大林組がシリコンバレーに開発拠点を作ったワケ
シリコンバレーの拠点は全社的な技術開発の専門チーム「オープンイノベーション推進プロジェクト・チーム」のサテライトオフィスと位置づける。創造活動を促す協働オフィスに加え、実証実験を行う研究開発ラボも備える。
12月には研究開発のテーマとなる、建設業が解決すべき四つの課題を提示した。四つは、(1)AIを活用した自律設計(2)労働人口減少を背景にした現場場内搬送の自動化(3)IoT、AIを活用した建物居住者への付加価値(4)IoT、AIを活用した現場知識・ノウハウの伝承・ナビゲーション。先端技術を建設業に取り込み、現場作業の効率化や高度化を図るほか、居住者の快適性の向上も目指す。
共同開発に向け、米国のスタートアップ企業や研究機関からソリューションを募る技術提案コンペ「Obayashi Challenge2017」を実施。事前審査を受けた13チームがプレゼンした。大林組や米子会社トップ、技術者が各提案を評価し、複数の提案者と共同開発案件が進んでいるという。
開発案件の第1弾は、非営利独立研究機関の米SRIインターナショナルと次世代型自動品質検査システムを共同開発した。ビルディング・インフォメーション・モデリング(BIM)や点群データ生成機能に加え、複合現実(MR)技術や「ビジュアルSLAM」と呼ぶ高度な自己位置推定技術を使う。
「現場監督を支援する第3の眼」をコンセプトに、約15カ月で開発した。複雑で時間のかかる配筋検査業務の生産性を25―50%向上でき、労働者不足の解消につなげる。
(文・神谷信隆)
