俺、“ここ”。

3人:ハハハ(笑)。

ハマ:いやぁ、すごい良い話ですね。

小沢:でも本当に人生が変わった曲だと思う。

◆小沢が“すごい衝撃を受けた文”
ーーここで番組内では、「未来は僕等の手の中」(THE BLUE HEARTS)がオンエア。

ハマ:曲を聴きながら、「僕らも(甲本)ヒロトさんと一緒にレコーディングしたんですよ」なんてお話をしたら、小沢さんからもう1つお話があるそうで。

小沢:この歌にも衝撃を受けたんだけど、やっぱりこの人達の言葉というか、取材とかも全部知りたいのよ。それで、すごい衝撃を受けた文があるんだけど。そのときはヒロトさんと真島(昌利)さんが取材を受けているんだけど、そのインタビュアーが「本当にお2人は歌詞がすごいですよね」って言ったの。

そしたらね、すごく俺びっくりしたんだけど。「うーん……でも、歌詞は“指”だからね」って言うの。“どういうこと?”って思うじゃん。「どういうことですか?」って当然インタビュアーが聞くのよ。そうしたら、「夜に歩いていて“月が綺麗だな”と思った、あの月のことを歌おうと思った、『どの月ですか?』『あの月だよ』って、指しているのが“指”なんだ。歌おうとしているのは月なんだから、指を褒められても困るんだよなぁ」って言ったのよ。

ハマ:うわぁぁ、すご!!

小沢:だからそこに、メロディー、パフォーマンス、バンドの演奏、声、全部が合わさったときに1曲、その月になるのに「指だけ褒められてもなぁ」って。

ハマ:すごいですね。

小沢:あれに影響を受けてネタを作っています(笑)。

ハマ:俺、思いました! そういうことですよね。小沢さんが井戸田さんに「あまーい!」って言われる言葉のチョイスは、完全に影響されているんだろうなと思った、今。

小沢:ちょっとごめん……ネタの影響は漫画「COBRA」の影響を受けています。

吉田:違うところだった(笑)。

ハマ:でもその言葉の“深さ”というか……考えてきて言えないですよ、素晴らしい。

小沢:すごいよ、あの2人。

<番組概要>
番組名:THE TRAD
放送エリア:TOKYO FM
放送日時:毎週月〜木曜15:00〜16:50
パーソナリティ:稲垣吾郎(月・火)、ハマ・オカモト(水・木)、吉田明世(月〜木)
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/trad/