「Hey Siri、新元号は何?」〜音声アシスタントは「令和」を知っているか


4月1日、菅官房長官より発表された新元号「令和」。スマホの「音声アシスタント」はもう知っているのか、発表2時間後の4月1日13時台に問いかけてみました。

■「Hey Siri、新元号は何?」

iOS/Macの標準音声アシスタント「Siri」の回答は「新しい元号については、日本政府のホームページ等でご確認ください」。正解の元号「令和」は知らないものの、的確な情報ソースを案内する優等生的な回答です。

次に「来年は平成何年?」と聞いてみると「すみません、来年の元号は分かりません。でも、指示していただければwebで検索できます」と答えました。

■「OKグーグル、新元号は何?」

Androidに標準搭載されている「Google アシスタント」は、「新元号は4月1日に発表され『令和』に決まりました」と回答。簡潔ながら知りたい情報をきっちり伝えています。

「来年は平成何年?」には「今年、西暦2019年は平成31年ですが、平成31年は4月30日までで、5月1日から新しい元号に変わります」という的確な回答を返してくれました。

■「アレクサ、新元号は何?」

Amazonの音声アシスタント「Alexa」に聞いてみると「平成の次の元号は『令和』に決まりました」と的確な回答。さらに、菅官房長官が元号を揮毫させた書を掲げている瞬間の写真を表示しました。ディスプレイ型デバイスに力を入れているAmazonらしく、画像もきちんと用意するという満点以上の回答です。

一方、「来年は平成何年?」という質問は「来年は何年」と認識。「来年は2020年です」と西暦で答えてしまいました。

■「コルタナさん、新元号は何?」

最後にマイクロソフトの音声アシスタント「Cortana」に聞いてみました。音声での問いかけでは「元号」が認識されず、テキスト入力してたところ、「新しい元号は何?」をそのまま表示するという残念な結果に。

■音声アシスタントの裏側には人がいる

忘れてはいけないのは、「音声アシスタントは『新しいもの』を知らない」ということ。新しい情報を学習させることによって、初めて表示できるようになります。今回の新元号対応は技術でどうこうできるものではなく、定型質問用の回答をどれだけ早く用意できてるかが回答の差に現れています。

元号の場合、数十年に一度発表されるもので、前回の発表時には音声アシスタントが学習できるようなデータは揃っていませんでした。そのため、新元号対応では音声アシスタントのテキストを書き、回答一覧に入力する人が必ず存在します。日本だけでしか話題にならない新元号への対応からは、各音声アシスタントの日本市場への力の入れ具合の差をうかがい知る事ができそうです。

なお、「来年は令和何年?」とも聞いてみましたが、「令和」を「レイワ」と正しく認識できた音声アシスタントは皆無。唐突に発表された新しい言葉に音声認識で対応するにはまだ少し時間がかかるようです。