藤木容疑者の自宅を捜索する熊本県警の捜査員(10日)/(C)共同通信社

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「また逃げられた」と苦笑した人もいるだろう。

野田毅議員元秘書が警官引きずり逃走 傷害容疑で指名手配

 和歌山市で10日夜、盗難車両に乗り込もうとした男を警察官が取り逃がす事件が起きた。私服警官ら約10人が出動しての手痛いミスである。

「盗難車に乗り込もうとした男に職質しようとしたら、男が気づいて素早くクルマに乗り込んだ。警察は覆面パトカーで前をふさいだが、男はクルマを何度もパトカーにぶつけ、隣に止めていた一般車両とのすき間をすり抜けて逃げたのです。その間1、2分。警官は拳銃を持っていたけど、使っていません」(捜査事情通)

 このところ捜査当局の失態が相次いでいる。9日には熊本市で元国会議員秘書の藤木寿人容疑者(43)を薬物事件捜査で家宅捜索しようとしたが、藤木容疑者は警官6人を振り払って、クルマで逃走した。藤木容疑者は今も逃走中だ。

 6月には神奈川県愛川町で、実刑が確定した男が刑務所への収容前に逃走(その後逮捕)。検察事務官5人と警察官2人の7人態勢だったが、男は包丁で威嚇してクルマに乗り込んだ。なぜ簡単に取り逃がすのか。

「人数が多いほど逃げられるのです」とは元兵庫県警刑事で作家の飛松五男氏だ。

「被疑者の身柄を押さえるには2、3人いれば十分。5人や10人の大人数で行くから『みんなでいけば怖くない』と責任感が希薄になり、油断してしまうのです。そもそも最近の警察官は『絶対に捕まえるぞ』という気迫がない。覚醒剤事件の被疑者はほぼ100%が抵抗し、逃げようとします。そうしたことへの危機感もありません」

 犯人を確実に捕まえるには心理的な威圧も必要だという。抵抗のそぶりを見せたら警棒を抜く、次に警杖、さらに刺又をちらつかせることによって“戦意”をそぐのだ。

「3件とも被疑者がクルマで逃走しています。彼らが通行人をはねたら、それこそ警察の責任問題になる。だから何としても止めなければなりません。フロントガラスは警棒を直角に当てれば割ることができます。クルマの前をふさぐなら、警察車両を5〜10センチまで接近させないとダメ。拳銃があればタイヤを撃ってパンクさせればいい。最近のタイヤは高性能ですが、弾が直角にめり込むと動けなくなります。最後の手段は犯人に当たらないよう威嚇射撃。市民の安全を守るために銃を抜く気構えが必要です」(飛松五男氏)

 要は「気合」が大切ということか。